1センチ
>>1「ピッコロさん浴衣!浴衣!!ちんこがっwwwwwwwwちんこが!!!!!!ハァハァ」
ピッコロ「ないだろ落ち着け!お前が祭の時には浴衣を着るのが常識だと言ったんだろうが!」
産まれて初めて祭なんぞに誘われた。
>>1「イヤイヤイヤイヤ、モチロンソウヨ!wwwwww」
>>1 が
オレを誘ってくれたのは
オレを友達だと思ってくれてるからなだけで、あって。
オレだって
わざわざ浴衣なのは、様式美だから着ろと言われて仕方なくで
ピッコロ「お前は何故着ていないんだ!!?常識じゃないのか?!」
決して
>>1「俺が似合うワケねーっしょ!それこそjkっすよwwwwwwwwww」
浴衣姿を見たいと言われたからでも
お前が喜んでくれるかも、なんてあえかな期待をしたワケでもない
>>1「ピッコロさん浴衣すげー似合う!!!!きれい!」
ピッコロ「ふ、フン…」
だが
実際に着て来てしまっている
オレを>>1は、どう思っているだろうか。
>>1は、いつも通りのあっけらかんとした笑顔で、屋台なんかを物色しつつすいすい人混みをかわしながら歩いて行く。
良かった
どうやら、オレの訳のわからん心中なぞ気付いていないようだ
お前は、友人だから
大切な友人だから
きっと、この時間が存在するのだから
ピッコロ「ちょ…>>1…」
壊してはいけない
壊してはいけない
>>1「おっ!ちょいちょい花火上がり始めてる!」
>>1の挙動はせわしない。
前に進みつつも上やら横やらに視線送り。
ピッコロ「………」
着慣れないせいか、小又になってしまうオレと>>1の間に僅かに隔たりができる。
>>1
ピッコロ「い…」
声が、でない
手を
手を、もう少し伸ばせば
そこには>>1の
スラリとした腕がある
だが
ピッコロ「ッ……」
あと少し
あと少し
あと少しだけ手を伸ばせば
>>1「うお、すげー………」
ピッコロ「!」
指がかすめる刹那
光が弾けてその後音
>>1の体がふわりと跳ねて、
ピッコロ「────」
遠い
あと1センチ
が
いや
これでいい
気付かれたら、きっと>>1は気味悪がる
離れて行ってしまう、かもしれない
>>1「キレイっすねー…………」
花火より
オレを見ろ
お前こそ
花火なんかより
>>1「ね、ピッコロさん」
ピッコロ「…あ、…ああ」
こんな感情は
きっと友情じゃない──────────
>>1「ピッコロさん、手ー繋ぎましょ、手」
ピッコロ「な、何故だ」
>>1「はぐれたら大変っしょ」
そうか
女の友人は手を繋ぐのが普通なのか
見回せば、確かにいろとりどりの浴衣を着た女達が、恥ずかしげもなく指を絡め笑い合っている
もちろん
男女の、恋人同士であろうカップルは漏れず
それには視線を外して。
ピッコロ「そうか………」
一瞬
期待してしまった
お前も
オレと同じ様に思っていたのかと
そんなハズ、ないのに
>>1「行きましょー」
意外に小さい>>1の手に、花火の炸裂音よりも大きな鼓動が立った
友人だから
友人なら
側にいられるのだな
ピッコロ「コラ、あまりはしゃぐんじゃない!引っ張るな!!」
繋がれた手は
先程の
届かなかった
届かせる事がでかなかったキョリ1センチより遠く感じて
それでも、この手は離すまいと
そうしてオレは、周りに溶け混む様にいつも通りの声を上げた。
おわり
イチコSide