レジスタンスの夢を見た

451 ◆PICorehgzw [sage] Date:2008/09/27(土) 11:46:39.88 ID:exbyUVgo Be:
〜〜レジスタンスの話をしたせいかレジスタンスの夢を見た〜〜

>>129「ふうん、それで」
兵士「は、はいッ。レジスタンスの勢いは日々増しており、城下も飲み込まれんばかりで」
>>129「それで」
兵士「え、あ……」
>>129「それから?」
兵士「はい…ッ、ええ、あ、軍兵士からも離反者が相次いでおり」
>>129「それから」
兵士「……あ、」
>>129「もうないのかい」
兵士「あ…は、はいッ。以上であります」
>>129「マジュニア、どうする?」
マジュニア「ククク…解決策も示せん程度の頭はいらないだろう」
>>129「そうだね」
兵士「は…ッ?あの、」
>>129「斬首」
兵士「――ッ!」


453 ◆PICorehgzw [sage] Date:2008/09/27(土) 11:51:32.58 ID:exbyUVgo Be:
召使A「私は>>129様が恐ろしい…恐ろしいわ」
召使B「シッ。お耳に入ったら大変なことになる」
召使A「だって…確かに>>129様が執政をお取りになってから我が国は近隣諸国を飲み込んで大きくなったけど」
召使B「良いことじゃないか。若者達は喜んでいる、強い国であることを」
召使A「だけど…!>>129様のやり方は恐ろしいわ」
召使C「だけど、素敵な人よ」
召使A「…何をお言いだい」


454 ◆PICorehgzw [sage] Date:2008/09/27(土) 11:56:14.35 ID:exbyUVgo Be:
>>129「かつての王の居室だったこの部屋からは城下が一望出来る」
>>129「はてさて、あの灯りの何割が僕に怯えていて」
>>129「何割が僕に心酔していて」
>>129「何割が僕を恨んでいるのだろうね」

召使C「>>129様…」
>>129「……? お前は?僕の室に勝手に入るなと」
召使C「あなた様の寂しげなお顔に魅せられた哀れな女でございます」
>>129「……」
召使C「どうか一時のお情けを」
>>129「こちらへおいで」


455 ◆PICorehgzw [sage] Date:2008/09/27(土) 12:03:07.32 ID:exbyUVgo Be:
召使C「あっ ……ふぁ、んぅっ…ァっ!あっ…」
>>129「お前の向こうに城下の明かりが広がっている」
召使C「>>129様ッぁ アっ…奥に、 ァっ …くださいませ、ッァア…」
>>129「こんな狭い窓枠でそんなに悶えて良いのかい」
召使C「ア!アァっ! …悦いのです、>>129様 っぁ ぁーっ…」

マジュニア「>>129」
>>129「やあ、どこに行っていたんだい」
マジュニア「斬首の見学に」
召使C「ひッ?!あ!いや!ご覧にならないで、 ア!ア!おやめくださ…」
>>129「奥に欲しいのだろう。くれてやろう」
召使C「あっぁあッ…!達してしまいます、ぁあっ!>>129さまアッ…!」
>>129「ああ」
召使C「ひうっ!んっ!ァ…あーーっ!!」
>>129「……君の望みどおり奥に注いであげたよ」
召使C「あう …うれしい…ッ …」

>>129「マジュニア、どうする」
マジュニア「そいつ、きらいだ」
>>129「そうだね。僕も、もういらないと思っていたよ」
召使C「な」
>>129「さよなら」


456 ◆PICorehgzw [sage] Date:2008/09/27(土) 12:08:55.61 ID:exbyUVgo Be:

召使A「恐ろしい、恐ろしい」
召使B「知っているか」
召使A「何をです」
召使B「もとは一文官だったあのお方が、王家の方々を駆逐して執政官とおなりあそばしたのは」
召使B「森で拾ったあのナメックの子が、小高い丘の上へお出かけになられたときに、」
召使B「王城を見つめ、両手を差し出してこう言ったからだそうだよ」






マジュニア「あれが、欲しい」


458 ◆PICorehgzw [sage] Date:2008/09/27(土) 12:25:06.68 ID:exbyUVgo Be:





壇上で>>1が熱弁を振るっている。
拳を振り上げ、その拳を打ちつけ、必死に語るその姿を後部から見守っていた。
今の>>129にたてつくということは、国家を敵に回すということだ。
この国を。
かつては、>>1が治めるはずだったこの国を。

>>129をこの手で打ち倒したいと皆が血気に逸っている。
突入は明日深夜だ。
>>1が声を放つ度に荒波のように群集がうねる。


460 ◆PICorehgzw [sage] Date:2008/09/27(土) 12:34:32.08 ID:exbyUVgo Be:


「>>1」

上水道が通る水路洞窟の一部に設えた>>1の隠れ家は、
>>129に反旗を翻す我等の集まりの中でも、
限られた人数しか知らない。
>>1の存在は旗印のようなものだ。
>>129に反逆を起こす上での、大義名分だ。
王城で暮らしていた頃も、そして今も、
>>1は大事に守られている。

「ピッコロ」

>>1はまだ寝ていなかった。
王城で暮らしていた頃には触れたこともなかったのであろう、
酷く硬く、じめっとしたみすぼらしいベッドの上で、
ゆらゆらと揺れるランプの灯りに照らされながら、
じっと、座っていた。


461 ◆PICorehgzw [sage] Date:2008/09/27(土) 12:40:25.60 ID:exbyUVgo Be:
「……」
「オレだけだ」

オレの背後を窺う>>1にそう声を掛けると、
ほっとしたように笑みが浮かんだ。
いや、笑みとは言えない程度の、表情の歪み。

かつて王城で暮らしていた頃の>>1は、
よく笑った。
今はその頃の笑顔の片鱗すら見えない。

「ピッコロさん」

あの頃のように、>>1がオレを呼ぶ。
戦士でもなんでもない、ただの少し生まれた家が変わっていただけの、
情けない少年だった頃のように。


462 ◆PICorehgzw [sage] Date:2008/09/27(土) 12:47:38.66 ID:exbyUVgo Be:
「明日の今頃には突入だな」
「うん」

>>1の身振りでの招きに従い、隣に座った。
ぎしりと安っぽいベッドが軋み、僅かに不安になったが壊れる様子はない。
横顔が不安そうに感じる。
ランプの明かりにゆらゆらと陰影が踊る。

「>>1、……大丈夫か」

こんな時にどう声を掛けて良いのかオレには解らない。
人との関わり方をよく知らないオレに、唯一懐いてきたお前を、
オレは大事に思っている。

「…うっす。さーせん、心配かけた?」
「いや…」
「大丈夫。ピッコロさんが……いてくれるから」


464 ◆PICorehgzw [sage] Date:2008/09/27(土) 12:56:45.83 ID:exbyUVgo Be:
「勿論だ。……一千人分の働きを約束しよう、お前の為に」

自らの膝を掴んでいた、>>1の手に手を重ねた。
びくり、と僅かに>>1の肩が跳ねる。
視線がオレを見た。

「……うん?」
「ちがう、」
「何がだ」

オレの手の下で>>1の手が、ぎゅ、と拳になった。
どうしてだか胸を握り締められたような、くるしい、気持ちになる。

「……ピッコロさんが、強いのは、解ってる。頼りにしてる、だけど…そうじゃ」

壇上で檄を飛ばしていたときとは、まったく違う、
どこか頼りなげな声。

「そうじゃなくて…、それだけじゃなくて…、 ……ピッコロさんがいてくれる、ことが」


467 ◆PICorehgzw [sage] Date:2008/09/27(土) 13:05:49.20 ID:exbyUVgo Be:
「>>1?」

視線を逸らすことが出来ない。
どこか思いつめてさえいるような眼差しで見つめられ、
息をすることすら難しい。全身に緊張が走る。

「…… さーせん」

>>1がふっと力を抜いた。
視線が逸らされ、オレの身もラクになったが、
どこかそれが寂しいと感じる。

手を、退いた。
追いかけてきた>>1の手が、オレの手を強く握る。

「明日……生き残っていたら……、もう一度話をさせて欲しい」


469 ◆PICorehgzw [sage] Date:2008/09/27(土) 13:16:50.53 ID:exbyUVgo Be:
王国暦1241年、葡萄の月。
第二王子を旗印に掲げられた内戦は、
王城でその勢いが頂点に達した後、
王子と執政官双方の戦死により終結した。

戦後の混乱が数年を掛けて収まった後、
王国は1245年に完全なる共和国として生まれ変わった。
暦が改まり、さらに数年、数十年経った。


平和な日々が続く。
もはやあの、同じ国の民同士が争い殺しあった
内戦を覚えているものも少ない。
王城は取り壊され、町並みも変わった。



「>>1、そろそろ行こうか」


470 ◆PICorehgzw [sage] Date:2008/09/27(土) 13:22:23.58 ID:exbyUVgo Be:
緑の肌を持つ長身の人影が、
市街を一望出来る小高い丘の上からゆらりと立ち去る。
この国の老人がかの人を見れば気付いたかも知れない、
逞しい首から下げられたペンダントが、
かつてこの国の王族だった家の紋章を象っていたことを。
ペンダントに口付け、かの人は1人で歩き出す。

「もうこの国は」
「お前の愛したこの国は、大丈夫だ」
「さあ、今度こそ二人きりだ。誰もオレたちを知らぬ遠い場所へ行こう」
「そして、あの時の話を……聞かせて欲しい」


かの人の呟きを聞いたのは、ただ丘を渡る風のみであった。


471 ◆PICorehgzw [sage] Date:2008/09/27(土) 13:27:37.92 ID:exbyUVgo Be:
その時分。
はるか彼方遠き国にて。



「なあ」

甘えたような声を、可愛らしい唇から零れ落ちさせながら、
幼い両手を伸ばす。
子どもを抱きかかえた青年は、愛しげにこめかみに口付けを落とした。

「どうしたんだ」
「この国が、欲しい」

きらきらと美しく輝く赤い目が、青年を見上げて強請るようにまたたいた。
若くして近衛兵隊長に抜擢されたばかりの、隆々とした体躯を持つ青年は、
驚いたように目を見開き、言葉を失う。

「おまえなら、できるだろう?オレ様にこの国を、与えてくれ」

王城の塔の上、窓から両手を差し出して子どもはあどけないわがままを、呟いた。



                        おしまい。

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