「浮気」シリーズから派生
554 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/05/30(金) 22:20:09.57 ID:XYJ6uUAo
完全番外編・7年後の某所(番外編というかパラレルワールド?本編とは関係ないです)
>>129「……では、失礼します」
所員「ああ。荷物はこれで間違いないな」
>>129「はい。……それでは」
所員「……気をつけてな。…お決まりの台詞だが、もうバカなことするんじゃないぞ」
>>129「ははは…」
所員「あのカプセルコーポレーションのえらいさんだったって言うのに」
所員「誰も出迎えに来ない、のか」
所員「寂しいもんだねえ」
>>129「雨上がりの、綺麗な青空だ」
>>129「……」
555 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/05/30(金) 22:23:21.03 ID:XYJ6uUAo
人気のない道をゆっくりと歩いた。
初夏には少し早い時期、雨が止んだばかりの涼しさを楽しみながら。
何度も面会に来てくれたブルマさんと会うことも殆どなく、
僕はただ1人であの一時を繰り返し、繰り返し反芻し続けた。
7年を過ごしたあの場所は沢山の人がいたけれど僕は独りだった。
阻まれず、邪魔されず、あの一時を。あの個体を。……いとしい、ピッコロさんのことだけを
思い浮かべ、その想い出の中だけに遊んでいた。
僕は、あの一週間ですっかり己を使い尽くしていて
今ここにこうして人の形を取り
空が綺麗だと感じ
雨の残り香を新鮮だと受け止めている「僕」は
絞り切られた抜け殻のようなものだった。
560 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/05/30(金) 22:27:06.34 ID:XYJ6uUAo
これからのこの先。
僕のそれは蛇足にしか過ぎない。
ただ気の遠くなるような時間を、
のろ、のろ、と。
消費していこう。
己の命を積むのは容易い。
だが今の僕にとって価値を見出せぬこの命すら、
あの存在が手ずからこの世に留めたものだと思えば
愛しい、とすら。
561 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/05/30(金) 22:30:26.79 ID:XYJ6uUAo
雨の名残をぱらぱらと落とす木々の傍ら、街へと続く道が伸びている。
もう、二度と、会わない。
だが僕の足の下、この道が
いずれはあの存在が立つ地面へと続いているのだと思えば、
この青空がいつかはあの存在を包む空と繋がるのだと思えば。
「相変わらず笑顔が下手だな」
565 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/05/30(金) 22:36:51.51 ID:XYJ6uUAo
雨粒に濡れた小さな何かが、不意に。
本当に突然、目の前に振ってきた。ふわり と。
聞く前に、見る前に、頭が理解する前に
僕の体が頭がその全てを使って、それを、欲した。
「……はは」
「今の俺を抱える体力はあるらしい」
目の前の幼さを残した、けれど将来の凛々しさを想像するに難くない、
まだ小さな口元が、皮肉気に歪んで僅かに笑う。
「なんて顔だ。どうした。笑いたいのか?泣きたいのか?」
566 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/05/30(金) 22:39:33.99 ID:XYJ6uUAo
>>129「……な、ぜ、どうして、なぜ……なんだ」
マジュニア「また、それか」
>>129「……君は。……き、み、は」
マジュニア「オレはAじゃない」
マジュニア「A´でもないかも知れん」
マジュニア「もしかしたら全くAとは違うBなのかも知れねえな」
マジュニア「だが、オレは、オレだ。解るだろう?」
>>129「…………君、は」
569 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/05/30(金) 22:43:23.63 ID:XYJ6uUAo
マジュニア「貴様が、オレを産んだ。はっ、産ませたのかも知れねえが…」
マジュニア「だから、オレは待っていたんだぜ」
>>129「……君は、」
>>129「君なんだね?」
マジュニア「オレはオレだ。解っているだろうがよ?」
>>129「わからない」
>>129「わからない、だが、……君だ。僕の、君だ」
マジュニア「けッ、気味の悪ぃことを言うんじゃねえ」
マジュニア「オレはオレだ。オレだけのオレだ、だが」
マジュニア「貴様がオレのものになりたいというなら、してやってもいいぜ」
マジュニア「へッ……もっと上手に笑えるように、してやるぞ」
>>129とマジュニア編・一応完