「浮気」 Vol.4 逃亡

精神的にキツイ描写があるかもしれません。
個人の責任でお読みください。


1:「浮気」 Vol.1 始まり
2:「浮気」 Vol.2 変化
3:「浮気」 Vol.3 発覚 


501 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/05/28(水) 04:12:48.48 ID:jQ1t8C.o
「…………、は」

自分の呼吸が耳に障り、意識が手元に戻ってきた。
ゆっくりと目を開ける。
視界はそれなりに利いていて、枕元のライトがついたままだということに気付いた。
目の前には、男が寝ている。

ゆっくりと、指先に力を入れた。
曲がる。己の意思のままに。

頭の核が萎縮しているような、酷い不快感が全身に広がっていたが、
抗いようもなく火照るあの感覚は今はなかった。

右手を、持ち上げた。力を入れれば、僅かな重みを伴いつつも、腕は上がる。

男を見た。ひどく、無防備な寝顔だった。



504 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/05/28(水) 04:18:03.70 ID:jQ1t8C.o
>>129「おはよう……、まだ、寝ているか」
>>129「……今のうちに薬を足しておこう」


ピッコロ「……ア」
>>129「痛んだかい?すまないね、おはよう」
ピッコロ「……」
>>129「そんな目で見ないでくれ。仕方ないだろう?」
>>129「薬の効き目が途切れたら、君は、きっと僕を[ピーーー]だろう」
ピッコロ「……」
>>129「僕じゃあ、君の力には適いそうにないからね」
>>129「全部入ったよ。注射はおしまいだ」
ピッコロ「……」


506 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/05/28(水) 04:22:28.75 ID:jQ1t8C.o
ピッコロ「…………ぁ」
>>129「僕にはもう後はないが」
ピッコロ「っふ、  ぁ  あ」
>>129「君にも、帰る場所はないかも知れないな」
ピッコロ「……、 う」
>>129「男はそんなに心の広い生き物じゃないんだよ」
ピッコロ「 ぅ   う、ッ」
>>129「帰る場所なんて、なければいい」
ピッコロ「あ  ッあ、ぁあ」
>>129「……僕は醜いかい?」


507 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/05/28(水) 04:27:13.23 ID:jQ1t8C.o


ピッコロ「今日もここに泊まるのか」
>>129「そうだね」
ピッコロ「……」
>>129「どこまで行っても同じだ、当てはないし、果てもない」
ピッコロ「……」
>>129「それならここにいたって同じだ。見つかるときは見つかる」
ピッコロ「……見つかれば、貴様はどうなる?」
>>129「さてね。心配してくれているのかい」
ピッコロ「……ふざけるな」
>>129「はっはっは。安心してくれ、見つかれば…もう二度と君の前に現れることはないだろうよ」


514 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/05/28(水) 04:35:52.28 ID:jQ1t8C.o
>>129「強姦された恋人と、それ以前と同じく付き合っていける男がどれくらいいると思う?」
ピッコロ「……ぁ、  あ  ぁ」
>>129「>>1さんがどんな人か僕は知らないけど、普通の、ごく普通の男なんだろう?」
ピッコロ「  ぁ  ッ」
>>129「それに君の場合は強姦とは言い切れないしね」
ピッコロ「  っく、  ぁ!」
>>129「……気持ちいいかい?」
ピッコロ「  い  い……、あっ」


524 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/05/28(水) 04:50:32.59 ID:jQ1t8C.o
>>129「……僕は君に、浮気を教えるつもりだったのに」
>>129「僕が、恋を教えられた」
>>129「君は僕から、何か、学んだかい?」
ピッコロ「……」
>>129「……はは。忘れてくれ」


>>129「そうだな。教えておこう。あと、薬は、もって一週間だ」
>>129「それでさよならだ」
ピッコロ「一週間」
>>129「ああ。一週間で、さよならだ」
ピッコロ「……一週間が過ぎたらどうなる?」
>>129「おわりだ」
ピッコロ「終わり」
>>129「僕の恋のね」
ピッコロ「……けっ」


526 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/05/28(水) 04:56:05.82 ID:jQ1t8C.o
>>129「人生の全てを浪費する恋があってもいいだなんて」
>>129「まったく、僕らしくない非合理的な想いだ」
ピッコロ「……」
>>129「さあ、残り少ない日々を楽しもうじゃないか」
ピッコロ「……貴様が勝手に楽しむんだろうが」
>>129「そうだね。全くその通りだ。恋とはエゴイスティックなものなんだ」
ピッコロ「……  う」
>>129「だけどこれだけは本当だ。僕は君に恋しているよ」
ピッコロ「だま…れ、 っあ  …」


527 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/05/28(水) 05:00:23.23 ID:jQ1t8C.o
>>129「好きだよ」
ピッコロ「っ… だま れ」
>>129「黙れないね。僕はこの一週間で、一生分の恋を消費するんだ」
ピッコロ「……ッ……」

>>129「好きだよ」
ピッコロ「っあ… よ せ」
>>129「好きだ」
ピッコロ「だまれ……ぁ、あッ  あ っ」
>>129「……好きだ」
ピッコロ「……っ ぁ    あ…」


531 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/05/28(水) 05:06:40.74 ID:jQ1t8C.o

>>129「おはよう」
ピッコロ「……」
>>129「あと、六日だ」
ピッコロ「……」


>>129「体調はどうだい」
ピッコロ「最悪だ」
>>129「暫く薬漬けだからね。すまない」
ピッコロ「……」
>>129「許して欲しいとは思わないがね。一生恨んで欲しい」
ピッコロ「……」
>>129「……大丈夫だ。君の身体に障害を残すような使い方はしていない」
ピッコロ「……」
>>129「暫くは辛いかも知れないがね…」
>>129「さ、今日の分だ」
ピッコロ「…くそったれ」


540 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/05/28(水) 05:14:44.45 ID:jQ1t8C.o
>>129「最初は純粋に興味だった」
>>129「だが今は君にこんなにも焦がれている」
>>129「当初の僕の感情をAとするならば、」
>>129「今の僕の感情はA´とするよりもBと表現するべきだ」
>>129「興味と、恋とは全く違う」
>>129「ならばどのような働きがAをBに変えたのか?」

ピッコロ「……AはAのままA´にもなっていない」
ピッコロ「ただのAをBと勘違いしているんじゃないのか」
>>129「ははは」

>>129「君はひどいことを言うね」



>>129「ただの勘違いで、僕は人生を棒に振ったということかい」
>>129「ひどい人だ」


542 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/05/28(水) 05:17:20.51 ID:jQ1t8C.o


ピッコロ「     く ふ」
>>129「ああ、起きたかな」
ピッコロ「 ぁ   あっ?」
>>129「眠る君を見ていたら、触れたくなった」
ピッコロ「  あ あ」
>>129「すまないね、……まるで僕は子どものようだ。我慢がきかない」

>>129「すまない。   ……おやすみ」
ピッコロ「……ふ  ……」


545 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/05/28(水) 05:22:10.11 ID:jQ1t8C.o
>>129「おはよう」
ピッコロ「……」
>>129「あと五日だ」
ピッコロ「……」


>>129「昨夜は起こしてしまってすまない。覚えていないかも知れないが」
ピッコロ「……」
>>129「……はは。……水を飲むかい」
ピッコロ「ああ」
>>129「汲んで来よう」


547 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/05/28(水) 05:23:11.15 ID:jQ1t8C.o

>>129「さ、………」
ピッコロ「? ……ッ、おい」
>>129「……」
ピッコロ「…う……」
>>129「……、」
ピッコロ「 く  ぅ、  うっ」
>>129「……ん」
ピッコロ「 ふ……   は、」
>>129「……」

>>129「水、少し零れてしまったな」
ピッコロ「…………っ」


552 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/05/28(水) 05:26:41.10 ID:jQ1t8C.o
>>129「そんな目で睨まないでくれ。……今日の分の注射をしよう」
ピッコロ「……」
>>129「すまないね」
ピッコロ「……」
>>129「あと、五日の辛抱だ」
ピッコロ「……」
>>129「そうしたら、あとは、自由だ」
ピッコロ「……貴様はどうなる」
>>129「……気にしてくれるのかい」
ピッコロ「……ッ」


553 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/05/28(水) 05:30:10.76 ID:jQ1t8C.o

>>129「綺麗な背中だ」
ピッコロ「……は……」
>>129「引き締まっていて、美しい」
ピッコロ「…  っあ   ぁ」
>>129「勉強と研究ばかりしていた僕は、みっともない体をしているんじゃないか?」
>>129「君から見たら」
ピッコロ「  ん、ッ  ぁ」
>>129「はは」
>>129「僕の体がどうであれ、君はなんとも思わないよな」
ピッコロ「  ッ ぁ  ああ  舐め、  なっ  ぁ」
>>129「好きだよ」
ピッコロ「っ 言う、な  ぁあ」


555 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/05/28(水) 05:39:20.86 ID:jQ1t8C.o
>>129「ごらん」
>>129「夕焼けが赤くなるのは太陽光線の入射角が変化することにより」
>>129「大気中に散った光の波長より小さな粒子が齎すレイリー散乱という働きが人間の視覚に」
>>129「赤色光を到達させるからだ」

>>129「それを知っていてもなお、夕焼けは美しい」


>>129「恋なんて、脳内麻薬による錯覚だ」



>>129「だが、それを知っていてもなお、君に焦がれている」


557 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/05/28(水) 05:42:19.27 ID:jQ1t8C.o


>>129「おはよう」
ピッコロ「……」
>>129「あと四日だ」
ピッコロ「……」


>>129「今日は起きるのが遅かったな」
ピッコロ「……」
>>129「量が多かったのかも知れないな…だが減らすわけにはいかない」
ピッコロ「……」
>>129「すまない。…今日の分を打たせてもらうよ」
ピッコロ「……やめる気がないのなら謝るな」
>>129「……すまない」
ピッコロ「…チッ」


559 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/05/28(水) 05:47:20.16 ID:jQ1t8C.o
>>129「好きだ」
ピッコロ「黙れ」
>>129「…好きだ」
ピッコロ「聞きたくない」
>>129「それでも、言わせてもらうよ。僕にはあと四日しかない」
ピッコロ「……」
>>129「好きだ……君が」
ピッコロ「……、」

ピッコロ「……ん、」
ピッコロ「 ふ  ……」

ピッコロ「は、」



>>129「僕を恨んでくれ」
ピッコロ「 ぁ  あ、っ」


563 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/05/28(水) 05:55:02.99 ID:jQ1t8C.o

>>129「ああ、…君の中に入りたい」
ピッコロ「く、ぁ  あ」
>>129「君の心が奪えないなら、せめて君の中まで汚してしまいたい」
ピッコロ「ぁ……   あ   」
>>129「……っく、出す、よ」
ピッコロ「 ……っ  あぁ…」
>>129「ふ……、君の肌だけじゃ、汚したりない…」
ピッコロ「……」


566 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/05/28(水) 06:01:47.88 ID:jQ1t8C.o
>>129「おはよう」
ピッコロ「……」
>>129「あと三日だ」
ピッコロ「……そうか」

>>129「……キスしてもいいかい」
ピッコロ「……」
>>129「いいかい」
ピッコロ「いいわけがないだろう」
>>129「そうだね。でも、するよ」
ピッコロ「……」

ピッコロ「……、  ん」

ピッコロ「……ぅ……」


573 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/05/28(水) 06:11:32.31 ID:jQ1t8C.o
>>129「好きだ」
ピッコロ「 ぁ、  」
>>129「この先、君に何があっても、君が誰と何をしようとも」
ピッコロ「  ん、  っぁ、あ」
>>129「君に、初めて快感を与えたのは僕だということは拭い去れぬ事実だ」
ピッコロ「 ッ…ぁ  あっ!」
>>129「僕を恨み続ける限り忘れないで欲しい」
ピッコロ「 あ…  ッん、  ぁ」

>>129「好きだよ」


577 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/05/28(水) 06:19:57.16 ID:jQ1t8C.o
>>129「好きだ」
ピッコロ「 言う な」
>>129「好きだ、君のことが」
ピッコロ「 い  う、  っあ」
>>129「好きだ」
ピッコロ「 やめ…  ん、   んぁ  っ」
>>129「……好きだよ」
ピッコロ「 ぁ  ああ、  ぁ  ――あぁ!!」


659 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/05/28(水) 19:44:43.21 ID:jQ1t8C.o



俺「好きっすよ」
ピッコロ「フン」
俺「ねえねえ」
ピッコロ「……」
俺「すんげー好きっすよー」
ピッコロ「……そうか」
俺「うっす。めちゃくちゃ好き」
ピッコロ「……」
俺「ピッコロさんは?」
ピッコロ「……けっ」
俺「お願いすよー、言って欲しっす!!ねーねーねー」

ピッコロ「……そう、だな」

ピッコロ「オレも……」


660 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/05/28(水) 19:48:43.45 ID:jQ1t8C.o


ピッコロ「……、っは……」
>>129「起きたかい」
ピッコロ「…………」
>>129「ははは。何に驚いているんだ。もう僕の顔も見慣れただろう?」
ピッコロ「……」
>>129「穏やかな顔をして寝ていたよ」
ピッコロ「……」
>>129「何か、……良い夢でも見たのかい」
ピッコロ「……関係ない」
>>129「そうか」

>>129「そうかい……」


666 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/05/28(水) 20:02:31.12 ID:jQ1t8C.o
ピッコロ「さわるな」
>>129「僕に触られるのはいやか」
ピッコロ「……、当たり前だろう」
>>129「そうだね。だけど、触らせてくれ」
ピッコロっ……く、…ぁ、」
>>129「君、意識を失う前のことを覚えているかい?」
ピッコロ「……ッあ、……ぁ」
>>129「どんな顔で、どんな風に体を震わせて、どんな風に声を出したか」
ピッコr「だま、れ…ぅっ、……う、っく…」
>>129「恥ずかしいことじゃないよ。……よかっただろう?また、あんなふうになりたいだろう?」
ピッコロ「や、め、……いやだ、……ぁ、あっ」
>>129「嫌じゃないだろう。とても、気持ちが良かったんじゃないのか」
ピッコロ「……いや……だ、っ…ぁ、あ…」


667 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/05/28(水) 20:11:52.38 ID:jQ1t8C.o
>>129「好きだよ」
ピッコロ「……っ」
>>129「好きだ」
ピッコロ「あ、…  ぁ  あっ」
>>129「……僕のことを嫌ってくれるね?」
ピッコロ「  っ  あ、…  ぁ  」
>>129「ずっと、恨んでいてくれるね?」
ピッコロ「 は  ぁ ッ」
>>129「好きだ」
ピッコロ「ぁ…  っあ、あぁ」
>>129「僕が君に焦がれる半分でもいい、恨んでいてくれ」


>>129「……愛してる」
ピッコロ「ッ…… っぁ、  あ、ッ  ――あ…!」


668 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/05/28(水) 20:16:17.63 ID:jQ1t8C.o


ピッコロ「 ぐ、ッ 」
>>129「だめだよ、寝ないで」
ピッコロ「…………な、…んだ」
>>129「……」
ピッコロ「!…っ!く、 …ぁ、  も、 いやだ」
>>129「まだ、足りない。まだ、君の中に僕を、刻み足りない」
ピッコロ「いや、…だ、ッ ぁ   っ」
>>129「すまない」
ピッコロ「 やめ、   っ  ぁ  あッ」
>>129「好きになってしまって、すまない」
ピッコロ「ッ……、  っああ…!」


672 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/05/28(水) 20:31:43.71 ID:jQ1t8C.o
ピッコロ「 あ  ぁあ、  っ」
ピッコロ「や……め、ッ  ぁ、  あ  ぁ」

ピッコロ「 っ  は、ぁ …あっ」


>>129「気持ちいいかい?」


ピッコロ「…ッ…う、  く、  ッ」

>>129「気持ちいいと、言ってごらん」

ピッコロ「 や、  め、  ッあ、ぁあ…!」


676 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/05/28(水) 20:47:13.92 ID:jQ1t8C.o
>>129「好きだよ」

>>129「好きだ」
>>129「君にとっては拷問かも知れないが」
>>129「僕にとってはこれが恋だ」

ピッコロ「だま、  ッれ、  ぁ 」
>>129「好きだよ」
ピッコロ「……ッ……ん、 ぁ  ああっ」
>>129「……目を開けて僕を見て」
ピッコロ「……や……いやだ、  ッ  ぁ  ぁあっ」
>>129「…っ……、好きだ」
ピッコロ「ぁ   あ ぁ  ああ、 ッ  ――――ッ!!」


679 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/05/28(水) 20:55:31.70 ID:jQ1t8C.o


>>129「おはよう」
ピッコロ「……」
>>129「おはよう、という時間じゃないけどね」
ピッコロ「……」
>>129「もう夕方だよ」
ピッコロ「……」
>>129「ごらん、窓の外を。なんて赤くて綺麗なんだろうね」
ピッコロ「……」
>>129「……さ、薬を、入れさせてもらうよ」


681 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/05/28(水) 20:59:53.11 ID:jQ1t8C.o
ピッコロ「……、」
ピッコロ「……お、い」
>>129「なんだい」
ピッコロ「……あ、」
>>129「ああ、……こっちの薬は今日使い切ってしまおうと思ってね」
ピッコロ「……ッ…な」
>>129「大丈夫だよ。もう、随分慣れただろう?」
ピッコロ「 …… お、い」
>>129「大丈夫だよ、でも、大丈夫じゃなくても、もういいじゃないか」

>>129「明日で、終わりなんだから」


686 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/05/28(水) 21:09:28.89 ID:jQ1t8C.o
皮膚の下にあるはずの肉がはつ、はつ、と
泡立ち沸騰しているようで。
余りに熱い。体が固形を保っているかも疑わしいほどだ。
だが背筋には刺し込むような寒気が襲う。
五感がまともに働かない。
ただ触感だけが鋭敏で、
肌の下に広がるシーツのあるかなしかの毛羽立ちさえ、
ありありと感じ取ってしまう。そしてそんなささやかな感触にすら
オレは。


触れるか触れざるかの距離で、男の手がオレの体を辿る。
掌から滲む熱がねちねちと深く染み入り、
オレは恐ろしくて身動きが取れない。


689 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/05/28(水) 21:15:33.76 ID:jQ1t8C.o
微かにでも身じろげばそれだけで男の掌にオレの身はぶつかるだろう。
掌の気配だけでこんなにも苦しいというのに、
触れればどれほど辛いかと想像するだけで身が震える。

みっともなく硬直したオレを甚振るように男の手が体の表面を這う。
触れぬように。今にも触れるように。

よせと、やめろと、口に出そうとしてはおかしな呻きに取って代わる。

オレが呻く度に男は笑う。笑顔に見えぬ顔で笑う。
その顔を見ていたくなかった。瞼をきつく閉じる。

男は何か、延々と口にしていたようだったがオレにはもう何も聞こえなかった。

男の掌の熱。触れそうで触れはせぬ距離でじりじりとオレを焦がすそれが、
ゆっくりとオレの体を熱し、そして。


698 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/05/28(水) 21:26:15.33 ID:jQ1t8C.o
ピッコロ「 や っ ひ、  やめ  う  っ 」
>>129「君が人間の女性だったらこんなことにはならなかっただろうね」
ピッコロ「 ァ  ああ  っ あ  く ぅあっ」
>>129「下品な言い方だけれど。ぶちこまれて、はらまされる体なら、僕は」
>>129「こんなにも必死にならなかったんだろうね」
>>129「いくら触れても いくら舐め廻しても 届かない」
ピッコロ「ぃ  ぁあ…   や め、ッ  や…  ッ  あっ ぁ」
>>129「きもちいいかい?」
ピッコロ「 ぐ  っ  く  あぁ  …あっ」
>>129「好きだよ」
ピッコロ「 ぁ あぁ ッ あ  ぁ や  ぁあっ」
>>129「好きだよ……」

ピッコロ「 ち  ぃ、  ちッ…  ぁ  ああッ ぁ  ――ぁああッ」


705 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/05/28(水) 21:36:55.19 ID:jQ1t8C.o
ピッコロ「ぁ  あ ぁ  ッ あ  ぅ ぐ  ぁ ああ ッ」
>>129「……気持ち良い、と言ってごらん」
ピッコロ「  っ  ちい、  きも、 ち、  っ ぁ」
>>129「もっとして欲しいかい」
ピッコロ「い  っや、  だ、  や  ッ め、  っあ  ぁッ」


ピッコロ「 こ、  わい  ッ」


711 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/05/28(水) 21:41:23.93 ID:jQ1t8C.o


A・ピッコロさんはそれでも強い人だよ
B・129かわいそうだよ129
C・か、軽く、こ、壊れちゃうとかありなんじゃないかな


>>適度に集計


739 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/05/28(水) 21:57:47.03 ID:jQ1t8C.o
>>129「何が怖い?」
ピッコロ「 や ッやめ、  もう、   っ」
>>129「何を止めて欲しいんだい」
ピッコロ「ッ  っ  あ  ぁ や  め、」
>>129「答えてくれないと解らないな」
ピッコロ「う  ぁ  ああっ!  ぁ!  あっ!」

ピッコロ「いやだッ  やッ、  や  やめ、  っああ」
ピッコロ「や、  嫌ッ  いや、  っ  ぁ  あ ぁ  あ」
>>129「いいんだろう?」
ピッコロ「  ひ  う   ぁ、  あぁ、  あ、 ッああぁ!!」

>>129「いやらしい顔だ」


740 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/05/28(水) 22:00:38.81 ID:jQ1t8C.o

>>129「……薬の量が多すぎたのかな。君」
ピッコロ「 ぃ  ああ」
>>129「聞こえてるかい?」
ピッコロ「う  ぅ  あ ぁあ」
>>129「ははは……大した問題ではないね」
>>129「どうせ、君にとって、僕の声が聞こえているかどうかなんて」
>>129「大した問題じゃないんだろうしね」

>>129「気持ちいいかい?」
ピッコロ「ぁ ッ  あ  ぁ  ああっ!」
>>129「何度でもイッてしまって構わないよ」
ピッコロ「ぁ  ぅ  あ ぁああ! もッ… ぁ  あぁあ!」
>>129「好きだ」
ピッコロ「――――っく、あぁっ!」


746 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/05/28(水) 22:05:57.74 ID:jQ1t8C.o
ピッコロ「ひ ぁ はー… は  ぁあー…」
>>129「君」
ピッコロ「ぅ く …ぁ は」
>>129「………」
ピッコロ「 んっ ぁ」
>>129「まだして欲しいだろう?」
ピッコロ「 ぁ…… あ ぁ  」

>>129「幾らでも君が望む限りしてあげよう」
>>129「だから、」

>>129「僕のお願いも聞いてくれるね」


749 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/05/28(水) 22:09:23.10 ID:jQ1t8C.o
>>129「口を、開いて。もっと」
ピッコロ「く ぁ あ  あぁ」
>>129「はは。牙が怖いね。引っこ抜いてしまおうか」

>>129「冗談だよ」

ピッコロ「   は   ぁ   、  ぁ」

>>129「いい子だ。そのままでいてくれたまえ」


758 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/05/28(水) 22:15:54.77 ID:jQ1t8C.o
ピッコロ「ぁ  ふ      む、  ッ? ん、  んっ」
>>129「歯は立てないでくれたまえ」
ピッコロ「 んッ  ふ、  うぅッ  」
>>129「…………っ……本当に、歯を抜くよ」
ピッコロ「ん  んん、 ッ」
>>129「顎の力を、  抜いて」


771 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/05/28(水) 22:25:21.99 ID:jQ1t8C.o

どこか虚ろな目が何かを探すような、いや
何かから逃れるような素振りで空を彷徨う。
瞬きの回数が極端に減った眼球は乾く間もなく湿り、
表面の涙膜を厚くしては目尻に流れた。

ほぼ意思を手放したかのように身を快感に投げ出していた個体は、
開かせた口の中へ侵入しようとした途端
ぼんやりとしていた目に明らかな狼狽、恐怖に近いそれを浮かべた。
僕の侵入を防ごうとぽかんと開いていた顎が力を取り戻し、
鋭い歯が僕を傷つけようと迫る。
指を口に割り込ませて無理に開かせたが、
その個体はたじろぎ呻きつつも、
抵抗を緩めようとはしない。


775 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/05/28(水) 22:30:36.67 ID:jQ1t8C.o
>>755

舌打が漏れた。そのような粗野な習性は僕にはなかったのだが。
頭髪がない頭へと手を伸ばし、ベッドに後頭部を押し付けるように圧力を掛けた。
人間にはない触角が柔らかく潰れた感触が掌底に伝わる。

「ふ ぁあ  は」

それと同時に呆気ないほどあっさりと、僕を阻もうとしていた顎の力が抜けた。


781 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/05/28(水) 22:39:05.15 ID:jQ1t8C.o
ほんの一瞬だけだ、僕が驚いたのは。
次の瞬間には唾液に濡れたほうの手もくだんの触角へ向けて動かしていた。

「      ん   ぐっ  ぅう」

掌底で触角を押し潰すように、両手で頭を掴む。
最早この個体は僕に危害を加えられる余裕もないように見受けられる。
力なく開いた口へと、進入した。

歯列の頂が表面を擦る。だが力の入らぬそれは大した痛みは齎さなかった。


僕が焦がれたその個体の、
中は、

酷く熱かった。


それが自ら投与した薬の効力によるものだろうとは理解しつつも、



僕はそれが嬉しかった。


787 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/05/28(水) 22:47:54.45 ID:jQ1t8C.o
薬効の所為か、触角を潰される苦痛の所為かすぐには判断がつかないが、
その個体は小刻みに震えていた。

ゆっくりと差し入れていく。
歯を、そして舌を、粘膜を僕が征服していく。
学業で仕事で研究で。
今まで挙げてきたどのような成果よりも、この行為は僕に喜びと満足感を与えてくれた。


水しか飲まぬこの個体の口腔内粘膜や唾液には消化器としての働きはないのだろうか。
この個体の体に僕の何かを吸収させたいと心底から望む。

望みのまま、粘膜に擦り付けるように動かした。
歯列が摩擦を産む。僅かに痛みを覚えたが、それ以上に僕は歓喜した。


大きく、個体が、跳ねた。


791 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/05/28(水) 22:57:43.61 ID:jQ1t8C.o
「っふ  っはぁ  は   はっ  ぅぐ」

外的刺激による筋反射のように跳ね上がる体。
見開いた目は何も見ようとはしていないようだ。
口腔内粘膜に圧を掛けるように擦り付ければその度に
秀でた体躯が跳ね上がる。電気を通されたかのように。


「ぅ  う  んんっ  ぐ   ぅ   っくふ 」

これも反射だろうか。生理作用だろうか。
滲む程度だった涙が蛇口を捻ったかのように溢れ出てくる。
僕の存在に埋められた個体の口から、くぐもった声が
呻きが。

「好きだよ」

「好きだ」

理不尽を言葉にして告げた。届かないが。


798 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/05/28(水) 23:05:30.37 ID:jQ1t8C.o
>>129「……っは、   君のことが」
ピッコロ「んっ   ぐ、  ぅ   あ  ふッ」
>>129「好きだ。  好きだ。   すまない。」
ピッコロ「ふ  ぁ  あっあ  んっ   あ あ あ 」
>>129「すまない」
ピッコロ「  ッ   ……!  ぐ ッ  ん! ん!っ」
>>129「……く……く、ッうう…」
ピッコロ「   ぐ  ――――    ッ   !!」

>>129「は、  ッ」

ピッコロ「ッ!  ん、 うぁ  あ  ぁあ…ッあ…ッ」
>>129「……そんなに、泣かないでくれたまえよ」

>>129「口からも吸収して欲しかったんだ」
>>129「すぐに喉に流し込むなんて、それじゃあ足りない」
>>129「だめだ」
>>129「飲み込むまでこのままだ」


800 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/05/28(水) 23:10:22.78 ID:jQ1t8C.o



>>129「いい子だ」



>>129「…………ほら、零れた分もちゃんと舐めなさい」


810 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/05/28(水) 23:20:03.50 ID:jQ1t8C.o
ピッコロ「ぁ   あ  ふ、   ふ     ぅ  」
>>129「口の中をこうして擦られる状態と」
ピッコロ「  ……ッ! ぐ  ぅ    ! ッ!」
>>129「……深く…、差し込まれる状態、とは」
ピッコロ「 ッ  っ  ぐ  ぅ   ふ、  あ  あ」
>>129「どちらがより好きだい?」
ピッコロ「 っ   う   っく、  ふ、う、   ッぐ  」
>>129「……」
ピッコロ「  あ  ぁ  っ  ふ  あ  ん、  」
>>129「どちらも気持ちよくて堪らないようだね」


818 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/05/28(水) 23:25:52.39 ID:jQ1t8C.o
>>129「口でイくかい?」
ピッコロ「ふ  ふ  ぁ  あ  ぁあ」
>>129「ははは」
ピッコロ「 ふッ あ ぁ  あっあ  ア 」
>>129「何を言っているのか解らないよ」
ピッコロ「…………  ッ!  っ!  !  っぅぐ、」
>>129「好きだよ」
>>129「愛している」
ピッコロ「   くッ   ふ  ――は  ッ……ッ!!」

>>129「……愛してる」


850 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/05/28(水) 23:47:49.01 ID:jQ1t8C.o
ピッコロ「  ぁ   あ、   ふ は …」
>>129「口を犯されてイッてしまったんだね」
ピッコロ「……は  …ぁ、  あ」
>>129「いやらしい生き物だ」
ピッコロ「…………だ   ま、れ」
>>129「……、おや」

>>129「…………」


868 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/05/29(木) 00:01:11.73 ID:0S66GIso
涙を溢れさせ、怯えたように凍り付いていた目が僕を睨む。
ぎこちなく言葉を吐き出した緑の唇は執拗な摩擦で紫が滲んでいた。
精液と唾液でべとつく口元を、
二度目の射精は行っていない硬いままの先端で撫で回した。
瞼を痙攣させ、歯を剥き出そうとしたその個体は、
触角を押し潰す形で頭を抱えていた手に力を籠めれば
他愛無く身を震わせ
力を失った。


抵抗せぬ、いや、出来ぬその個体の、
苦痛を浮かべた目だけがただ僕を睨みつけている。

「恐ろしい目付きだね」

「もっと、その目で僕を見ていてくれたまえ」


874 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/05/29(木) 00:06:36.00 ID:0S66GIso



「ごらん」

「夜明けだ」


眠りに落ちることも許さず
屹然と僕を見据えていた目が、揺れ
瞼に隠されてしまってもなお、
犯し続けた。
肌を、そしてその個体の中を。


「空のグラデーションをごらん」


「美しい」


瞳を覆い隠した瞼は微かにすら動きはしなかった。


876 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/05/29(木) 00:07:50.27 ID:0S66GIso
「終わりの朝だ」

反応を返さないその個体。
だが僕は声を掛ける。届かなくても良い。


「好きだ」

「愛していたよ」


880 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/05/29(木) 00:12:53.16 ID:0S66GIso
>>129「最後の、薬だ」
>>129「君の体をおかしくする方は、使い切ってしまっているから」
>>129「今日の注射は一度切りだ」
>>129「嬉しいかい?」


>>129「……好きだよ」



>>129「全部、入った。最後まで」
>>129「これで、終わりだ。もう君を縛る薬は僕にはない」
>>129「…………」

>>129「君の、目が見たい」


884 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/05/29(木) 00:17:25.89 ID:0S66GIso
>>129「好きだよ」
>>129「愛していた」
>>129「後悔はしていない。していないが……」

>>129「僕は遊びには負けてしまった、かな」
>>129「いいや、」
>>129「遊びではなくなってしまっていた、とっくにね」


>>129「君に」

>>129「何か残せただろうか」


885 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/05/29(木) 00:19:03.13 ID:0S66GIso
>>129「……抱き締めてもいいかな」



>>129「すまない」

>>129「好きだった」
>>129「愛していた。間違いなく、恋だった」


>>129「Aは、Aのままではいられなかったよ」


886 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/05/29(木) 00:20:16.78 ID:0S66GIso
>>129「ゆっくり、おやすみ」


>>129「君の体が動くようになる頃には、全て、終わっている」





>>129「僕の恋も」


889 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/05/29(木) 00:26:52.99 ID:0S66GIso
室内を片付け、衣類を身につけた。
久し振りに電源を入れた携帯の充電が残っていることを確認し、ボタンを押す。
こちらが気圧される程の勢いで出た電話の向こうの相手に
苦笑交じりに言葉を返した。
すぐに通話を切り、電源を落とす。
振り向いた。

僕の全てとなったその個体は、静かにベッドに横たわっている。
自然と微笑が浮かんだ。


今、僕は

満ち足りてはいなかったが、確かに幸福だった。


893 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/05/29(木) 00:32:05.74 ID:0S66GIso
備え付けの姿見を覗き込み、特に乱れてもいない髪を撫で付ける。
鏡の中の僕の顔は、持ち主である僕すら見覚えのない表情を浮かべていた。

笑っているつもりだった。だが、それは笑顔ではなかった。

緩く吐息を漏らす。


胸ポケットから、薬瓶を取り出し



僕を注ぎ込んだ僕の全て、その傍に腰を下ろした。
微かにベッドが軋む。


899 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/05/29(木) 00:37:37.43 ID:0S66GIso
「好きだ」

硬く閉じられた瞼、
尖った鼻先、
薄く開かれ紫の覗く口元。

見詰めれば自然と言葉が口をついて出る。

「愛していた」

「……すまなかった」


後悔していない己の行為を謝罪するなぞ、自己満足だろう。
だが、全て本心だった。


好きだ。愛していた。すまなかった。


904 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/05/29(木) 00:40:07.14 ID:0S66GIso
掌の中に握り締めた薬瓶が、滲む汗に湿ってゆく。
当たり前のように呼吸をしようとして、

己の吸った空気に、噎せた。


横隔膜が引き攣る。


救いを求めるように、ただじっと目を閉じている僕の全てに手を差し出そうとして、


止めた。


905 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/05/29(木) 00:41:56.31 ID:0S66GIso
好きだ。好きだった。愛していた。
僕の全てと引き換えにしても惜しくない一時だった。


「ピッコロさん」


情けない程に、僕の声は上擦っている。


908 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/05/29(木) 00:44:32.52 ID:0S66GIso

「ピッコロさん」

祈るように名を呼んだ。


「君に逢えて良かった」

君に恋が出来て良かった。


「すまなかった」

だが、許さないでいて欲しい。


911 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/05/29(木) 00:48:48.93 ID:0S66GIso
視線を外す行為に恐怖を覚えるほどに僕からは余裕が失われていた。
見詰めた。静かにそこに居てくれている。

汗で滑る薬瓶を握り直して、蓋を外す。


「…………、」


何か、映画や小説のラストシーンのように気の利いた言葉を吐き出そうとして、
何も思いつかなかった。

「好きだよ」

紡ぎすぎて古ぼけた告白をもう一度。


「さようなら」


916 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/05/29(木) 00:52:41.76 ID:0S66GIso



>>129「………………ッ、 う……ア?!」


>>129「な、……な、……な、ぜ」

ピッコロ「……零れてしまったな」
>>129「きみ、君は、」
ピッコロ「舐めるか?オレにさせたように?」
>>129「……な、……どうして、」
ピッコロ「……そんなツラ、初めて見るぜ」


925 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/05/29(木) 00:58:37.60 ID:0S66GIso

ベッドの縁で跳ねた小瓶。

大きな掌に手首を捕まれた反動で僕が取り落としたそれが
硬い小さな音を立てて床に落ちた。
その行く末を見届けることも出来ず
僕は目を見開いて、見ていた。

僕の手首を握ったまま、大儀そうに身を起こすその人を。

「なんてツラだ」

僕が犯した唇が、皮肉気に歪んで僅かに笑う。


932 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/05/29(木) 01:05:27.66 ID:0S66GIso
>>129「どう、して、…なぜ」
ピッコロ「それしか…言えんのか」
>>129「……な、…な、なぜ」
ピッコロ「……オレが…知るわけ、ないだろう。貴様…の、専門だろうが」
>>129「調合を間違えるはずが、ない、…僕が、」
ピッコロ「なら…ば、こっちの薬は…、オレの体に慣れるのが早かったんだろうよ」
>>129「そん、な…ことが」


>>129「……」


>>129「ピッコロ……さん」
>>129「効き目は、いつ頃から薄れて来て……いたのかい」


938 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/05/29(木) 01:10:30.43 ID:0S66GIso
呆然としたまま呟いた僕の問いに、目の前の顔は少し斜に傾き、
視線だけは変わらずこちらを見つめたまま口元の笑みを深めた。

「さぁな」



940 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/05/29(木) 01:12:53.98 ID:0S66GIso

>>129「…………っ」




>>129「どうして」
ピッコロ「……」
>>129「どうして、なぜ、なんだ」
ピッコロ「それしか、言えん、のか……貴様」
>>129「どうして止めた?」

>>129「…なぜ!」


942 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/05/29(木) 01:14:11.12 ID:0S66GIso
ピッコロ「……貴様が、」



ピッコロ「!」



ピッコロ「…………あ、」


947 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/05/29(木) 01:17:47.26 ID:0S66GIso
雑誌のページを捲ったかのように突然、表情が塗り変わった。
窶れ、疲労を露にしつつもどこか僕の反応を楽しんでいる気配すら感じさせていた
そんな表情が、一気に不安気な、怯えを滲ませた、焦りの表情になる。

僕の手首を握り締めていた手が、
震えた。



「ピッコロさん!  ピッコロさんッ!!」
次の瞬間、安普請のドアが激しく殴打される音と共に、
叫び声がドアの向こうから響いた。


958 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/05/29(木) 01:28:28.32 ID:0S66GIso
「に、」

僕の手首を捉えていた大きな掌が解け離れるのと、
爆音と共にドアが破壊されたのはまさに同時だった。


逃げろ、と言いたかったのか、逃げるぞ、と言いたかったのか
それともそのどちらでもない何かだったのか、
緑の唇から零れかけた言葉は永遠に失われた。

「ピッコロさん!!!」

怒鳴るような叫ぶような泣いているような、
そんな悲鳴の持ち主が、僕の全てを抱きこむように捕らえる。


歪み、崩れる、表情を見ていられなくなって目を逸らした。


960 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/05/29(木) 01:29:49.48 ID:0S66GIso
僕の全てだったそれは、


彼の腕の中で、それではない何かへ、ひしゃげて壊れた。


966 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/05/29(木) 01:37:10.70 ID:0S66GIso
地獄で待っていたかった。

君が、落ちて来るいつかを。


「ピッコロさん」

「好きだったよ」

歪んだ表情のまま君は僕を見て、僕の目を、揺れた目のまま見て、
だがこの言葉だけはしっかりと、応えてくれた。
声は今にも潰れてしまいそうだったけれど。
僕の為に、応えてくれた。


「オレは貴様が、キライだ」



「……ありがとう」


つづく・・・。
次スレ:「浮気」 Vol.5 終わり


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VIPに投稿された「ピッコロと俺の結婚生活」から派生したお話のまとめサイトです。
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お話を連続して読むためだけの目的で作成していますので、途中のレスなどは省かれています。
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