114 ◆PICorehgzw [sage] Date:2008/10/12(日) 15:51:01.47 ID:OrNeMwwo Be:
それでも、
共に過ごすことが出来て、オレはそれだけでも幸せだった。
我ながら情けない精神状態だ。
だが、
>>1の息遣いを、心臓の鼓動を、
声を、間近で感じていられる。
愛していた。
かつてのように、オレを求め抱きしめてくれなくてもいい。
愛していると、言ってくれなくても、いい。
ただ、
そばにいられたら、それで。
そんなことは欺瞞だ。
116 ◆PICorehgzw [sage] Date:2008/10/12(日) 15:51:45.87 ID:OrNeMwwo Be:
A・>>1は根はいいやつだよ
B・ひどい男だよ!!!!!
C・ひどくはないけどいいやつでもないよ
120 ◆PICorehgzw [sage] Date:2008/10/12(日) 16:02:41.91 ID:OrNeMwwo Be:
>>118 C・ふつう
好きだった。
欲しかった。
オレは>>1を求めていた。
そんな自分がひどく憎い、だが。
寝入った>>1に、そっと膝を進める。
同じ布団で寝てはいない。オレは横たわらずとも休息出来る、習慣がついている。
>>1と共に横たわって眠りについていたのは、
>>1がそう、望んでくれていたからだ。
一人用の布団で、当たり前のように寝入っている>>1。
狭いその中で、窮屈だと文句を言い合いながら抱き合った。
>>1の体はあたたかく、オレはあの頃、幸せだった。
幸せだったのに、それが…当たり前すぎた。
僅かに涙が浮いた。
それを堪えながら寝顔を見つめる。
122 ◆PICorehgzw [sage] Date:2008/10/12(日) 16:10:46.01 ID:OrNeMwwo Be:
いち、と、その名を呼びたかった。
だが、>>1が起きている時に泣くことはできない。してはいけない。
>>1は泣かれるのが苦手だと、言っていた。
>>1のことを思うとオレの涙腺はおかしくなってしまう。
「……っ、」
欲しかった。
抱きしめられたい。
共に過ごすだけで、それだけで良いだなんて、もはや思えないのだ。
かつて、遠いいつかは、
触れたいなどと。触れられたいなどと。
重なり合いたい、などと。
思い描いたことすらなかったのに。
オレがそうなってしまったこと。
記憶を失う前のお前は、それが、…あの男の存在ゆえだと思っていただろう。
だが、オレは、……お前を愛しているがゆえ、だと、信じている。
信じていたい。
125 ◆PICorehgzw [sage] Date:2008/10/12(日) 16:17:11.66 ID:OrNeMwwo Be:
布団越しに>>1の体に触れた。
厚い布団の向こう。
>>1の体のおうとつを感じただけで、体に震えが走る。
いとおしかった。
愛した相手の、体が、全ていとしいと思う気持ちがオレの中にもある。
知っていた、だが今ほどそれを強く実感してはいなかった。
>>1が何度も囁いてくれた。
好きだと。どこもかしこも好きだと。
オレもそうだ。オレもそうなのだ。
お前の、どこも、かしこも、好きだ。
触れたい、
お前の体で触れられたい。
耐えられなかった。涙が溢れる。
132 ◆PICorehgzw [sage] Date:2008/10/12(日) 16:24:30.99 ID:OrNeMwwo Be:
いち。
好きだ。
愛している。
お前が起きている間は、伝えられない。
眼差しから溢れる思いを、お前に出来るだけ意識されずにいなければいけない。
お前が気を使うから。
お前の困ったような顔を見たくはない。
だが好きだ。
耐え難いほどに。
オレの手のひらの下、布団の奥にお前の体がある。
ただそれだけで、泣けるほどに。
148 ◆PICorehgzw [sage] Date:2008/10/12(日) 19:09:22.82 ID:OrNeMwwo Be:
寝ているお前にこうやって縋っている自分が、
そうすることが抑えきれない程、冷静になりきれない自分が、
ひどく恥ずかしい。みっともないと思う。だが、
……うれしい。
お前に触れることが出来て。
たとえ布団越しとは言え、……うれしい。
もう、少し。
もう少しだけ、……オレは浅ましい、だが、
欲しくて、たまらないのだ。お前の体温が。
150 ◆PICorehgzw [sage] Date:2008/10/12(日) 19:16:16.15 ID:OrNeMwwo Be:
>>1は、やさしい。
オレに対してイヤな顔をしないでいてくれるようになった。
だが、愛されているわけではない。
あの頃とは、違う。
オレたちの間に、キスはおろか、ろくな接触はない。
同じ部屋で寝起きできるだけで、…うれしい。
だが抑えきれない。
好きなのだ、
触れたい。
「……ッ」
だが、今の>>1にとってオレに触れられるということは、
オレが>>1に触れてもらえるのとは違い、きっと、いいや。
絶対に、喜ばしいことではないのだ。
それが、つらい。
布団の厚み越しに、>>1の体のかたちを確かめるように、
何度もなでた。
151 ◆PICorehgzw [sage] Date:2008/10/12(日) 19:19:06.72 ID:OrNeMwwo Be:
A・>>1視点
B・このまま
155 ◆PICorehgzw [sage] Date:2008/10/12(日) 19:31:52.14 ID:OrNeMwwo Be:
>>152 A・俺視点(俺はいいひとじゃないよ!>>116-118)
浅くなっていく眠りの中、触れられている感触を見つける。
眠気を手放したくない。触らないでくれ。
身じろぎをすると、ふっとその感覚は消えた。
けどそれが何だったのかが気になっちまって、どんどん眠気が薄れて行く。
あーくそ。
目を開けた。
「あ」
暗くて良く見えねーけど、声は聞こえた。
俺の傍に座り込んでいる大柄な人影。
うわ、こえー。
何この人……、うわ。
「な … なんだよ」
「お、 起こした、か、 すまない」
泣き声だし。 …退くわー。
156 ◆PICorehgzw [sage] Date:2008/10/12(日) 19:41:56.20 ID:OrNeMwwo Be:
やべ。
俺がどん退ーてんのが伝わっちまった、
ピッコロさんがしゃくりあげて、慌てたみたいに腰を上げる。
「すま、ない 少し頭を」
「いやいやまって」
起き上がって手を伸ばす。
奇跡的に指先に服の端っこが当たって、
そこを握り締めた。
ピッコロさんが中途半端な姿勢でびしっと止まる。
「い、 いち、」
この人が俺の名前を呼ぶときは、すっげーなんか、
かわいそうになるよーなしゃべり方で。
俺の名前呼ぶのんがそんなに大事なのかな、って思う。
まったく理解できねーけど。
「別に怒ってねーし。いっすよ、明日休みだもん」
「…… すまん」
159 ◆PICorehgzw [sage] Date:2008/10/12(日) 19:48:50.81 ID:OrNeMwwo Be:
「なに。眠れんの?」
「……い、や……」
あくびが漏れる。大きく伸びして、布団の上に胡坐をかいた。
ピッコロさんは困ったように視線を逸らしたまま、もう一度床の上に腰を落とす。
「どうしたん」
「なんでも、ない…」
「ん?触ってたっしょ?」
黙り込んじまう。あれ?気のせいじゃなかったと思うんだけど。
ちょっと退くけど別に怒りゃしねーんだけどな、夜中に起こされたくらいで。
俺、知らなくて、随分ひどいこと言っちまったし、
……まあこの人も悪い人じゃねーみたいだし。
「どした?んー?」
A・触りたかった
B・キスがしたい
C・えっちしたい
D・黙秘
162 ◆PICorehgzw [sage] Date:2008/10/12(日) 19:59:20.09 ID:OrNeMwwo Be:
>>161 A・触りたかった
「さわ、…た、 」
「ん?何?」
小さく零れた言葉がうまく拾えず、
座り込んだその人の方にぐっと体を傾ける。
ビクってされた。何だよー。
でっけー図体してるくせにびくびくすんなよ。
「触りた…かった、 …」
すまない、って付け加えながら俯かれる。
意味がわかんなくてぼけーっとしてたら、
でっけえ肩が震えだした。
「すま …、ない」
「いやいやいやなーくーなーよー」
「泣いてない、 …すまん」
良く見えないけど泣かれてる。ぜってー泣かれてるこれ。
めんどくせーなーもう。
164 ◆PICorehgzw [sage] Date:2008/10/12(日) 20:04:38.90 ID:OrNeMwwo Be:
いやー気持ちはわかんねーけど、
ほんとに俺のことが好きならまあ、うん、
触りたくなる気持ちも解らんでもねーけどなあ。
俺だって好きな子と一緒にいたら触りたくなるし。
でもなんかヤダ。
ヤダけど、あー、泣かれるのはほんとめんどくせー。
「別にいいって、触るくれーさ」
ピッコロさんがふるふる首を振る。
あーもーめんどくせー。だるくなってきた。
ほんとに俺はこんなめんどくせー人が好きだったんかな。
あーでもまー、好きだったんなら、
こーいうめんどくせーとこもかわいく見えたんかなー。
「ピッコロさんー」
しゃくりあげられた。
慌てて口を押さえて、すまん、って言うその人が、
なんだかかわいそうだ。めんどくせーけど。
めんどくせーけどかわいそーで、あーそしたら、解決法は。
165 ◆PICorehgzw [sage] Date:2008/10/12(日) 20:07:19.70 ID:OrNeMwwo Be:
「はいはいよしよし」
「ッ!!」
膝立ちになって、抱きしめてみた。
丸い頭をよしよし手のひらで撫でてみる。
すべすべしていて、いい気持ちだ。
「…… 、 ち ッ」
ピッコロさんのでっけー体がすっげービキーって固まってる。
166 ◆PICorehgzw [sage] Date:2008/10/12(日) 20:11:06.86 ID:OrNeMwwo Be:
「ぃ、 ち、 」
「はいはい」
あー泣きまくられた。何これ逆効果だった。
触りたくて泣いてたのに触ったらますます泣くって何。
わけわかんねー、
いや、
俺がちゃんと考えてやれば解るような気もする、
だけど好きでもねー人にそんな労力を使える俺でもなくて。
参ったな。
でもかわいそうだ。
それに、一応、ルームメイトだし。
「触りてーなら幾らでもいっすよ、ほれ」
ピッコロさんのでっけー手。
床でぎゅーってこぶしになって震えてたそれを拾い上げて、
俺の背中に回してみる。
169 ◆PICorehgzw [sage] Date:2008/10/12(日) 20:14:24.77 ID:OrNeMwwo Be:
>>167
A・セフレ路線でがんばってみる
B・まだまだルームメイト
C・耐え切れん
176 ◆PICorehgzw [sage] Date:2008/10/12(日) 20:29:15.35 ID:OrNeMwwo Be:
>>170 A・もうセフレでいい
ピッコロさんの手がおずおずと俺の背中に触れている。
抱きつくでもなく抱き寄せるでもなく、
ただ触れてるだけ。
触りたい、とか言ってたくせにそんだけでいいのかな。
ほんと良くわかんねー。
とにかく泣き止んでくれたらいい。
まるい頭を何度も撫でた。
かわいい。丸くてかわいい。
「い…ち……」
しゃくりあげて震える肩もぽんぽん撫でた。
泣き止んでー。泣き止んでー、って念を送りつつ。
「……お前にとって、オレは、…… … めんどうな、存在か」
やべ。
図星を突かれた。
178 ◆PICorehgzw [sage] Date:2008/10/12(日) 20:34:20.04 ID:OrNeMwwo Be:
「……、そ、んなことねーよ」
>>1の声はさりげなかったが、発する前の僅かな間が真実を伝えていた。
解っていた。解っていた。
>>1はオレを愛してくれていた。
だがそれは>>1を愛する前のオレだった。
こんな風に、弱く、情けなくなる前の。
179 ◆PICorehgzw [sage] Date:2008/10/12(日) 20:36:52.17 ID:OrNeMwwo Be:
お前と出会い、愛を知る前のオレをお前は愛してくれた。
オレを愛してくれているからこそ、
オレの変化をも愛してくれていたのだろう?
おそらく、そうだ。
今のオレは、きっとお前に愛されはしない。
181 ◆PICorehgzw [sage] Date:2008/10/12(日) 20:41:56.26 ID:OrNeMwwo Be:
それでもオレはお前を愛している。
どうすれば、愛さずにいられるかなんて、
教えられていない。
お前のように記憶を消せば、この辛さは消えてなくなるのか?
そんなこと、出来ない。
お前を忘れるくらいなら、苦しんでいたい。
182 ◆PICorehgzw [sage] Date:2008/10/12(日) 20:45:37.35 ID:OrNeMwwo Be:
ピッコロさんが、笑った。
泣いているとばかり思ってたからびっくりする。
「……お前との関係を、修復するのは諦めよう」
184 ◆PICorehgzw [sage] Date:2008/10/12(日) 20:49:45.04 ID:OrNeMwwo Be:
「へ?」
「お前も、頑張ってくれているのは解るが…おそらく無理だろう」
ピッコロさんの手は俺の背中から離れない。
そっと上向く顔。
暗くてよく解らないけど、
小さな明かりを発する電子機器のライトに僅かに照らされた表情は、
笑っているようだった。
「だが、……」
ピッコロさんの手が俺の背中をするりと這う。
「お前に教えられた、……えっちは、…どうも忘れられそうにないようだ」
186 ◆PICorehgzw [sage] Date:2008/10/12(日) 20:51:28.10 ID:OrNeMwwo Be:
「その責任だけ取ってくれれば良い」
俺がちょっと優しくしただけでフルフルして、
すぐ泣きそうになって、
俺がちょっと冷たくしただけでやっぱり泣きそうになっちまう、
メンヘラみてーなその人。
同じ人だとは思えない落ち着いた声で囁きながら、
ピッコロさんの手が俺のTシャツの中にもぐりこんで来る。
「人間は、…それだけ、という関係も、楽しめるものだろう?」
188 ◆PICorehgzw [sage] Date:2008/10/12(日) 20:53:54.67 ID:OrNeMwwo Be:
ピッコロさんのお誘い?に
A・のる
B・のらない
192 ◆PICorehgzw [sage] Date:2008/10/12(日) 21:04:37.28 ID:OrNeMwwo Be:
>>190 A・のる
「……それで、いー、ん?」
俺のTシャツの中で、ピッコロさんの指がするすると背を撫でている。執拗に。
ピッコロさんの表情は固まってるみてーに変わらない。
「ああ」
短い返答。
どうにも信用ならなくて、問いを重ねる。
「もう、恋人、っつーか。そういうのは、いいのかよ?」
195 ◆PICorehgzw [sage] Date:2008/10/12(日) 21:16:59.80 ID:OrNeMwwo Be:
「もう、 いいんだ」
変わらない声で囁いて、ピッコロさんが指を動かす。
セックスだけで良いなら、いーけど、
いーけど、さ。
釈然としないまま、挑発する指を払って
大きな体を布団に押さえ込む。
少しでも泣かれたら、すぐに止めようと思った。
けど、ピッコロさんはそんな気配は見せなくて。
「あ、 …」
「ああ、オレには性器はないんだ」
ピッコロさんが無造作に脱いだ服を打ち捨てて、投げやりにつぶやく。
「別に、構わんだろう。フリーザだってそうなのだから」
「あいつにするように してくれれば いい」
197 ◆PICorehgzw [sage] Date:2008/10/12(日) 21:34:12.98 ID:OrNeMwwo Be:
乱暴ではなかった。
丁寧だった。
オレを愛してくれているから、オレを抱いてくれているわけではない。
やさしく触れてくれる。気遣ってくれる、だが、
そこに愛はない、
かつてのような、愛はない。
それでも、
嬉しかった。
198 ◆PICorehgzw [sage] Date:2008/10/12(日) 21:43:03.07 ID:OrNeMwwo Be:
嬉しかった。
嬉しくて死ねるのならば死んでいただろう。
渇望していた>>1の体温が。
ずっと、ずっと欲しかった感触が。
快感、だが、オレが本当に、本当に求めていたのは、
その快感の手前にある、
お前の、てざわり。
愛している、
もう、言えない。
202 ◆PICorehgzw [sage] Date:2008/10/12(日) 21:56:28.83 ID:OrNeMwwo Be:
シャワーを、…… 借りて。
以前は、自然に使っていたこのバスルームすら、
オレは「借りる」形になっている気がする。
それから、ようやく、泣いた。
泣きたかった。
泣き喚きたかった。
抱きしめて、抱きついて、キスをして、
好きだと、愛していると、愛してくれと、
わめきたかった、告げたかった。
愛を諦めて、てざわりを、得た。
204 ◆PICorehgzw [sage] Date:2008/10/12(日) 22:05:07.21 ID:OrNeMwwo Be:
「なあ、」
長いシャワーを終えて出てきたピッコロさんを見上げる。
シャワーとか風呂の後は、緑の肌がピチピチツヤツヤしててすげーキレイだったんだけど、
今日はなんだか色が褪せているように見える。
疲れたんかな。
やらしーことしたのは、あの一回だけ。随分久しぶりだ。
黙ってこっちを見るその人が、どこか所在なさげに見える。
「どうするん」
「何、がだ」
「このままここに住む?」
俺は別にどっちでもよかった。
ちょっとこの人はこえーけど、きっぱり割り切ってくれるんなら、それはそれで。
金もかからねーし、邪魔にもあんまならねーし、
いるだけなら、いいかな、と。
A・はい
B・いいえ
209 ◆PICorehgzw [sage] Date:2008/10/12(日) 22:25:39.11 ID:OrNeMwwo Be:
>>206 B・いいえ
あの人は天界に帰ってしまった。
211 ◆PICorehgzw [sage] Date:2008/10/12(日) 22:26:53.75 ID:OrNeMwwo Be:
迎えに行った時は、俺、……
本当に、本気で、向かい合おうとしていた。
好きになれたら、良いと思っていた。
俺なんかをそんなに好きになってくれる人ってのも、
そーいねーと思うしさ。
だけど、ダメだったんだな。
あの人は帰っちまった。
213 ◆PICorehgzw [sage] Date:2008/10/12(日) 22:30:02.90 ID:OrNeMwwo Be:
俺が悪ぃーんかな。
久しぶりに一人の部屋んなか。
床にごろんと転がってため息をついた。
好きになろうとしたつもりだった。
一度、愛したんだ、もう一度愛せるんじゃないかって思ってた。
215 ◆PICorehgzw [sage] Date:2008/10/12(日) 22:33:30.56 ID:OrNeMwwo Be:
嫌いじゃねー。
ちょっと怖ぇけど、嫌いでは、なかった。
たまにはカワイイなって思うことだってあったし、
顔立ちはかっけーし。
やっぱちょっとこえーけど。
部屋の中にあの人の気配がない。
216 ◆PICorehgzw [sage] Date:2008/10/12(日) 22:38:48.51 ID:OrNeMwwo Be:
最近ずっとそこにあったから。
それが、なくなったのは、少し寂しかった。
天界から見てるんだろーか。
俺があんまり遅くねー時間に帰ってきて、
ひまそーにしてると、
都合よくやって来る。
本当に、都合が良かった。
衒いなく服を脱いで、求め、シャワーを浴びたらさっさと帰っていく。
気も使わなくて良い、俺の言動にいちいち過剰反応もしない。
楽ちんで、気持ちよくて、……悪くなかった。
218 ◆PICorehgzw [sage] Date:2008/10/12(日) 22:43:21.98 ID:OrNeMwwo Be:
A・ピッコロさんはつおいよ!
B・ピシッ
C・パリーン
D・そこでおこめつぶですよ
223 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage] Date:2008/10/12(日) 23:11:43.28 ID:OrNeMwwo Be:
A・バッドエンドでもいいよパラレルだし
B・いやいやいやいや
230 ◆PICorehgzw [sage] Date:2008/10/12(日) 23:27:47.73 ID:OrNeMwwo Be:
>>220 C・パリーン
>>225 B・でもバッドエンドじゃない程度で
オレの涙腺は壊れてしまったようだ。
233 ◆PICorehgzw [sage] Date:2008/10/12(日) 23:32:57.61 ID:OrNeMwwo Be:
>>1のことを思うだけで涙が零れる。
そして、>>1のことを思わずに過ごせる時間なんぞオレにはないのだ。
壊れてしまったオレの目の中から、とめどなく涙が溢れる。
それなのに、あいつの前では一滴も零れず、オレの目元はかわいたままだ。
238 ◆PICorehgzw [sage] Date:2008/10/12(日) 23:39:12.11 ID:OrNeMwwo Be:
良かった、と思った。
あいつの前でさえ泣かずにいられるのなら、
あいつの前でさえまともでいられるのなら、
他の時のオレがどうあろうと、どうでもいい。
抱いてくれる。
>>1は丁寧にオレに触れてくれる。
>>1の肌と、オレの肌が、触れ合うだけでいい。
それだけでいい。
それ以外はいらない。
239 ◆PICorehgzw [sage] Date:2008/10/12(日) 23:46:02.74 ID:OrNeMwwo Be:
涙が止まらないから、
デンデを避けるようになった。
悟飯を、悟空を避けるようになった。
心配されている。
解っている。
だがそれすらも、
どうでもいい。
241 ◆PICorehgzw [sage] Date:2008/10/12(日) 23:53:37.32 ID:OrNeMwwo Be:
全てに、投げやりになっていた。
あいつ以外は、どうでもいい。
あいつの、てざわり以外はどうでもいい。
「うっす」
窓を開けてくれる>>1の笑顔すら、オレにはどうでも良くなった。
244 ◆PICorehgzw [sage] Date:2008/10/12(日) 23:58:58.39 ID:OrNeMwwo Be:
「ちょっと久しぶりっすねー」
「そうか」
そんなことは解らない。
お前に触れられるまでのオレは死んでいるも同然だ。
相槌を打ちながら帯を解く。
>>1が苦笑しながら押入れに向かう。布団を敷く。
いつもと同じだ。変わらぬ流れ。
ああ、
もうすぐ触れてもらえる。
触れられる。
>>1の肌に、>>1の指に、熱に、全てに。
そのことしか考えられない。
もう>>1が何を話しているかも解らない。
衣服を脱ぎ捨てる。
「早くしろ」
早く、してくれ。はやく、はやく。
247 ◆PICorehgzw [sage] Date:2008/10/13(月) 00:04:11.48 ID:Lpt7Veco Be:
>>1がオレの肌を撫でながら、何か話している。
解らない。聞こえない。
どうでも、いい。
もっと触れてくれ、もっと。
重なってくれ、擦り合わせてくれ。
オレはそれだけでしか、感じられない。
何も。
249 ◆PICorehgzw [sage] Date:2008/10/13(月) 00:08:36.38 ID:Lpt7Veco Be:
愛して欲しいだなんぞ、
くだらない感傷に取り込まれ、
ぐちゃぐちゃになっていたつい先日までの自分を馬鹿だったと思う。
そんなこと、大したことではない。
どうでも良いことだ。
こうして、>>1が触れてくれる。
こうして、てざわりをくれる。
それでいいそれだけでいい。
それ以外はいらない。
「 ぁ ぁ っ …… あ、 ぁあっ…!もっと、 ……っ!」
もっともっと。もっと、
お前を、くれ。それだけでいいんだ。
252 ◆PICorehgzw [sage] Date:2008/10/13(月) 00:15:37.69 ID:Lpt7Veco Be:
こうして抱かれている間は、
腕の中にお前を感じることも出来る。
肌が触れ合う。
お前の体温がオレに触れる。
幸せだ。
オレは、幸せだ。
254 ◆PICorehgzw [sage] Date:2008/10/13(月) 00:28:18.97 ID:Lpt7Veco Be:
「お風呂一緒に入る?」
煙草の煙の混じった言葉に首を振り、立ち上がる。
微かにふらつきそうになるが、強いて堂々と歩いた。
シャワーへ向かう。
バスルームの戸を閉めた途端、涙が溢れ出して来る。
しあわせだ。
オレはしあわせだ。
258 ◆PICorehgzw [sage] Date:2008/10/13(月) 00:35:14.36 ID:Lpt7Veco Be:
シャワーを出て、衣服を纏うと窓に向かう。
「じゃあな」
「ピッコロさん」
呼び止められた。
今までにないことだ。
僅かに心が波打った気がしたが、
気のせいだった。
どうでも良いことだ、>>1の気まぐれ程度。
「なんだ」
振り返る。
オレの目許は乾いている。
262 ◆PICorehgzw [sage] Date:2008/10/13(月) 00:39:34.23 ID:Lpt7Veco Be:
「久々に泊まっていかね?」
何を言っているのだ。
おかしなやつめ。
「その必要はないだろう」
窓に手を掛ける。
264 ◆PICorehgzw [sage] Date:2008/10/13(月) 00:47:07.91 ID:Lpt7Veco Be:
「必要はねーけど…、 …」
つめてーなあ、と
大した感慨もなさげに呟く>>1の苦笑の気配を背に、
窓枠を握る己の手に力が入りかけるのに気づく。
なんでもないことだ。
どうでも良いことだ。
「……勘違いしているんじゃないだろうな」
振り返りはしない。
「オレはもうお前のことなぞなんとも思っとらんぞ」
265 ◆PICorehgzw [sage] Date:2008/10/13(月) 00:50:28.44 ID:Lpt7Veco Be:
「あー、まー、そうなんでしょーな」
軽い声が帰ってくる。
煙草をもみ消す音。
息を忘れていたことに気づいた。
ゆっくりと、肺の中身を吐き出す。
「……ただ、オレなんぞを抱くような酔狂なヤツが他にいるわけがないから」
「…」
「責任、を」
「うん、解ってるっすよ」
解っている。
解っている?
268 ◆PICorehgzw [sage] Date:2008/10/13(月) 00:55:47.79 ID:Lpt7Veco Be:
>>1は
A・自信過剰
B・バカ
C・普通
D・だめんず
279 ◆PICorehgzw [sage] Date:2008/10/13(月) 01:20:15.20 ID:Lpt7Veco Be:
>>270 バカで自意識過剰
「でもさー、」
さっさと窓を開けて外に出てしまえばいい。
>>1の声なんぞどうでもいい。
>>1が何を考えているかなんぞ、どうでもいい。
>>1が、オレを、
責任…感で、抱いているとしても、
それでいい。
触れてくれさえすれば、
どうでも良いのだ。
282 ◆PICorehgzw [sage] Date:2008/10/13(月) 01:32:37.22 ID:Lpt7Veco Be:
「じゃあなんでそんな顔してんの」
顔?
頬に触れる。乾いている。
オレの顔が何だというのだ。
煙草の匂いが鼻につく。
昔は、オレが苦手だと言うと、家で吸うことは少なくなった、煙草。
構わず煙を吐き出す仕草に、煙への不快ではなく、昔の気遣いを思い出して泣きそうになった、
そんなオレはもういないはずだ。
「泣きそうな顔してんじゃん」
窓に映る自分の顔を見る。
「……ちがう、」
「何が」
283 ◆PICorehgzw [sage] Date:2008/10/13(月) 01:39:23.64 ID:Lpt7Veco Be:
「あのさー、俺、あんたが何でそーしてんのかはわかんねーけど」
「俺のことまだ好きなんじゃね?つーか好きだろ?」
首を振る。
そんなわけがない。
お前のことなんて、気持ちなんて、どうでもいい、
愛して欲しくなんかない。
触れてさえ、くれれば。
「あんた俺に抱かれてる間ずーっと泣きそうな顔してんすけど」
触れてさえ、くれれば。
286 ◆PICorehgzw [sage] Date:2008/10/13(月) 01:50:26.56 ID:Lpt7Veco Be:
「なあ、なんで?」
のどが、渇いた。
目の奥が、痛い。
「……」
「なんでそんな顔してんの。俺わかんねーよ、なあ。教えて」
「……」
だっておまえは、
オレのことを、
もう、
二度と
愛してはくれないのだろう。
289 ◆PICorehgzw [sage] Date:2008/10/13(月) 01:57:48.29 ID:Lpt7Veco Be:
愛してくれないのだから、
期待するのを止めた。
愛して欲しくなんかない。
愛してなんかいない。
ただ触れてくれればそれでいい、
てざわりを、感触を、ぬくもりを。
ただそれだけだ。
……。
「あ、久しぶりに泣くとこ見た」
291 ◆PICorehgzw [sage] Date:2008/10/13(月) 02:00:37.28 ID:Lpt7Veco Be:
愛してなんぞいない。
愛されたくなんぞない。
では、
どうして、お前に触れられたい。
どうして、お前に触れたい。
どうして、お前の体のどこもかしこも、いとおしいのだ。
お前を愛しているがゆえだ。
「ピッコロさん」
やさしい声だ。
どうして。
愛してなんぞ、くれないくせに。
「おいで」
A・いく
B・いかない
C・帰る
301 ◆PICorehgzw [sage] Date:2008/10/13(月) 02:11:35.95 ID:Lpt7Veco Be:
A・いく
振り返った。
>>1はこちらを向いている。
おいで、と繰り返されて、
ふらふらと近づいた。
立ち尽くすオレを手招く仕草にならい、
膝をつく。
抱きしめられた。
「ッ、 ……」
「ほーらな」
「…… 」
「やっぱ俺のこと好きなんだろ?」
ひどい。
ひどい、やつだ。
302 ◆PICorehgzw [sage] Date:2008/10/13(月) 02:12:42.63 ID:Lpt7Veco Be:
おまえは愛してくれないのに。
だから、
だから、
もう、それでいいと、
必死に……必死に自分をだましていたのに。
それなのにオレの気持ちは引き出すのか、
お前はくれないのに、
オレは、お前を愛していると、隠していてはいけないのか。
抱きしめられる腕を払いのけられない。
「そんなに泣くなよ」
やさしい声。
だが、お前は、ひどい。
305 ◆PICorehgzw [sage] Date:2008/10/13(月) 02:19:59.11 ID:Lpt7Veco Be:
「 ちが う」
「違う?」
お前のことを愛してなんぞ、いない。
触れる感触だけでいい、 いいんだ。
「ウソツキー」
引き倒される。
布団の上で、二人。
もうずっと前に感じる、さほど遠くない過去、
並んで眠りについたときのように、横たわって、抱きしめられる。
胸が、張り裂けそうだ。
307 ◆PICorehgzw [sage] Date:2008/10/13(月) 02:29:13.48 ID:Lpt7Veco Be:
「じゃーなんで泣くの」
「 わか、 …らん、 …」
「んー?」
涙を拭われる。
最初は手で、次に唇で。
どうして、
どうしてこんなことをする。
えっちだけでいいんだ、それだけで。
やさしくなんてしてくれなくて良い、
頼むから、
やめてくれ、
「ぁ っ! …… ふ っ …… ぁ、あ …っ」
唇がふさがれる。
熱い感触に腰が痺れ、入り込んできた舌のぬめりに、
オレの口の中の粘膜が喜びにぬれて行く。
311 ◆PICorehgzw [sage] Date:2008/10/13(月) 02:35:17.05 ID:Lpt7Veco Be:
涙が止まらない。
お前の前では泣かずにいられたのに、
困らせたくないのに、
「っ ふ …… ぁ、… っ んっ、ん ……」
お前の舌に少しなぶられるだけで、
ぐちゅぐちゅに濡れてしまう自分の口が恥ずかしい。
溢れる唾液が熱い。そして冷えて行く。
抵抗なんぞ出来るわけがない、
うれしい、全身が、喜んでいる。
触れられるだけで、 いい、
他のことなんて、
だめだ。だめなんだ。
期待してはだめだ。
こんなにみっともなくなってしまったオレを、お前が愛してくれるわけがない。
期待してはだめだ。
だからやさしくしないでくれ。
「 くッ …ぁ、 う、 …… ふっ …… 、」
314 ◆PICorehgzw [sage] Date:2008/10/13(月) 02:47:54.32 ID:Lpt7Veco Be:
あたまがくらくらとする。
もう、これでいい、
こうしてくれるのなら、どうでもいい。
自尊心なんぞいらん、
何もいらん。
お前がこうしてくれるなら。
「あ、」
身に着けたばかりの帯に手を掛けられる。
ああ、
そうか。
「やり足りん、 かったのか、」
ならばそう言えばいいのだ。
回りくどいことをせずに、最初から。
もう一度脱げと言えばそれで良かったのに。
315 ◆PICorehgzw [sage] Date:2008/10/13(月) 02:55:23.55 ID:Lpt7Veco Be:
期待して、なんぞ、いない。
あたりまえだ。
みじめになるだけだ。
自ら帯を引き抜いて、上着を脱ぐ。
>>1の声がする、
だが、内容がわからない。
何も考えたくなかった。
「やり ッ、 足り ん…な ら、 さっさ…と… もう、 ……」
声が、出ない。
316 ◆PICorehgzw [sage] Date:2008/10/13(月) 03:03:01.22 ID:Lpt7Veco Be:
>>1の言葉も、解らない。
喉が震えて、言葉が出ない、
だが、そんなこと、どうでもいい。
ズボンも脱ぎ捨てる。
足を、広げた。
愛されていた頃ならば、恥ずかしさを覚えて、こんなこと自分からしやしなかった。
だがもう愛されていない、
だから、もう、どうでもいいのだ。どう思われようが、もう、愛されないのだから。
>>1がその気にさえなるのならば、なんだって。
触れて、くれない。
どうして、
317 ◆PICorehgzw [sage] Date:2008/10/13(月) 03:08:40.15 ID:Lpt7Veco Be:
焦燥感に身が震える。どうして。
>>1が何か言っている、だが、わからない、
そんなことはどうでもいい、
はやく触れてくれ、はやく、はやく、
足を曲げる。持ち上げる。
お前の、したいようにするから、
なんでもするから、
なんでも、
だから、
「はや 、 ッ、 しろ、 っ、 …」
320 ◆PICorehgzw [sage] Date:2008/10/13(月) 03:17:56.46 ID:Lpt7Veco Be:
A・甘口
B・中辛
C・辛口
328 ◆PICorehgzw [sage] Date:2008/10/13(月) 03:28:35.17 ID:Lpt7Veco Be:
>>321 A・甘口
愛してくれなくても、
これだけならおまえはくれるだろう、
それでオレはいいんだ、
いいんだ、だから。
頼むから、はやく。
オレの胸が壊れてしまう。
触れてくれないと、もう、
「ッ い、 ちぃ …ッ」
膝を掬うように持ち上げた腕が震える。
329 ◆PICorehgzw [sage] Date:2008/10/13(月) 03:35:15.58 ID:Lpt7Veco Be:
>>1の名を口に出したのは久しぶりだった。
抱きしめられた。
「 っ、 、 …… 、 …」
覆い被さってくる>>1の体の下で身じろぐ。
先に進んで欲しいとねだるつもりで。
だが、
ただ抱きしめたまま、>>1はじっとしていて。
何か言っている、だがよくわからない。
解る必要もない。
お前と、オレとは、もう、
これでしか、
えっちでしか、繋がっていない。
330 ◆PICorehgzw [sage] Date:2008/10/13(月) 03:46:29.14 ID:Lpt7Veco Be:
>>1の声が聞こえる。やさしい、だが、解らない。
何を言っているのかが解らない。
「っ、 ん、 …」
口付け。
いやらしいものではなかった。
やさしくて、こわい。
どうしてそんな風に触れる、どうしてだ。
だが、逃げることが出来ない。
お前が触れてくれるのに、オレが拒めるわけがない。
「…… ひ ぅ っ …」
目じりを舐められる。体が震えた。
こわい。>>1が怖かった。
止めてくれ。オレはやさしくされたいんじゃない。
331 ◆PICorehgzw [sage] Date:2008/10/13(月) 03:53:51.44 ID:Lpt7Veco Be:
まるで、愛されていたときのような。
>>1からの愛が、当たり前にオレに注がれていた頃のような。
抱きしめられ、あやされ、
涙を拭われる。
時折触れる、やさしい唇。
これが夢ならば、この夢に浸ったまま死にたい。
333 ◆PICorehgzw [sage] Date:2008/10/13(月) 04:03:49.36 ID:Lpt7Veco Be:
どれくらい経ったかな。
息も出来ないほどぐしゃぐしゃに泣いてたピッコロさんが、
俺の腕の中で落ち着いてくれるまで、随分と、かかった。
めんどうでは、なかった。
335 ◆PICorehgzw [sage] Date:2008/10/13(月) 04:10:04.16 ID:Lpt7Veco Be:
体をぎゅうって硬くしたまま、
けど、すげー一所懸命、俺の触れる手を意識してるのが伝わる。
いつも、そーだった。
泣きそうな顔で、必死に。
俺の手を、体を、覚えてようとしてるみてーに、
意識してた。
体だけでいいって。
さばけた態度で服を脱ぎ捨てて、乾いた声で俺を誘う。
だけどその顔が、泣きそうだった。
337 ◆PICorehgzw [sage] Date:2008/10/13(月) 04:13:40.37 ID:Lpt7Veco Be:
「 っく、 ふ、 ……」
苦しげな息を付きながら、
少しずつピッコロさんの胸の揺れや肩の震えが収まって行くのを
腕の中に感じていた。
ピッコロさんの両手は、ぎゅうっとシーツにしがみついている。
俺にしがみつけばいいのに。
339 ◆PICorehgzw [sage] Date:2008/10/13(月) 04:18:32.73 ID:Lpt7Veco Be:
「ピッコロさん」
そっと呼んでみた。
ぴくん、と肩が跳ねて、
落ち着きかけていた表情がまた歪む。
かわいそうだ、って思いながらも、
めんどうでイヤだったこの人の泣き顔が、
胸に迫ってくる。
「俺の声聞こえる?」
抱きしめたまま頬を撫でる。
出来るだけやさしく。
「 っ、 …」
ピッコロさんの目からは、ほんとに干からびちゃうんじゃね?って
心配になるくらいぽろぽろ涙がこぼれ続けてる。
泣きながら、小さく頷いてくれた。
341 ◆PICorehgzw [sage] Date:2008/10/13(月) 04:27:51.30 ID:Lpt7Veco Be:
「……俺の声、聞こえてねーことも、あったっしょ?」
特に、えっちしてる間はそうだった。
何を言っても聞こえてねーみてーに、言葉には無反応で、
ただ体だけに反応してた。
寂しかった。
だけど、その顔はいつも辛そうで、泣きそうで。
たまんなくなった。
泣いてる女なんて面倒で抱きたくねーけど、
りりしい、この人の顔が悲しそうに歪んでいる、その表情が、
だんだん俺の中に入り込んできたんだ。
343 ◆PICorehgzw [sage] Date:2008/10/13(月) 04:33:50.80 ID:Lpt7Veco Be:
体は、気持ちよかった。
すべすべの肌も、やわらかいふくらみも、手触りのいい胸や尻も。
すぐにぐしょぐしょに濡れる、やらしい口も。
きもちいい。
だけど、
「ピッコロさんいつも泣きそうな顔してたんすよ」
それが辛かった。
そういえば、オレは、この人の幸せそうな笑顔を見たことがない。
いつも辛そうで、泣きそうで、悲しそうで。
ピッコロさんは黙って泣いている。
俺の声、届いてるのかな。
心配になった。
A・確かめてみる
B・黙って話し続ける
347 ◆PICorehgzw [sage] Date:2008/10/13(月) 04:43:25.68 ID:Lpt7Veco Be:
>>345 A・確かめてみる
「ピッコロさん」
ぽろぽろと溢れる涙。濡れた目じりに唇を押し当てて、ちゅ、と吸い上げた。
ひくんと震えるピッコロさんの体。
体の、ふれあいには、とても過敏に反応を見せる。
「ピッコロさん?」
呼びかけてみた。
ピッコロさんはじっとしている。零れる涙だけ、次から次に溢れる。
頬を撫でた。涙を拭う。ピッコロさんは、何も言わない。
「…………俺のこと嫌いだから、反応してくれねーの?」
ビクンッ、とピッコロさんの体が、かわいそうなくらいに竦んだ。
ごめん。
抱きしめる。
ひ、あ、と悲鳴のような嗚咽のような声が零れた。
せっかく落ち着いたのに、ごめん。
抱きしめて、一所懸命なでる。あやすようにゆすって、口付けた。
「ピッコロさん、ごめん。 ごめん」
349 ◆PICorehgzw [sage] Date:2008/10/13(月) 04:47:35.16 ID:Lpt7Veco Be:
なんでこの人はこんなに俺が好きなんだろう。
わかんねー。まったくわかんねー。
だけど、
俺のことが、すっげー好きなのは、解ってる。
なのにひどいこと言った。ごめん。
そっと口付けて、ピッコロさんが落ち着くのを待った。
俺の言葉は、届いてる。大丈夫だ。
350 ◆PICorehgzw [sage] Date:2008/10/13(月) 04:51:24.76 ID:Lpt7Veco Be:
ピッコロさんの頬をそっと撫でた。
いつまででも撫でていたい、すべすべとした感触。
だけど、痩せた。
天界で久しぶりに会ったときも、痩せてたけど。
俺が引くくらいガタイ良かったのに。
俺のせいだってことが、わかるし、
俺以外の理由で、この人がやせ細っちまうのがいやだって、思う。
いつも泣きそうな顔で必死に俺の体の感触を感じていたこの人は、
俺が愛してやれば幸せそうに笑うんだろうか。
どうしたら、幸せになってくれるんだろうか。
「ピッコロさん」
しゃくりあげるピッコロさんを撫でて、口付けを落とす。
「もう、あんたが俺のことどうでもよくってもさ、」
…そんなことないって解ってるけど。
俺はずりーから。ごめんな。
351 ◆PICorehgzw [sage] Date:2008/10/13(月) 04:53:15.38 ID:Lpt7Veco Be:
ピッコロさんの体が俺の言葉で震える。
唇が、ぱくぱくと動いて、だけど言葉になってない。
ごめんな、待ってあげない。先に言わせて。
「俺はさ、あんたのこと好きになっちまったみてーなんだ」
360 ◆PICorehgzw [sage] Date:2008/10/13(月) 05:04:13.84 ID:Lpt7Veco Be:
ピッコロさんの、ふわふわと空をさまよっていた濡れた目が、俺を見た。
「や 」
思い描いていた、幸せそうな顔を、くれなかった。
361 ◆PICorehgzw [sage] Date:2008/10/13(月) 05:06:35.82 ID:Lpt7Veco Be:
「ピッコロさん?」
「も、 やめて … …くれ …」
まるで子どもみてーな、怯えた顔で俺を見て、
ピッコロさんが身をよじって俺の下から抜け出す。
ピッコロさんがそうしようとしたら、俺は力じゃかなわねー。
「ピッコロさん!!」
「いやだ!もう …、 もう、いやだ、 …壊れてしまう、 ッ」
362 ◆PICorehgzw [sage] Date:2008/10/13(月) 05:10:06.09 ID:Lpt7Veco Be:
「ピッコロさん、 待ッ、て…」
窓に向かうピッコロさんを慌てて掴む。
俺の下から逃げ出したときみたいな、すっげー力は感じられなかった。
俺が引っ張ると、へたへたとその場に崩れ落ちて、
すすり泣いた。
「おまえを、…好きすぎて、…オレはもうだめなんだ…」
364 ◆PICorehgzw [sage] Date:2008/10/13(月) 05:12:40.52 ID:Lpt7Veco Be:
両手で顔を隠す仕草が妙にかわいらしくて、
こんなときなのに、なんだか、
…… ますます、好きになった気がした。
泣きじゃくるピッコロさんを抱きかかえる。
あやすように背中を撫でて、
かわいそうなほど垂れ下がった耳に口付けた。
「ほんとっすか。うれしい。俺も、好き」
「うそだ、 」
「ほんと」
「うそだ……」
365 ◆PICorehgzw [sage] Date:2008/10/13(月) 05:15:33.63 ID:Lpt7Veco Be:
ピッコロさんの広い肩が震える。
痩せたっつっても俺よりぜんぜんたくましいのに。
なんでか、
俺が守ってやんねーと、って思わされた。
ぎゅー、って抱きしめる。
ピッコロさんが声を上げて泣いた。
たまんない気持ちになった。
367 ◆PICorehgzw [sage] Date:2008/10/13(月) 05:19:11.91 ID:Lpt7Veco Be:
ピッコロさんが泣くとこを見るのは初めてじゃねー、もちろん。
だけど、声出して泣くのは、初めてみた。
子どもみてー。女みてー。
俺よりぜんぜんガタイよくて、俺よりぜんぜん強くて、
なのに。
守ってやりてー。
「ごめん、ピッコロさん」
抱きしめた。俺の腕ん中からどっかいっちまわねーように。
「信じたく、ない、 こわい … こわい …ッ」
ピッコロさんが、俺の腕に身を任せてくれながらも、
怯えきった声で泣きながら訴えてくる。
ごめんな。ごめん。だけど。
「でも、好き」
369 ◆PICorehgzw [sage] Date:2008/10/13(月) 05:24:16.92 ID:Lpt7Veco Be:
「ひッ、 あ、 あっ、 …うっ …いち、 っ ……」
ピッコロさんの手首を取って、背中に回させた。
すがり付いてきた。
胸が痛い。
なんで俺はあの時わかんなかったんだろう。
好きな相手に触れたい、って願うピッコロさんの気持ちが。
みっともねーのかもしんねー。
涙でぐちゃぐちゃになったピッコロさんの顔が、
だけどすげー、いとしかった。
いとしい、だなんて、キョウコにだって感じたことがないかも知れない。
「好きっすよ」
言葉を重ねるたびに、ピッコロさんはいっそう泣いてしまう。
だけど止まらなかった。
泣かせた。
いっぱい、泣かせた。
370 ◆PICorehgzw [sage] Date:2008/10/13(月) 05:29:04.82 ID:Lpt7Veco Be:
「ピッコロさん、ごめんな」
何度も何度も背中を撫でた。
わなわなと震える広い背中。
だけど俺にとっては、何よりかわいい背中だ。
俺のためだけに泣いてる。
俺のせいでだけ、この人はこんなになっちまうんだ。
「い、ち、 っひ っ …く、ぅ、あっあ …あっ……」
かわいそうなくらいの泣き声をあげて、ピッコロさんが俺にすがり付いてくる。
こんなに、
こんなに俺のことが好きだったくせに、
諦めようとしたんだ。この人は。
「…ごめんな」
ピッコロさんのぐちゃぐちゃの顔を肩に埋めさせる。
「ごめん。好きだ」
371 ◆PICorehgzw [sage] Date:2008/10/13(月) 05:33:04.62 ID:Lpt7Veco Be:
好きだ、って何度も言い聞かせた。
泣き止まないピッコロさんは、もう一生泣き続けでいるんじゃないかって心配になるほどで。
えっちだけじゃ、足りない。
全部欲しい。全部。
373 ◆PICorehgzw [sage] Date:2008/10/13(月) 05:38:41.57 ID:Lpt7Veco Be:
明け方に、ようやくピッコロさんは気絶するように眠った。
泣く女は苦手だ。
それが俺のせいならなおさらだ。だけど、
「……」
涙のあとが残る頬に、そっと口付ける。
ピッコロさんが俺のために、俺のせいで泣いてくれる。
それが、あんまりに、幸せで。
「……笑顔も、見てぇな」
こわばった笑みじゃなくて。幸せそうな。
374 ◆PICorehgzw [sage] Date:2008/10/13(月) 05:41:25.67 ID:Lpt7Veco Be:
俺に出来るかなんてわかんねー。
だけどピッコロさんは俺のことを好きでいてくれてる。
うぬぼれなんかじゃ、ねー。
だから、俺が、幸せにしてやんねーとダメなんだ。
「ピッコロさん」
涙の気配が色濃く残る寝顔に、そっと口付けた。
抱きしめたまま、目覚めを待つ。
こわい、信じたくない、って泣きじゃくったこの人が、
髪の毛一筋さえも疑う余裕がないくらい、
ずっと、好きだって、
信じてもらえるまで、言い続けてやろう。
おしまい。
続きへ・・・。