前スレ:
ネイル先生と仲良くなろう3504 ◆AC57OO8nhs [sage] Date:2008/11/03(月) 18:00:53.99 ID:SiKdqUDO Be:
とりあえずネイル先生と仲良くする。
じゃ、今回の目標を
>>505
505 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [] Date:2008/11/03(月) 19:56:56.23 ID:vPAyZWc0 Be:
おかえり!まってた!
目標かーうーんうーん何が良いかな
実際に679がピアノ弾けるようになってネイル先生びっくりとか…
509 ◆AC57OO8nhs [sage] Date:2008/11/03(月) 21:13:19.82 ID:SiKdqUDO Be:
〜♪♪
昼休みのことだった
音楽室が数個並ぶ廊下の通りを歩いていたネイルの耳に、聞き覚えのある軽快な伴奏が届いた
そして次いで聞こえたのは、幼く耳に馴染みのある歌声
♪まあっかな太陽 沈む砂漠に
大きな恐竜が のんびり暮らしてた♪
良く聴けば、それは聞き覚えがあって当たり前な歌だった
何しろその歌は、ネイルが担任している小2年のクラスで音楽の時間に今教えている歌…
わざわざ休み時間にまで練習するのか、と、ネイルは思わず目を細め、幼い歌声に耳をそばだてた
♪ある朝目覚めたら 遠くにキャラバンの
鈴の音聞こえたよ♪
そしてその幼い歌声は、間違うはずもない
デンデとカルゴ、その二人の歌声
♪思わず 叫んだよ
海が見たい♪
その伴奏と歌声の聞こえる音楽室の扉に手をかけ、ネイルは邪魔をしないように、音を立てないように、そうっとドアを開けた
♪人を 愛したい
恐竜にも 心はあるのさ♪
そこには案の定、ピアノの両脇に立ち、耳に心地よい幼い歌声を気持ちよさそうに奏でるデンデとカルゴ
そして、ピアノを弾いていたのは
見間違うはずもない
679その人だった
510 ◆AC57OO8nhs [sage] Date:2008/11/03(月) 21:20:10.64 ID:SiKdqUDO Be:
ほんの一昨日、『全くピアノは弾けない』と言っていたはずの…
ネイルにまだ気がつかないまま、二人と一人は曲を奏で続ける
♪出掛けよう 砂漠捨てて
愛と海の ある ところ
〜〜♪、♪
歌い終わったとたん、デンデとカルゴがきゃっきゃと笑いながら679の傍に引っ付くように寄り
分厚い譜面の本をぱらぱらとめくり、679に何かを話している
ふ、と譜面から顔を上げた679と目が合った
相変わらず無表情だが、微かにその目が笑んだ…気がした
あくまで気のせいだったのかも知れないが
「…あぁ、これはネイル先生。如何しましたか?」
679の声につられ、デンデとカルゴも顔を上げてやっとネイルに気づき
短いスカートを揺らし、駆け寄ってきた
ネイルは少しばかり混乱しながらも、冷静を装い、駆け寄ってきた二人の小さな頭を
その大きな優しい手で、よしよしと撫でた
「驚いたな679。ピアノ、弾けないんじゃなかったのか?」
「そう、679さんすごいんですよ!ネイル先生!」
「すごいんですよ!本当に!」
679の返答よりも先に、興奮冷めやらない様子のデンデとカルゴが熱っぽい口調でネイルに679を自慢し始めた
512 ◆AC57OO8nhs [sage] Date:2008/11/03(月) 21:36:14.85 ID:SiKdqUDO Be:
ピアノの向こう側の679は、ただ無表情に、しかし確実にどこか優しさを感じる目でネイル達を眺めていた
「あ、いけない!次体育だ!」
「忘れてた!早く着替えないと!」
時計を見たデンデとカルゴが少し慌てた様子で顔を見合わせている
小2クラスは次の時間が体育だったのだ
それを思いだした二人は679に『またね』と告げると、慌ただしく音楽室を後にした
ぽつり、音楽室に残されたのは679とネイルだけ
「…」
「本当に驚いた、あれは嘘だったのかい?」
ネイルの問いかけに679は首を横に振り、『私は嘘は言いません』と、一昨日と同じセリフを口にした
ネイルは思わず首を傾げ、679の傍らに歩み寄った
「一昨日の時点では、私にピアノ演奏機能などはありませんでした」
「じゃあまさかたった一日やそこらで習得したっていうのか?」
「はい、私には学習機能がありますから」
機械とはいえ若干信じがたいものがあった
しかし、さっきまでピアノ伴奏をしていたのは揺るぎない事実である
ネイルはうぅん、と少し唸り声をあげた
515 ◆AC57OO8nhs [sage] Date:2008/11/03(月) 21:53:09.52 ID:SiKdqUDO Be:
がた、と椅子が鳴り
679がピアノの椅子から立ち上がった
「…しかしなんでそんないきなりピアノを覚えようと?あの子達にせがまれでもしたのか?」
「すべては、あなたのためですよ。ネイル先生」
冗談めかして言った言葉はスルーされ、679は抑揚の少ない声で『あなたのため』と言った
それは、確かに
「なぜ…」
「私は、嘘は言いません。約束も可能な限り守ります」
「…」
馬鹿な男だ、とネイルは心底思った
クウラに年中アタックしているあの生徒よりも、いいや、この学園内の生徒教師の中で一番の馬鹿なのではないか、とネイルは思わずにはいられなかった
「あなたが悲しむとき、私はあなたの力になりたい」
「…馬鹿が」
「よく言われます」
679はただ目のレンズだけを笑ませ、言葉を続けた
「あなたに、教えて欲しい」
「何をだ?」
「ピアノです」
「ははは、また冗談を」
516 ◆AC57OO8nhs [sage] Date:2008/11/03(月) 22:06:08.43 ID:SiKdqUDO Be:
「いえ、冗談ではなく」
「…」
ネイルの口から漏れた深いため息
やはりこの男は理解できない
いったい自分が何を教えれるというのだろうか
「私の演奏には感情がない。あなたのような優しい曲が奏でられない」
「!」
「教えて欲しい、私はどうしたらいい」
「…ぷっ」
真顔のままネイルをじっと見る679に、ネイルは笑いをこらえるだけで必死だった
「あの?」
「ぷっ、ふ、あっはははははっはははっはは!」
「なぜ笑いますか?」
なぜ笑うか聞かれればネイルにも答えはない
ただただ、そんなことを考える679が教師として愛しいほど馬鹿に見えて、笑いが止まらなかった
音楽室に笑い声がこだまする
その次の時間、ネイルと679は各々授業に遅刻した。
次回、ネイル先生と仲良くなろう!
『ドキドキ☆ネイル先生個人授業』の巻(嘘)