マジュニアと129とアルフ Vol.4

1スレ目:マジュニアと129とネコ Vol.1
2スレ目:マジュニアと129とネコ Vol.2
3スレ目:マジュニアと129とネコ Vol.3



912 : ◆hAmnyPalgs[sage]:2008/06/05(木) 02:22:10.35 ID:8rOPRK6o

ここに一つの物体があるとしよう。
仮にXとする。
この物体をXたらしめる存在はYだ。
YなくしてXはXたりえない。

今の僕はYを失ったXだ。
もはやXではない。
914 : ◆hAmnyPalgs[sage]:2008/06/05(木) 02:27:20.90 ID:8rOPRK6o
僕が生を選んだのはあの存在が僕の生を望んだからだ。
いや望まれたという訳ではないのかも知れない。
あの個体はただ目の前で死なれるのが面倒だった
ただそれだけだという可能性の方が
今現在においては強く感じられる。
それでも僕は生きた、この日まで。

僕の生命を継続させる要因の一つにあの個体の存在がある限り
僕の生命
それそのものがあの存在を手繰るよすがとなるからだ。


917 : ◆hAmnyPalgs[sage]:2008/06/05(木) 02:33:45.98 ID:8rOPRK6o
そして今

Yを僕は失った。

前述の通りYとはすなわち僕の生命、ならびに生活を支える存在だ。
そして僕はXではなくなった。
あの存在に望まれた生ではなくなったということになる。

つまりXではなくなった僕は僕の価値観に依り判断すれば
僕という存在を僕は必要としない。

これによって僕は僕を排除することが正しいということが証明される。


919 : ◆hAmnyPalgs[sage]:2008/06/05(木) 02:36:26.34 ID:8rOPRK6o
立ち続けていた足がジンジンと痛む。
僕はどれだけ窓際に立ち尽くしていたのだろうか。
視界に意識を戻せば町並みが濡れている。
気付かぬうちに雨が降り、そして、止んだのか。

どうでもいいことだった。
急いで排除しなくてはならない、僕を。


923 : ◆hAmnyPalgs[sage]:2008/06/05(木) 02:43:09.55 ID:8rOPRK6o
窓枠に足を掛ける。関節が僅かに痛んだ。
運動不足だな、
はは、
どうでもいいことだ。

宙に僕を投げ捨てた。


「>>129−−−−−ッ!」

落下によってぐるりと視界が回転する。
雲の切れ間から差し込む太陽の光が緑色に輝き、
僕にむかって飛び込んできた。


927 : ◆hAmnyPalgs[sage]:2008/06/05(木) 02:47:26.52 ID:8rOPRK6o
マジュニア「ッあ、ああああっ」
>>129「……お迎えにはまだ少し早いんじゃないかな」
マジュニア「き、きさ、キサマは、なッ、な、な、何を」
>>129「フライングしてしまうとは、せっかちな水先案内人だ」
マジュニア「だまれ、だまれ、ッだ、だまれ、」
>>129「君のすることは理解できない。僕は不要物を削除しようとしただけだ」
マジュニア「だまれ、だまれ、ッだま、だまれ」
>>129「僕は僕にとって不要だ、そう判断した」
マジュニア「黙りやがれ……ッ!!!!」

>>129「もう一度名前を呼んでくれたら、黙ってあげるよ」


930 : ◆hAmnyPalgs[sage]:2008/06/05(木) 02:50:41.75 ID:8rOPRK6o
マジュニア「すこしでいいから黙ってやがれっ、」
>>129「名前を」
マジュニア「名前がなんだってんだ!!!」
>>129「呼んでくれ」
マジュニア「>>129!」
>>129「もう一度」
マジュニア「黙ってろ>>129……ッ!!!」
>>129「……」
マジュニア「き…キサマは自分が何をしようとしたか解ってやがるのか!??」
>>129「不要なものを、捨てただけだ」
マジュニア「キサ…マは……!!!」


932 : ◆hAmnyPalgs[sage]:2008/06/05(木) 02:55:30.19 ID:8rOPRK6o
>>129「……」
マジュニア「くそッ……なんでそんな平気なツラしてやがんだ」
>>129「……」
マジュニア「せめてあの時みてえに、なっさけない顔しやがれ!」
>>129「……」
マジュニア「くそッ……くそッ……キサマが解らん!」
>>129「爪が、食い込んで痛い。少し腕の力を緩めてくれないか」
マジュニア「緩めたら落ちちまうだろうが!!!」
>>129「……僕は構わない」
マジュニア「オレが構うんだ!!」
>>129「君が?」
マジュニア「くそったれ…!部屋に戻るぞ!」


937 : ◆hAmnyPalgs[sage]:2008/06/05(木) 03:04:54.01 ID:8rOPRK6o
>>129「……」
マジュニア「……くそッ。くそったれが……!」
>>129「君はひどく興奮しているようだ。水を飲むかい?」
マジュニア「>>129!」
>>129「…………なん、だい」
マジュニア「キサマは自分が何をしようとしたのか解らないのか?!」
>>129「解っているよ。さきほどから答えているだろう」
マジュニア「……不要なものだと?」
>>129「ああ」
マジュニア「誰にとってだ!」
>>129「言っただろう。僕にとってだ」
マジュニア「……キサマにとっては不要だから?」
>>129「そうだね」
マジュニア「だからアルフも殺そうとしたのか!!」
>>129「言い方が野蛮だな」
マジュニア「同じことだろうが!!」


942 : ◆hAmnyPalgs[sage]:2008/06/05(木) 03:10:09.17 ID:8rOPRK6o
>>129「アルフ、とはあの猫のことかい」
マジュニア「……そうだ」
>>129「名前をつけていたなんて知らなかったな」
マジュニア「意味を知っているか」
>>129「意味?」
マジュニア「遠い国の言葉で『千』というらしい」
>>129「アラビア語だね」
マジュニア「……あいつが、」
マジュニア「幾日も、幾千日も」
マジュニア「ずっとずっと長い間」
マジュニア「愛されて。元気でいるようにと」
マジュニア「そういう祈りの名だ」
>>129「祈りなんてただの重荷じゃないか」
マジュニア「愛されている証だ」
>>129「それが僕と何か関係があるのかい」


948 : ◆hAmnyPalgs[sage]:2008/06/05(木) 03:18:02.39 ID:8rOPRK6o
マジュニア「……名前なんざ必要ないとオレも思っていた」
>>129「同意見だよ」
マジュニア「ネコに、名をつけてくれた女は、」
マジュニア「優しい顔で祈ってくれた」
>>129「祈りというものはただの自己満足だ」
マジュニア「だが、オレはその女の祈りを。優しい表情を、悪くないと思った」
マジュニア「オレも」
マジュニア「そういう風にアルフを思っていると気づいた」
マジュニア「名前をつけることは愛に似ていると教えられた」
マジュニア「オレはアルフを愛している」
>>129「小動物への愛情はナルシシズムの表れとも読み取れ、」
マジュニア「黙れ」
>>129「君は機嫌が悪いようだね」
マジュニア「黙れ!」

マジュニア「キサマには解らないのか?」


951 : ◆hAmnyPalgs[sage]:2008/06/05(木) 03:23:42.24 ID:8rOPRK6o
>>129「何がだい?」
マジュニア「……くそッ」

マジュニア「キサマはオレを、愛しているだろうが」
>>129「君は僕の全てだ」
マジュニア「それは愛か?」
>>129「勿論だ」
マジュニア「ほんとうか?」
>>129「解り切ったことだ。それを疑うなんておかしいな、君は」
マジュニア「オレのことが大切か?」
>>129「大切だ」
マジュニア「……ほんとうだな?」
>>129「おかしいな、君は。君は僕の全てだ」
マジュニア「そんないいかたは、いやだ」
>>129「言い方がかい」
マジュニア「いやだ」

マジュニア「愛していると言え」
>>129「おかしな子だな」

>>129「愛している。愛しているよ」


952 : ◆hAmnyPalgs[sage]:2008/06/05(木) 03:25:15.70 ID:8rOPRK6o
マジュニア「傍へ来い」
>>129「さきほどから君は不安定だ。一度落ち着いた方がいい」
マジュニア「そばへ、来いッ!!」
>>129「やれやれ」
マジュニア「抱き締めろ」
マジュニア「はやく」
マジュニア「抱き締めて、愛していると、オレに言え!」


955 : ◆hAmnyPalgs[sage]:2008/06/05(木) 03:29:12.32 ID:8rOPRK6o
>>129「一体どうしたと言うんだい。君は錯乱しているとしか思えない」
マジュニア「はやく!」
>>129「……」

>>129「愛している。愛している」
マジュニア「もっとだ」
>>129「愛しているよ。」
>>129「好きだ」
>>129「君のことを、愛している」
マジュニア「ほんとうか?」
>>129「それを疑うということはすなわち今ここでこうして君を抱擁している僕の」
>>129「存在そのものを疑うことになるね」
マジュニア「バカ!」
マジュニア「ほんとう、だって、言え」
マジュニア「ほんとうに愛してるって、」

>>129「……それは涙だ。君は感情が昂ぶっているのかい」
マジュニア「はやく、い…、え」


960 : ◆hAmnyPalgs[sage]:2008/06/05(木) 03:31:38.91 ID:8rOPRK6o
>>129「……」
>>129「マジュニア」

>>129「愛している。本当だ」
マジュニア「ほんとうか?」
>>129「本当に、愛している」
マジュニア「……」
>>129「……」
マジュニア「……」

マジュニア「オレもだ」

マジュニア「オレも……キサマを愛している」


962 : ◆hAmnyPalgs[sage]:2008/06/05(木) 03:33:54.88 ID:8rOPRK6o
>>129「……き」
マジュニア「だまれ」
マジュニア「そのまま」
マジュニア「口を閉じていろ」

>>129「……、っ」

マジュニア「…………」


マジュニア「オレを感じるか?」
マジュニア「今、どんな気持ちだ?」


968 : ◆hAmnyPalgs[sage]:2008/06/05(木) 03:37:52.76 ID:8rOPRK6o
>>129「……」
マジュニア「どんな気持ちだ?」
>>129「……」
マジュニア「お前は今どんな気持ちだ?」
>>129「一言では言い表せない。考えを纏める時間をくれないか」
マジュニア「バカ!……考えて解るようなことじゃない」
>>129「君にそれがどうして判別できる?」
マジュニア「オレも同じ気持ちだからだ」

マジュニア「お前の気持ちに名前を付けてやる」
マジュニア「それは、幸せ、ってんだ」


972 : ◆hAmnyPalgs[sage]:2008/06/05(木) 03:41:42.06 ID:8rOPRK6o
>>129「……」
マジュニア「ほれ。一言で言い表せただろう?」
>>129「……君も同じ気持ちだと?」
マジュニア「そうだ」
マジュニア「お前のことを愛しているからだ」
マジュニア「解るか?」
>>129「……」

マジュニア「オレはお前のことを愛しているから、こうして、『幸せ』を感じる」
>>129「……」
マジュニア「お前はオレを愛しているんだろう。だから、『幸せ』なんだ」
>>129「君は僕より頭がいいね」

マジュニア「お前が何をしようとしやがったか解ったか?」
マジュニア「お前は」
マジュニア「オレから幸せを奪おうとしたんだ」


977 : ◆hAmnyPalgs[sage]:2008/06/05(木) 03:46:58.93 ID:8rOPRK6o
>>129「僕が、君から」
マジュニア「そうだ」
>>129「……」
マジュニア「アルフだってそうだ」
マジュニア「お前への愛とは形が違うかも知れねえ」
マジュニア「だがオレはアルフを愛している」
>>129「……」
マジュニア「……」
マジュニア「……」

マジュニア「……お前にとってはいらない存在なのかも知れない」
マジュニア「だが、オレにとっては大切なものなんだ」
マジュニア「アルフも」

マジュニア「……お前も」


980 : ◆hAmnyPalgs[sage]:2008/06/05(木) 03:53:23.91 ID:8rOPRK6o
>>129「……マジュニア」
マジュニア「なんだ」
>>129「マジュニア」
マジュニア「なんだ」
>>129「マジュニア」
マジュニア「……なんだ、>>129」

>>129「……」
マジュニア「……お前はオレを愛しているだろう?」
>>129「……愛している」
マジュニア「ほんとうか?」
>>129「ほんとうだ」
>>129「好きだ」
>>129「愛している」

>>129「……すまない」


985 : ◆hAmnyPalgs[sage]:2008/06/05(木) 03:59:42.24 ID:8rOPRK6o
マジュニア「オレも。お前を、愛している」
マジュニア「お前は、オレにとって大切……だ」
マジュニア「落ちるお前を見て、オレがどんな気持ちになったか解るか?」
>>129「……」
マジュニア「オレにとって大切なものを」
マジュニア「お前も、大事にしてくれ……」
>>129「……」
マジュニア「いいな?」
>>129「……」
マジュニア「解ったな?」
>>129「マジュニア」
マジュニア「ああ」

>>129「許して、くれるか」


990 : ◆hAmnyPalgs[sage]:2008/06/05(木) 04:03:51.90 ID:8rOPRK6o

マジュニア「許せるわけないだろう」

マジュニア「キサマがしようとした行為は最低だ」
マジュニア「だが、」
マジュニア「愛している。だから傍にいてやる」

マジュニア「お前はどうしようもないヤツだからな」
>>129「……そうだな」
マジュニア「いっぱい間違いをするだろうよ」
>>129「そうだな」
マジュニア「オレさまが傍にいて、見張っておいてやる」
>>129「……すまない」
マジュニア「こういうときは、ありがとう、と言うんだ」

>>129「……ありがとう」


996 : ◆hAmnyPalgs[sage]:2008/06/05(木) 04:07:20.51 ID:8rOPRK6o

マジュニア「……」
>>129「マジュニア」
マジュニア「なんだ」
>>129「もう一度、キスしてくれるだろうか」
マジュニア「そう何度もしてやって堪るか」

マジュニア「今度はお前からしやがれ」


8 : ◆hAmnyPalgs[sage]:2008/06/05(木) 04:14:27.15 ID:8rOPRK6o


マジュニア「……はん」
マジュニア「少しはまともなツラするようになったじゃねえか」
>>129「……猫は」
マジュニア「アルフだ」
>>129「……アルフは、どこにいるんだい」
マジュニア「気になるのか」
>>129「君の大事な、猫なんだろう」
マジュニア「……ああ」


9 : ◆hAmnyPalgs[sage]:2008/06/05(木) 04:14:40.61 ID:8rOPRK6o

>>129「……」
マジュニア「一緒に会いに行こう」
マジュニア「ブルマのうちだ」
>>129「え」
マジュニア「ん?」
>>129「ブルマさんのところに僕が顔を出せるわけが」
マジュニア「一緒に会いに行こう」
>>129「え」

マジュニア「行くならもう一度キスしてやるぜ」
>>129「……」


14 : ◆hAmnyPalgs[sage]:2008/06/05(木) 04:18:49.29 ID:8rOPRK6o


ブルマ「きれいな夕陽ね」
ベジータ「ああ」
ブルマ「あの子も見ているかしら」
ベジータ「あの子って誰だ、おい」
ブルマ「あらやきもち?」
ベジータ「ば、バカヤローっ!」

パンチー「ブルマちゃぁん、お客様よぉ〜〜」
トランクス「うわああぁあああなんか小さいいいぃいい?!?」



デンデ「間に合ってほんとうに良かった」
デンデ「ピッコロさんは暫く帰って来ないみたいですね」
ポポ「Happy End?」
デンデ「Happy End!」


おしまい!



ちょっとした続き:マジュニアと129とアルフ その後

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Author:picoma
VIPに投稿された「ピッコロと俺の結婚生活」から派生したお話のまとめサイトです。
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お話を連続して読むためだけの目的で作成していますので、途中のレスなどは省かれています。
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