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小さな小さな魔王様 僕はニセモノ勇者様前スレ:
小さな小さな魔王様 僕はニセモノ勇者様 Vol.119 ◆QEojHReE0E [sage] Date:2008/10/09(木) 13:16:00.76 ID:zrUra3.0 Be:
よいこのためのしんせつなあらすじ!
俺「ふむふむ!
おしてだめならひいてみろさくせんが大流行だな!」
俺「これはもう!試してみるほか!なかろう!」
俺「そうと決まればブウを待つ!物陰で!ブウが通りかかるのを!一日千秋の思いで!!」
10 ◆QEojHReE0E [sage] Date:2008/10/09(木) 13:18:45.61 ID:zrUra3.0 Be:
俺「どきどき!わくわく!どきどきわくわくどきわくわく!!」
デンデ「ねえ>>679さん、あの人は何をしてるんでしょうか」
カルゴ「校舎の脇から校庭を中腰でプリケツ晒しながら覗いてますけど……」
>>679「不審人物と判断しました。係わり合いにならない事を強くお勧めします」
デンデ「はーい」
カルゴ「分かりましたー」
俺「ぜんっぜんショックじゃない!ぜんっぜん傷つかないもん!!」
デンデ「でも不毛ですよね」
俺「ガッシ!ボカ!俺はしんだ!スイーツ(笑)」
>>679「ロボット工学三原則に従い蘇生処置を行います」
>>679「いち・に・さん・し・ご・フゥーッ・おえー」
俺「おえー」
カルゴ「>>679さんと一般生徒のマウストゥマウス見たくないなんて思っちゃいけません」
デンデ「人工呼吸だって分かってるけどして欲しくないなんて思っちゃいけません」
>>679「おふたりの心配により強烈な快の感情が私の回路を急激に流れました」
デンデ「きゅんっ」
カルゴ「きゅんっ」
11 ◆QEojHReE0E [sage] Date:2008/10/09(木) 13:22:30.81 ID:zrUra3.0 Be:
俺「いたいいたいいたい」
デンデ「お前が!何でお前が>>679さんとキッスを!」
カルゴ「しんじゃえ!しんじゃえ!うわーん!」
俺「ゴメス!ゴメス!メコリ!メコリ!」
>>679「おふたりの嫉妬が私に快の感情を」
俺「それはもうええっちゅーねん!!」
俺「あ!ブウktkr!!!」
>>679「さあ行きましょうデンデ・カルゴ」
デンデ「えー」
カルゴ「やだー」
俺「人の恋路を邪魔する奴は馬に蹴られてしんじまうんだから!」
カルゴ「蹴られてもしなないもん」
デンデ「馬なんて戦闘力5にも満たないもん」
カルゴ「もん」
>>679『ひょいひょい』
デンデ「あ!」
>>679「では失礼します」
>>679『すたすた』
カルゴ「やーん」
12 ◆QEojHReE0E [sage] Date:2008/10/09(木) 13:24:01.20 ID:zrUra3.0 Be:
ブウ「らーんらんーるー」
俺「ピエロ野郎の喜び表現を間違えるブウにドキがムネムネ!!」
俺「ブウー!好きだーッ!!!」
ブウ「?!」
俺「大好きだ!!!」
ブウ「キぁイ?」
俺「キぁイじゃなくて嫌い!ってひどい!でも気にしない!」
ブウ「キーにーしなーいー」
俺「そうさ!恐れないで!ブウと俺の未来のために!」
ブウ「げへへへへへはやくちひひひひひ」
俺「ブウのツボが分からなくて!好き!!」
ブウ「ひゃひゃひゃひゃ」
13 ◆QEojHReE0E [sage] Date:2008/10/09(木) 13:25:03.22 ID:zrUra3.0 Be:
俺「そーれ押して!」
ブウ「むぎゅー」
俺「だめならー!」
ブウ「うーあ?」
俺「引いてみろー!!」
ブウ『ぐいー』
ブウ『 ぶちん』
俺「ぎゃあああああああああああもげたー!!!!!!!」
14 ◆QEojHReE0E [sage] Date:2008/10/09(木) 13:25:44.46 ID:zrUra3.0 Be:
ブウ「いたい」
俺「ごめんブウ悪かったブウどうしたら五分前に戻れあああそうだ神龍なら神龍なら何とか」
神龍「つい先日18号にクリリンの健康願われたから無理」
ブウ「おマえきらーイ」
俺「うわあああああ(AA略)」
15 ◆QEojHReE0E [sage] Date:2008/10/09(木) 13:26:31.89 ID:zrUra3.0 Be:
「うへへへー」
俺「ぎょぎょー!?俺の手元から何やら面妖な!??」
ちっちゃいブウ「ブーウ!」
俺「かわいいいいいいいいい」
ブウ「べー」
俺「こっちもくぁわいいいいいいいっひいいいいいハイリホー!フヒホー!!」
ブウ「ばくんッ」
俺「あっ!」
ブウ「さいせー」
俺「ちっちゃいブウがくわれたああああああああしょっくうううう」
俺「でもブウが元通りいいいいいよかったあああああああ」
ブウ「ビーむ!!」
俺「あぎぃいひい"いいいい"いい」
しんだ^^
16 ◆QEojHReE0E [sage] Date:2008/10/09(木) 13:29:46.29 ID:zrUra3.0 Be:
なかったことにしてください。
18 ◆QEojHReE0E [sage] Date:2008/10/09(木) 13:34:46.01 ID:zrUra3.0 Be:
B・嘘だッ!
枝々の間を抜けて、一陣の風が吹いた。
なぶられるというより、叩きつけられるそれに、一瞬、
頬を張られた気がした。
19 ◆QEojHReE0E [sage] Date:2008/10/09(木) 13:38:48.04 ID:zrUra3.0 Be:
あの村に未練がない?
あの二人がいなくなってもいい?
どうしてそんな事を考えられたのだろうか。
だって、
だけど、
20 ◆QEojHReE0E [sage] Date:2008/10/09(木) 13:39:07.09 ID:zrUra3.0 Be:
俺が覚えてる昔の事は全部、村の日常だ。
俺が覚えていない昔は、どうだったんだろう。
21 ◆QEojHReE0E [sage] Date:2008/10/09(木) 13:39:30.34 ID:zrUra3.0 Be:
お父ちゃんやお母ちゃんはどんな人だったか。俺は今みたいに、
れいによって近所の人達から大目玉くらうような、ずるがしこい
ガキだったかもしれない。
村で暮らすようになってもイタズラは好きだったから
ニンジンを畑からハートの形に引っこ抜いたりしたし。
ひとりぼっちだったのかな、それとも。
をとめのすがたしばしとどめむとか諳んじてたり?
つーかそれムリだから。想像つかないからwwww俺やんちゃっ子だからwwwwwwww
けどどうだったんだろう。本当に。
たった一つも思い出せない。あの夜から前が。
22 ◆QEojHReE0E [sage] Date:2008/10/09(木) 13:40:43.18 ID:zrUra3.0 Be:
思い出したいし
また
なくすなんて
そんなの
考えるのも
いやだな
みたいな
23 ◆QEojHReE0E [sage] Date:2008/10/09(木) 13:41:46.53 ID:zrUra3.0 Be:
だから離れていたいんだ。
また忘れちまうかもしれないから。
何だかんだ言って結局は好きだった村の事。
24 ◆QEojHReE0E [sage] Date:2008/10/09(木) 13:43:29.30 ID:zrUra3.0 Be:
やな奴もいたけど、
そいつらから庇ってくれた兄ちゃんとか。
父ちゃんや母ちゃんやみんながいなくなって、
南の黒森村に引き取られる事になって、
最初にメシをご馳走してくれたのは村長の事とか。
俺が道に迷った時、
ばっちゃの家に行くのを手伝ってくれた同じ年の奴らとか。
集落に帰ろうとした俺が森に入ってったのを、
探しに来てくれたおっちゃんたちとか。
子供の時、夕日が落ちるまで一緒に遊んだ奴らとか。
時々お菓子をくれた姉ちゃんとか。
忘れたくねーなあ。
帝国軍に志願兵で行った兄ちゃんが帰ってきた時、
村がなくなってたらどう思うかなあ。
25 ◆QEojHReE0E [sage] Date:2008/10/09(木) 13:43:58.05 ID:zrUra3.0 Be:
あんなこえー音がして、多分火が燃え広がってて、
みんな無事かなあ。
死んでないといいなあ。
26 ◆QEojHReE0E [sage] Date:2008/10/09(木) 13:47:54.61 ID:zrUra3.0 Be:
でもなー、
こーんな素晴らしい夜だ。
こんな夜だったなあ。
あのひとに会ったのは。
もしかしたら。
あの日みたいに家が燃えてて、
あの日みたいに真っ暗闇で、
あの日みたいに一人ぼっちの俺なら、
28 ◆QEojHReE0E [sage] Date:2008/10/09(木) 13:49:27.85 ID:zrUra3.0 Be:
っつーか?
会えちゃうかもしれませぬ
的な?
み た い な ?
wwwwwwwwwwwwwwwwww
30 ◆QEojHReE0E [sage] Date:2008/10/09(木) 13:51:13.89 ID:zrUra3.0 Be:
>>706「……ッひぃいいいいっやっふぉおおおおおおおおいwwwwwwwwww」
俄然やる気が湧いてキターwwwwwwwwwwwwww
もう俺主人公wwww超絶美形な孤高の戦士wwwwwwwwwwww
やるぜwwwwwwwwww俺はやるぜwwwwwwwwwwwwwwww
なにこのwwww萌え立つwwwwハイ☆テンションwwwwwwwwwwww
自ww分wwでwwもww処ww理wwがwwでwwきwwまwwせwwぬwwwwww
32 ◆QEojHReE0E [sage] Date:2008/10/09(木) 13:58:27.48 ID:zrUra3.0 Be:
青々と茂る森は今、夜の闇が溶け込んで黒く広がっている。
見下ろすそこは海のようで、でもやっぱり滑らかじゃなくて所々途切れてる。
間を縫って上がったせいか、葉っぱか何かが服に入り込んで痒い。
33 ◆QEojHReE0E [sage] Date:2008/10/09(木) 13:58:51.92 ID:zrUra3.0 Be:
>>706「行くぜ美貌のクウラ改!行くぜ正義の俺、参上!!」
跳躍。
運んでくれ、紫色。
俺の大切な揺り篭よ。
35 ◆QEojHReE0E [sage] Date:2008/10/09(木) 14:01:03.54 ID:zrUra3.0 Be:
クウラ改の体に巻きつけた漆黒の布が撓んで、
腕に抱かれる俺の顔を半ば隠す。
それを脇に挟んで、前を睨んだ。
村の端々が燃えている。
くらくらした。
36 ◆QEojHReE0E [sage] Date:2008/10/09(木) 14:02:47.18 ID:zrUra3.0 Be:
一瞬の酩酊するような浮翌揚感に背中が凍り付いて、粟立つ。
目まぐるしく変わる情景。
忙しなく指を動かす。
37 ◆QEojHReE0E [sage] Date:2008/10/09(木) 14:03:13.99 ID:zrUra3.0 Be:
からくるはすぐにでも千切れそうに細い糸。
からくらるるは強大にして柔軟なヒトガタ。
38 ◆QEojHReE0E [sage] Date:2008/10/09(木) 14:12:52.39 ID:zrUra3.0 Be:
ぐうっと背を丸め、放物線の到着点を確認する。
茫々伸びた葉に見え隠れする、幹に程近い木の枝。
耐えられる、と判断して、
足をつかせた。
土踏まずが枝の形を捉え、踵と足指で掴む。
クウラ改の膝が曲がる。
全てに対応させるこちらの手の甲が攣りそうだ。
枝の根元がしなる。
ばきばきと音がして、折れる寸でで反発が来た。
39 ◆QEojHReE0E [sage] Date:2008/10/09(木) 14:13:28.41 ID:zrUra3.0 Be:
再度の。
より高みを、より遠くを目指して、
―――飛べ!!
40 ◆QEojHReE0E [sage] Date:2008/10/09(木) 14:13:43.26 ID:zrUra3.0 Be:
耳元で風が切られる。
ごうごうと響くそれは、どこまでも純粋な歓びだった。
41 ◆QEojHReE0E [sage] Date:2008/10/09(木) 14:14:17.01 ID:zrUra3.0 Be:
「ねえ、大丈夫?」
どうしたんだオレは。
「いま治してあげるから」
そんな事せんでいい。
「がんばって、死なないで」
やめろ、お願いだ。
一体、どうなってるんだ。
嫌だ、お願いだから。
やめてくれ。
42 ◆QEojHReE0E [sage] Date:2008/10/09(木) 14:15:52.81 ID:zrUra3.0 Be:
>>129「ひいっ、クモが」
>>464「おう女郎蜘蛛だな」
>>129「わああうぞうぞと多関節の虫が」
>>464「そうだな百足だな」
後ろで>>129がきいきいとヒステリックに騒ぐ。
下らない応酬をしながら>>464は進む足を緩めない。
43 ◆QEojHReE0E [sage] Date:2008/10/09(木) 14:29:07.88 ID:zrUra3.0 Be:
>>464にとって、南の黒森村は単なる商いの場ではなかった。
いつも笑顔で出迎えてくれる人々の温かさ。
孤立しているが故の朴訥な町並み、人柄が心地良い、安らげる場。
それが彼の思い出の中にある南の黒森村だ。
村の賑わい少しだけ離れた所にある石積みの家。
そこが、村に入る事になった初日、
木の上から降りられず不安そうに震えていた
リンゴ色の頬とドングリ眼をした小さな子供を助けた時からの彼の宿だった。
44 ◆QEojHReE0E [sage] Date:2008/10/09(木) 14:29:50.12 ID:zrUra3.0 Be:
無事でいて欲しい。
願わずにはいられない。
村の人達は勿論、
あの一見ちょっとビビるくらい威圧感のある風貌をした石積みの家の主も、
にこにこと俺の後をついて回るちびも。
45 ◆QEojHReE0E [sage] Date:2008/10/09(木) 14:30:59.01 ID:zrUra3.0 Be:
焦燥感はそのまま動きに表れ、
目の前にある木々や蔓などといった障害物を払う山刀を扱う手が乱雑になる。
切り損ねた蔦が二の腕に絡む。
イライラに頭の奥がフットーしそうだよお!ってなって引きちぎる。
>>129は踏み均して行く自分より歩くのが幾分容易なようで、
それでも文句を垂らすのがムカついて
キノコ踏んで滑った拍子に蔓草に首巻きつかれてしねばいいのにと思った。
46 ◆QEojHReE0E [sage] Date:2008/10/09(木) 14:32:24.21 ID:zrUra3.0 Be:
―――ざ、
ざざッ、
ざん!
>>464「うお!?」
>>129「小枝が!葉が降ってきた!汚らわしい!ぺっぺっ」
>>464「上か?!」
>>129「もう行ってしまったようだよ」
>>464「誰が」
>>129「うわ、何か背中の隙間に入り込んだ嫌だ嫌だ」
>>464「……使えねー……」
47 ◆QEojHReE0E [sage] Date:2008/10/09(木) 14:33:42.58 ID:zrUra3.0 Be:
餃子「はッ」
餃子「あれ?ボクは……」
餃子「そ、そうだ、天さんは?」
??「まだ動くな」
餃子「!! おまえだれ?」
天さん「目が覚めたか、餃子」
餃子「天さん!」
48 ◆QEojHReE0E [sage] Date:2008/10/09(木) 14:40:49.15 ID:zrUra3.0 Be:
天さん「……ち、来やがったか」
天さん「誰も、見てはいない、な」
天さん「……よし」
餃子「天さん、だいじょうぶ?」
天さん「ああ。向こうに隠れていろ」
餃子「どうして?ボクも天さんといっしょにたたかう!」
天さん「ダメだ!」
餃子「どうして!?」
49 ◆QEojHReE0E [sage] Date:2008/10/09(木) 14:41:58.11 ID:zrUra3.0 Be:
天さん「おい」
??「何だ」
天さん「もうしばらく、餃子を頼む」
??「見ず知らずの相手を簡単に信用してもいいのか?」
天さん「ああ」
餃子「いやだ!天さん!」
??「裏切るとも限らんぞ」
天さん「いいや。あなたは裏切らん」
??「……」
天さん「すべての責任は、俺が負おう」
??「……フン」
50 ◆QEojHReE0E [sage] Date:2008/10/09(木) 14:43:41.01 ID:zrUra3.0 Be:
ばちばちと爆ぜるどこかの家屋の柱。
石畳や土壁にヒビが入る。
何かが低く、だが決定的に崩れる。
細い悲鳴のような音が聞こえた。
51 ◆QEojHReE0E [sage] Date:2008/10/09(木) 14:46:43.32 ID:zrUra3.0 Be:
天さん「俺はここだ!かかって来い、卑怯者!」
粘つくような闇の中 陽炎のように現れたのは異形。
上がる火の手に照らされて ぬらりと光るそれは悪魔。
絶対零度の気迫をして、ただ絶望を与えるだけの残酷な力を振るう。
射抜く眼光もおどろおどろしく どろりと濁った暗い沼底。
52 ◆QEojHReE0E [sage] Date:2008/10/09(木) 14:47:07.52 ID:zrUra3.0 Be:
鎌首を擡げるように尻尾を揺らし、緩やかに右の腕を掲げた。
口角がぬたりと引き上げられ、
―――目が潰れるほどの、 鋭い
53 ◆QEojHReE0E [sage] Date:2008/10/09(木) 14:47:41.48 ID:zrUra3.0 Be:
閃光
54 ◆QEojHReE0E [sage] Date:2008/10/09(木) 14:48:58.29 ID:zrUra3.0 Be:
天さん「ぐあッ!!」
餃子「天さん!」
天さん「来るな!!!」
餃子が反射的に目を瞑った一瞬で、天さんの体に放射線状の傷がついた。
ごぼ、と血が鼻口から零れる。
55 ◆QEojHReE0E [sage] Date:2008/10/09(木) 14:51:29.59 ID:zrUra3.0 Be:
回る世界の刹那、頭に被っていたズタ袋のような帽子が擦り落ちて、視界を塞いだ。
もしも。
誰かに見られたら。
矮小な思いが少しだけ脳裏を過ぎった。
かぶりを振るう。
誰に見られても構うものか。
56 ◆QEojHReE0E [sage] Date:2008/10/09(木) 14:52:22.86 ID:zrUra3.0 Be:
なあ、魔物よ。
純然たる邪悪さを身に纏った魔物よ。
57 ◆QEojHReE0E [sage] Date:2008/10/09(木) 14:56:14.67 ID:zrUra3.0 Be:
貴様の目的は恐らく俺だ。
俺をころしにきたのだろう。
何故なら、この目こそが証拠だ。
人ではない目を持つ俺が、
人の中で暮らすのは不愉快だろう。
58 ◆QEojHReE0E [sage] Date:2008/10/09(木) 14:59:56.71 ID:zrUra3.0 Be:
人と魔物は相容れぬ。
しかし現に俺はこうして人と共にある。
それは認められない事だ。
忌むべき人と魔物の関係が、俺という中に仲良く同居してやがる。
人の存在は気に食わない。
俺の存在は有り得る事ではない。
だからこそ、貴様は俺をころすために来たのだろう?
59 ◆QEojHReE0E [sage] Date:2008/10/09(木) 15:00:58.82 ID:zrUra3.0 Be:
俺は貴様に敵わない。足元にすら及ばない。
けれど怒る事はできる。
何も知らず何も言わず、俺を受け入れてくれた人々へ危害を加えた貴様に。
安穏とした生活を壊した貴様に。
だからこそ、俺は貴様を許さない。
60 ◆QEojHReE0E [sage] Date:2008/10/09(木) 15:03:25.49 ID:zrUra3.0 Be:
帽子を頭から外すついでに口元を拭う。
つるりと剃られた額の真中に、疎ましくて仕方の無い彼の証が、
彼の中にある魔族の証である三つめの瞳が、
物言わずに埋まっている。
他人が見れば思わず息を呑むだろうそれは、
されどこの場には彼と彼の敵と、彼の敵から守るべき子供のみで、
誰の驚きも誘わなかった。
61 ◆QEojHReE0E [sage] Date:2008/10/09(木) 15:08:51.37 ID:zrUra3.0 Be:
この状況はせめてもの救いだろうか。
否。
他人のいない場で解かれた戒めを、
もう二度と、外せる機会はないだろう。
62 ◆QEojHReE0E [sage] Date:2008/10/09(木) 15:09:15.58 ID:zrUra3.0 Be:
びょうびょう火の粉と煙が巻かれる最中、
魔物は相変わらず底冷えするほどの顔で蕭然と屹立している。
霞む視界の隅で、手を引かれ遠ざかる餃子の姿が、
見えなくなった。
63 ◆QEojHReE0E [sage] Date:2008/10/09(木) 15:11:22.76 ID:zrUra3.0 Be:
そうだ。
それでいい。
何度も振り返りながら完全に物陰へ隠れるのを思い出し、ほんの僅か、目元が和らぐ。
掻き消すように、じゃり、と土を踏む音がした。
こちらを嘲るように眺める化け物と対峙する。
崩れかけた足を奮い立たせ、掌で菱形を作る。
64 ◆QEojHReE0E [sage] Date:2008/10/09(木) 15:11:56.55 ID:zrUra3.0 Be:
貴様と戦う事を忘れた訳ではない。心の中で挑むように吐き捨て、満身の力を籠めて、
横隔膜を収縮させ、空気を。
天さん「はッ!!!!」
切り裂く。空間ごと、敵を。
65 ◆QEojHReE0E [sage] Date:2008/10/09(木) 15:24:07.94 ID:zrUra3.0 Be:
だが、
「はッ!!!!」
「はッ!!!!」
「はッ!!!!」
丹田に練り上げた気で鋭角に切る、
手応えがまるでない。
66 ◆QEojHReE0E [sage] Date:2008/10/09(木) 15:24:47.68 ID:zrUra3.0 Be:
破裂音を発するたびに、目前の恐怖は動きを止める。
先程まであった家々や木々が、彼の発破に従って四角い形に、ごっそりと消える。
それだけだ。
己の無力さは、これほどであったのか。
己の情けなさに、どっと冷や汗が噴き出す。
いくらおぞましい敵とはいえ、命と引き換えならば首を取る事ができると思っていた。
首を取る事が叶わずとも、足か、腕の一本でも奪えると思っていた。
力を少しでも殺ぐ事ができると。
67 ◆QEojHReE0E [sage] Date:2008/10/09(木) 15:33:35.06 ID:zrUra3.0 Be:
天さん「く、……」
現実が牙を剥く。
そこにあるのは、
微風に撫でられたように、掠り傷一つ負っていない滑らかな肌。
68 ◆QEojHReE0E [sage] Date:2008/10/09(木) 15:34:32.81 ID:zrUra3.0 Be:
天さん「クソが……ッ」
涙すら出てこなかった。
頭が、心が、絶望に塗り潰される。
もう立つ事すら儘ならない。
けれど目の前の悪意に気圧されて倒れ伏す事も叶わない。
全神経を敵に集中させているためか、感覚が麻痺している。
69 ◆QEojHReE0E [sage] Date:2008/10/09(木) 15:37:50.76 ID:zrUra3.0 Be:
一歩踏み出される人の物ではない三又の足。
天さんはその場にありながら、どこか遠い所でそれを見た。
何故か緊迫の中、
餃子の事ばかりが空っぽの頭に攻め入っていた。
頭を巡らせたい。どうしているだろうか。
70 ◆QEojHReE0E [sage] Date:2008/10/09(木) 15:46:50.44 ID:zrUra3.0 Be:
安全な所まで避難しているだろうか。
だとしたら、もう。
会う事もないだろうな。
意識を浮かせた事に後悔はなかった。
気づいた時、息のかかるほどに、魔物の笑みが肉薄していたが。
71 ◆QEojHReE0E [sage] Date:2008/10/09(木) 15:48:10.96 ID:zrUra3.0 Be:
時間を稼ぐ事ができたな。
餃子と、あの方と、ふたりならば、いくら貴様とて追いつけまい。
ああ。餃子。
俺が手伝った料理はいつも不恰好だったな。
時々つまらない事で喧嘩をしたな。
ワルプルギスの日に夜更かしをしたな。
明日は行商人の男が来ると楽しみにしていたな。
もっと、もう少し、せめてお前が大人になるまでは、平和が続くと思っていたな。
俺はお前に、何か残せただろうか。
72 ◆QEojHReE0E [sage] Date:2008/10/09(木) 15:50:33.99 ID:zrUra3.0 Be:
振りかぶる拳が腹の皮膚に感じられる瞬間、
天さんは不甲斐なさに顔が歪むのを知った。
「―――――ッヴ」
すまない。
誰に宛てるでもない謝罪を、祈るように拳へ握り締めて。
73 ◆QEojHReE0E [sage] Date:2008/10/09(木) 15:51:02.75 ID:zrUra3.0 Be:
「ぁぁぁあああああ"あ"あ"アッー!!!!?!?!」
74 ◆QEojHReE0E [sage] Date:2008/10/09(木) 15:51:18.06 ID:zrUra3.0 Be:
……何か降ってきた。
シリアスぶち壊して。
75 ◆QEojHReE0E [sage] Date:2008/10/09(木) 15:52:08.16 ID:zrUra3.0 Be:
>>706「らめえwwwwwwwwwwもう腰痛いのおwwwwwwww」
天さん「な、きさま」
>>706「ウイーッスwwwwww謎の美青年戦士ww微笑み三太夫ここに参上☆彡」
天さん「嘘をつけーッ!誰だ微笑み三太夫って!!!」
>>706「あらあらボウヤってば満身創痍なのに元気ピンピーンねえ」
天さん「オカマ口調すな!」
>>706「wwwwwwwwwwwwww」
76 ◆QEojHReE0E [sage] Date:2008/10/09(木) 15:52:45.74 ID:zrUra3.0 Be:
>>464「がああッ!離れろちび!クソちびがッ!」
天さん「餃子!?」
>>464「隠れてろっつったろーが!」
餃子「やだ!!!」
>>129「もう嫌だ。二度とゴメンだ」
>>129 の HPは かくじつに げんかいギリギリだ!
77 ◆QEojHReE0E [sage] Date:2008/10/09(木) 15:59:22.93 ID:zrUra3.0 Be:
>>706「おやおやwwwwww遅い揃い踏みですなwwwwwwwwwwwwww」
>>464「ああ!!テメーどうやって!!」
>>129「ふむ、ヒトガタの脚部に強靭なバネが仕掛けてあるのか見えるね」
>>706「ザッツwwwwオールwwwwライトwwwwwwwwwwww」
天さん「ウゼエ」
餃子「ウゼエ」
78 ◆QEojHReE0E [sage] Date:2008/10/09(木) 16:08:06.94 ID:zrUra3.0 Be:
天さん「!」
??「じっとしてろ」
天さん「な、なぜ」
??「知らん」
>>129「君は誰だい?危ないから向こうへ行っていた方が」
??「うるさい!お前も治さなきゃなんだから黙ってろ!」
>>706「ちょwwwwwwwwwwwwww初対面にして高慢wwwwwwwwww」
>>129「……」
79 ◆QEojHReE0E [sage] Date:2008/10/09(木) 16:08:59.75 ID:zrUra3.0 Be:
>>464「オラちび退け邪魔だから!」
餃子「うわーんお兄さんがじゃけんにするー!」
>>464「うっせー!心配なんだよ!」
餃子「ホント!?」
>>129「商人と子供じゃ役に立たないから散ってくれたまえウザイし」
>>706「バカップル滅びればいいよ^^」
天さん「……」
>>706「オウフwwwwサーセンwwwwどどんぱの構え禁止wwwwwwww」
80 ◆QEojHReE0E [sage] Date:2008/10/09(木) 16:09:24.02 ID:zrUra3.0 Be:
てんさん の HPが ぜんかいふくした!
天さん「助かりました」
??「礼なんて言うな」
>>129「理屈じゃ説明がつかない!!」
>>129 は そっとうした!
??「何だこいつ」
81 ◆QEojHReE0E [sage] Date:2008/10/09(木) 16:19:59.35 ID:zrUra3.0 Be:
>>129 の HPが いやいやながら ぜんかいふくされた!
>>129「……ありがとう。さ、君は早く安全な場所へ避難したまえ」
??「おい、お前本当にあいつをやっつけられるのか?」
>>129「無理だろうね」
>>706「うんムリ」
餃子「できっこない」
天さん「奇跡が起きても死ぬ」
>>464「絶対不可能」
??「信用ないな!」
>>129「はは。もう慣れたよ」
??「だったらどうして隠れてろなんて言うんだ」
82 ◆QEojHReE0E [sage] Date:2008/10/09(木) 16:23:21.17 ID:zrUra3.0 Be:
>>129「君はここで死にたいのかい?」
??「死ぬわけないだろ!」
>>129「自信に満ち溢れているね。でも僕は違う」
??「え?」
>>129「僕がここで生き残る事を望まない人がいる」
>>129「そういう事さ」
??「……」
83 ◆QEojHReE0E [sage] Date:2008/10/09(木) 16:24:09.21 ID:zrUra3.0 Be:
>>129「君達もだ」
>>464「ああ。行くぞちび」
餃子「いいの?」
>>464「多分な。アンタもだ天津飯」
天さん「しかし……」
??「ふざけるな!オレは残るぞ!」
>>129「……ダメだと言ったら?」
>>706「あーのさぁー。オメーで足止めできると思うか?」
>>129「そ、それは」
>>129「……仕方ないな……分かったよ」
>>706「wwwwwwwwwwwwww」
??「フン」
>>129「で?あれは確かに一部が紫ではあるけれど、君の恋焦がれたクウラかい?」
84 ◆QEojHReE0E [sage] Date:2008/10/09(木) 16:24:58.28 ID:zrUra3.0 Be:
顎をやって指し示す先の存在は、
待ち兼ねた様子で尻尾を地に叩きつける。
85 ◆QEojHReE0E [sage] Date:2008/10/09(木) 16:26:28.59 ID:zrUra3.0 Be:
>>706「―――――いや」
>>706「違う」
ちらりと一瞥して眉を顰めた。
無理もない。
そこにいたのは、
86 ◆QEojHReE0E [sage] Date:2008/10/09(木) 16:26:50.12 ID:zrUra3.0 Be:
「ほ、ほ、ほ」
汚れ一つない体を少しだけ宙に浮かせた、
白い、白い魔物だったのだから。
To be continued. 次回安価
巻きますか?巻きませんか?
>>89