453 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/05/30(金) 04:19:33.54 ID:XYJ6uUAo
寝息を立て始めていた。
何かを、……いや。俺が離れることを怖がっているようにしがみついたまま、
>>1は寝ている。
オレは寝顔を見ていた。
顔色は良いとは言えなかった。
目の下がドス黒く濁っている。
オレの身体に巻きつく両腕は、オレが知っていた頃の腕と比べて
酷く頼りなかった。
……時間にすれば、さほど長くはなかったのかも知れない。
だが、オレと、>>1にとっては酷く長い日々だったのだろう。
苦しめた。
455 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/05/30(金) 04:28:05.50 ID:XYJ6uUAo
こけた頬を見て、張りのない肌を見て、胸が痛んだ。
体に残る薬の影響なんぞ、比にならんほどに。
セルに嬲られる悟飯を見ている時のように。
だがあの時とは違う。
あの時はオレは傍観者だった。
そしてそうあるしかない己の力量を悔いた。恨んだ。悔しかった。
やるせなかった。悟飯を救ってやる力のない己が許せなかった。
今のオレは当事者だ。
オレの軽率な行動のせいせいで>>1を悲しませた。
オレが、……あの男を、捨ておけなかったせいで>>1を苦しめた。
458 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/05/30(金) 04:32:32.61 ID:XYJ6uUAo
おそらく、……オレはこいつの傍にいる資格なぞ、ないのだろう。
抱き締められ、許され、安心させてもらう資格なんぞ。
オレは、やはりオレを許せない。
血迷った、そんな言葉で片付けられる行為ではない。
だが、
オレが、このオレが酷い想いをさせた>>1が、
ぼうきれのような両腕で、精一杯、オレにしがみついてくれている。
461 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/05/30(金) 04:39:01.34 ID:XYJ6uUAo
オレは、愛されていた。
オレは確かに知っていたはずだった。
感じていたはずだった、>>1の気持ちを。
疲れて帰ってきた>>1がオレを見て嬉しそうに笑うツラを。
オレと一緒に寝たいと、オレを抱き締めて幸せそうにしている>>1を。
オレは毎日見て来ていたはずだった。
――何を疑うことがあったのだろうか?
一日、仕事をした帰りにオレのために水を買ってきてくれた>>1。
オレが言葉で返さずとも、毎日好きだと。愛していると告げてくれた>>1。
そんな>>1の一体何を疑えたのだ?
462 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/05/30(金) 04:43:06.59 ID:XYJ6uUAo
疲れた、と繰り返す>>1をろくに労わってやることもせず、
オレの不安を、払って欲しいと?
甘やかして欲しいと?優しくして欲しいと?
もっと、オレを求めて欲しいと?
「ハッ、」
情けない。
464 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/05/30(金) 04:46:30.87 ID:XYJ6uUAo
右手を、持ち上げた。重力が纏わりつく。
倦怠感に満ちた腕を動かして、>>1の身体に引っ掛けるように廻した。
音が立ったのではないかと思うほどに、胸が痛んだ。
やはりオレは、
>>1の寝顔が一瞬歪み、うっすらと瞼が持ち上がる。
466 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/05/30(金) 04:49:07.66 ID:XYJ6uUAo
俺「……ピッコロさん?」
ピッコロ「……」
俺「んー……」
ピッコロ「すまん、起こしたか」
俺「夢見てたぁ」
ピッコロ「うん?」
俺「ピッコロさんの夢」
ピッコロ「うん」
俺「眠れなくて」
ピッコロ「……」
俺「ちょっとうとうとしたらピッコロさんの夢を見るんす」
俺「それが辛くて」
俺「目が覚めたらあなたはいないから」
467 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/05/30(金) 04:50:10.52 ID:XYJ6uUAo
俺「だから、眠れなくて」
ピッコロ「……すまな…い……」
俺「すげえ幸せ」
ピッコロ「?」
俺「今起きたらピッコロさんが、いた」
ピッコロ「……」
俺「……すげえ幸せで、たまんねえ」
ピッコロ「…………」
470 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/05/30(金) 04:55:44.33 ID:XYJ6uUAo
俺「ピッコロさんの腕、ひさしぶりだ」
ピッコロ「……」
俺「さーせん、もうちょっと、強く抱いてもらえるっすか」
俺「……ああ、すげえ、きもちいい」
俺「ありがとう……」
ピッコロ「……すまない」
俺「謝んなくていっすよ……」
俺「いくら謝ってもらったってなかったことにはならねえ」
ピッコロ「……ッ」
俺「傍にいてください……」
ピッコロ「……」
俺「……俺、それだけで幸せになれる」
474 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/05/30(金) 05:03:59.82 ID:XYJ6uUAo
俺「……?」
俺「ピッコロさん」
俺「……どうしたんすか……」
俺「俺、怒っちまったけど、ピッコロさんばっかわりーわけじゃねえから……」
俺「泣かないで」
俺「ピッコロさん……」
俺「俺が、ちゃんとしてたら、ピッコロさんだって」
俺「……俺がもっと、」
俺「なんとか出来てたら、離れていっちまわなかったのにね」
俺「さーせんでした……」
俺「好きです」
俺「すげえ好き」
476 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/05/30(金) 05:07:43.55 ID:XYJ6uUAo
ピッコロ「……っ……ち」
俺「ん?」
ピッコロ「……>>1」
俺「なんすか?」
ピッコロ「…………>>1」
俺「うん」
ピッコロ「……」
俺「うん、ここにいるっすよ」
ピッコロ「……い、てくれ……」
俺「うん」
俺「ピッコロさん」
俺「ずっと一緒っすから」
俺「今度こそ……もう離さねーっすよ」
俺「覚悟いいっすか……」
ピッコロ「……ああ」
478 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/05/30(金) 05:17:10.81 ID:XYJ6uUAo
俺「良かった」
俺「……ピッコロさん、一緒に寝て」
ピッコロ「ああ」
俺「……おやすみなさい…」
ピッコロ「ああ」
俺「ちゃんと俺いるから」
ピッコロ「……ああ」
ピッコロ「おやすみ……」
ブルマ「ねぇ……」
ベジータ「ああ?」
ブルマ「あなたもあたしの傍にいてよね?」
ベジータ「……」
ブルマ「ずっと」
ベジータ「いまさら、……なに当たり前のことを言ってやがるッ」
ブルマ「うふふふ、耳まで真っ赤」
本当におしまい!