71 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage] Date:2008/07/29(火) 18:41:50.00 ID:fDu6QAoo Be:
>>865に触発されて妄想がバーーン!
イチコに遊びに出かけようと誘われた。
じゃあ主人公にも声をかけておく、というと、「いい」という。
なんでも、ふたりで秘密の場所に行きたいらしい。
日曜に約束をした。
各自弁当持参。
いったいどこへ行く気なのだろう。
872 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage] Date:2008/07/29(火) 18:45:37.95 ID:fDu6QAoo Be:
日曜の朝、イチコが俺の家の前に迎えに来た。
驚いたことに自転車だ。
前の荷台には菓子と弁当と思われるものが大量に入っている。
・・・俺の分は入るのか?
「いやー、親父に頼んだら張り切りすぎたらしくてwwwwwwこんなになっちゃったwwwwww」
「まぁ、悪くせんように食べれるだけ食べるか。」
「うん!」
「で、どこへ行くんだ?」
「ふへへーwwwwww秘密wwwwww」
「おい、今更秘密も何もないだろう」
「いいから!あ、ピッコロさん後ろ乗って!」
「え、お前、漕げるのか?」
「モーマンタイ!いいから!はやく!」
873 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage] Date:2008/07/29(火) 18:48:29.13 ID:fDu6QAoo Be:
言われるままに後ろに乗ってみた。
イチコはゆっくりと自転車を漕ぎ出す。
・・・正直、辛そうだ。
「おい、辛いなら代わるぞ?」
「いーの!ピッコロさんはしっかりつかまっててなーwwww」
イチコはどんどん郊外の方へ進んでいく。
どこに行くつもりなのだろうか。
・・・そう思っていたら、ふと思いあたった。
花火大会があった日、ふたりで少しの時間をすごしたあの場所。
874 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage] Date:2008/07/29(火) 18:51:55.96 ID:fDu6QAoo Be:
やはり、あの神社に向かっているらしい。
しかし、道のりは相当険しい。
あそこにいくには結構な坂が続くんだ。
「・・・おい、あきらかにスピードが落ちてるぞ」
「だ、だいじょう、ぶ・・・すよ」
無言で後ろの荷台から降りた。
自転車を押してやる。
「ちょっと!ピッコロさん!」
「いいんだ。俺たちはふたりで遊びに来たんだろう?俺だって何かしたいんだ」
「・・・そうっすね。じゃあ、共同作業!」
一生懸命自転車を漕ぐイチコ。
その自転車を押す俺。
・・・何故だかこの時間がずっと続けばいいとおもった。
875 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage] Date:2008/07/29(火) 18:54:08.81 ID:fDu6QAoo Be:
「はー!やっとついた!!」
ついた途端、イチコは以前と同じ様に境内に寝そべった。
「おい、汚れるぞ」
「いーのいーの!あ、ピッコロさん、水」
「ああ、すまんな」
「フルーツキスっすよwwww」
「・・・ありがとう」
「ピッコロさん、耳真っ紫wwwwwwww」
「うるさい!」
877 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage] Date:2008/07/29(火) 18:58:59.46 ID:fDu6QAoo Be:
「ここ、昼間だと結構いい眺めっしょ?街が見渡せるっつーか」
「ああ、そうだな、花火大会の日は分からなかった」
「だろー?!おれ、ガキの頃は頃はよくここで遊んだんだーwwww」
「家から遠くないか?」
「よゆーよゆー!それに夏だとホラ、木陰が涼しいし」
「だからね、ここ、俺のとっときの場所だったんだ」
「だから、ピッコロさんとふたりで来たかった」
「来れてよかったぜwwwwwwふたりの秘密だかんな!wwww」
イチコの顔は笑っていた。
でも、何か寂しげで。
おれは、「ああ、秘密にする」としか返せなかった。
・・・俺自身、上手く笑えていたのか自信がない。
878 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage] Date:2008/07/29(火) 19:04:08.90 ID:fDu6QAoo Be:
その後、イチコの持ってきた弁当と俺の弁当を食べた。
見晴らしのいい木陰。涼しい。
そよそよと風が吹くのが心地良い。
「俺さ、ずっとピッコロさんの友達だから」
唐突にイチコが言った。
「だから・・・またここに来ような!もちろん主人公には内緒で!wwwwww」
「・・・ああ、そうだな。俺たちの秘密だ」
「やった!次が楽しみだなーwwww次はアイスとかクーラーボックスに入れてこよ!」
「まだ今を楽しんでるのに次の話か」
「だってwwwwwwたのしみなんですものwwwwwwww」
イチコは嬉しそうだ。
さっきとは違って、ちゃんと、嬉しそうだ。
さっきイチコの言った「友達」という言葉が胸に響いた。
881 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage] Date:2008/07/29(火) 19:13:16.12 ID:fDu6QAoo Be:
そろそろ日も暮れてきた。
時期が早い気もするが、ひぐらしも鳴いている。
「うし!じゃあそろそろ帰りましょっか!」
「そうだな」
「ピッコロさん・・・楽しかった?」
「ああ・・・楽しかった。また来たい」
イチコはこれ以上ないくらいニンマリ笑った。
879 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage] Date:2008/07/29(火) 19:10:44.68 ID:fDu6QAoo Be:
帰りは楽なものだ。
坂道をずっと下っていくだけ。
今度はイチコに任せて、俺は大人しく後ろに座っていた。
「俺は、友達だから、こんなことくらいしかできねーけど」
「ふたりで秘密で出かけたりするくらい・・・神様、許してくれよ」
ビュンビュンと加速する自転車を操りながら、イチコが呟いた。
きっと俺には聞こえてないと思っているのだろう。
だから、あえて何も言わなかった。
代わりに、イチコの腰にしがみついた。
「うお!ピッコロさん?!」
「落ちると危ないからな」
「あ、そっか、スピード緩める?」
「いや、このままでいい」
「ん!了解!とばすぜーー!!」
風が気持ち良い。
俺はイチコの「友達」。
だが、きっと「特別な友達」だ。
イチコも、そう思ってくれていることを願った。
おしまい。