616 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage] Date:2008/07/27(日) 01:13:27.80 ID:I3uEcWco Be:
いくな・・・
いかねーで・・・
ピッコロさん・・・
俺は、あなたのことが・・・
617 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage] Date:2008/07/27(日) 01:14:36.07 ID:I3uEcWco Be:
起きてみて、自分が泣いていることに驚いた。
それに、両手を縋るように空に浮かせていたことにも。
俺は少女マンガの主人公か。
笑っちまう。
目をごしごし擦って起きだした。
顔を洗おう。
618 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage] Date:2008/07/27(日) 01:18:38.37 ID:I3uEcWco Be:
ピッコロさんと主人公が付き合ってもう結構経った。
俺は今までどおり「いい友人」をしている。
俺の気持ちはその「いい友人」の姿にうまく隠れていると思う。
絶対に、ばれては、いけない。
俺は、女で。
主人公は、男で。
ピッコロさんは主人公が好きで。
ピッコロさんが幸せならそれでいい。
それでいいんだ。
619 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage] Date:2008/07/27(日) 01:21:42.97 ID:I3uEcWco Be:
でも、これからずっとこのまま?
俺の気持ちは、きっとずっと消えない。
ずっとずっと消えずに、ドロドロと渦巻き続ける。
反吐が出る。
汚らしい俺の気持ち。
でも、ふと思った。
少しならば。
ばれないように、ピッコロさんに俺の気持ちを渡してもいいかな?
620 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage] Date:2008/07/27(日) 01:25:45.72 ID:I3uEcWco Be:
台所に行くと親父が俺の弁当を用意しているところだった。
卵焼き用の卵をといている。
親父に話しかけた。
「あー、親父ぃ、今日は俺が卵焼き焼いてみてもいい?」
「お、何だ珍しいな。どうした?」
「いや、ちょっとは女らしーことでもしてみっかと思って」
「・・・そうか、父さん嬉しいよ・・・お前も遂に・・・」
「ま、いいから!交代!」
「よしよし、気をつけろよ」
何だか涙ぐんでる親父を押しのけて、コンロの前に立つ。
俺は、卵焼きを焼くだけだ。
621 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage] Date:2008/07/27(日) 01:27:49.90 ID:I3uEcWco Be:
慣れないことしたもんだから、やっぱりいびつな卵焼きが出来た。
でも、卵焼きだ。
これはちゃんと卵焼きだ。
俺がピッコロさんのことを考えて、
精一杯作った、初めての卵焼きだ。
親父が既に作っていたおかずと、俺の卵焼きを弁当箱に詰めてくれた。
急ごう。
主人公と、ピッコロさんが待ってる。
622 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage] Date:2008/07/27(日) 01:33:55.33 ID:I3uEcWco Be:
やっと昼休みになった。
ピッコロさんと主人公を誘って机を寄せる。
「なーなー、ピッコロさん」
「なんだ?」
「俺さー、今日初めて卵焼き作ったんだ!」
「うっわ、お前が?!食中毒になるんじゃねーの?!」
「うっせーよ主人公!」
「どれだ?」
「あ、これこれ。まぁ・・・形は変だけどさ!頑張ったんだぜ!」
「うわー・・・まj、ホントにやべーなこれは」
「主人公、ちょっと黙っていろ。イチコは頑張ったんだぞ」
「へいへい」
「そんでさ、ピッコロさん、これちょっと味見してみてくんない・・・?」
やっぱり怖くてちょっとビビった声になっちまった。
「おいお前!ピッコロを殺す気か!」
主人公が茶化してくれたから助かったが。
623 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage] Date:2008/07/27(日) 01:36:25.19 ID:I3uEcWco Be:
解ってる。
ピッコロさんの食事は水だけだって。
でも、どうしても食べて欲しかった。
俺の気持ちをちょっとだけで良いから渡したかった。
ピッコロさんは無言で俺から箸を受け取った。
綺麗な指。
箸でそっと卵焼きをつまんで口に運ぶ。
624 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage] Date:2008/07/27(日) 01:41:58.66 ID:I3uEcWco Be:
「うまいぞ」
ピッコロさんはそういってくれた。
きっと味なんか解んねーのに。
俺の卵焼きがうまいって。
顔が自然と緩んじまうのをどうにか引き締める。
俺の気持ち。
卵焼きに込めた俺の「好き」。
ちゃんとピッコロさんに受け取ってもらえた。
でもこれは秘密なんだ。
だから普通にしなきゃなんねーんだ。
「やった!ピッコロさんに褒められた〜〜wwwwww」
「おいホントかピッコロ?どれ、俺もひとつ・・・」
「てめーは散々馬鹿にしくさってくれたんだからやんねーよ!」
残りを一気に口に頬張った。
俺には、これで十分だ。
これだけで、十分幸せだ。
おしまい。