どらメモ番外編の番外編・三つ巴編 Vol.2

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539 ◆hAmnyPalgs [sage] Date:2008/07/08(火) 03:11:13.01 ID:VXV9E22o Be:

「……」
「主人公ーぉおお?なんだっつの、さっさと話せよホラ。遅刻すっだろ」
「お前がそんなこと気にするタマかよ」

ベンチを軽く払うことすらせず、どっかと腰を下ろした>>1は
右の足首を左の膝の上に乗せる、品のない足の組み方をして俺を見る。
履いている捲り上げたジャージのおかげで、パンチラの危険性がないだけマシだが。
こんなヤツのパンツなんぞ朝から見た日には道行く健全なリーマンや学生が
一日ブルーな気分になること請け合いだ。

「……まあさ、大した話じゃない……と思うし」
「おお?」
「こんな話をよー、改まってお前に言うなんて俺はイヤだったんだけどさ」
「だから何だっつの」

541 ◆hAmnyPalgs [sage] Date:2008/07/08(火) 03:19:03.27 ID:VXV9E22o Be:

「俺さ、ピッコロと付き合うことになったから」

>>1が、ワケ解らん、ってツラで首をがくんと傾ける。
せめてもうちょっと女らしく、ちょこんって傾げようぜ、と思いながら、
もう一度言葉にした。

「……ピッコロと付き合ってる」

>>1の目がみるみる大きく広がって、それから線になった。
唇の両側が釣りあがる。
あ、笑ってんだ、って少ししてから気付いた。

「へえ、全ッ然気付かなかったぜ」

それから>>1は立ち上がって、鞄を持ち直した。
ぺらっぺらで何も入ってないように見える鞄。

「お似合いなんじゃね?」

さ、ガッコいこーぜ、って、
>>1の足がいつもどおり俺のケツを蹴る。
いつもより少しよわい蹴り方だった。















543 ◆hAmnyPalgs [sage] Date:2008/07/08(火) 03:20:39.21 ID:VXV9E22o Be:


思い出さないなんて
考えないでおくなんて
忘れるなんて

出来るわけがなかった。




545 ◆hAmnyPalgs [sage] Date:2008/07/08(火) 03:21:45.47 ID:VXV9E22o Be:


はじめて、


はじめて、好きになった人だった。



初恋は終わらせたと思ってた、だけど。

こんなに胸を絞り上げるほどの思いは初めてだった。
これが恋ってやつなんだ、って、
俺は気付いた。

あんなに胸を絞り上げるほどの思いは初めてだった。
だから、
これが、
俺の初恋だった。


546 ◆hAmnyPalgs [sage] Date:2008/07/08(火) 03:23:22.05 ID:VXV9E22o Be:
考えないでおくなんて

出来るわけがなかった。


いつもどおりの、日常の中、

たまに交錯する2人の眼差しが、
交わす言葉が、
突き刺さる、

だけど俺は笑ってた、アホみたいに。


547 ◆hAmnyPalgs [sage] Date:2008/07/08(火) 03:24:36.72 ID:VXV9E22o Be:
それ以上踏み込まないでいたら
気付かないふりをしていたら
アホみてーに笑ってたら

このままずっと3人で、


だけど、









550 ◆hAmnyPalgs [sage] Date:2008/07/08(火) 03:28:05.24 ID:VXV9E22o Be:
「ピッコロさーーん!」

教室についたらもうピッコロさんは自分の席に座っていた。
思いつめたみたいな表情が、
俺が笑って声を掛けたら
驚いたみたいになって、それからほっとした顔に変わった。

「今日は会わなかったなあ!偶然って毎日はつづかねーなー」
「あ、ああ」

曖昧に頷くピッコロさんが、ちらりと俺の後ろを見た。
それから、俺に目を戻して、何か言おうとして、


「ピッコロさん男の趣味悪くねー?」

からかうみたいに耳元にこっそり話しかけた。
かーーっ、て、一気に紫になった耳。

バカ、って、照れたみたいな拗ねたみたいな、
可愛い言い草で呟きながらそっぽを向くピッコロさんを
アホみたいに笑いながら俺は、かわいいなーって、

いつもどおりに。







551 ◆hAmnyPalgs [sage] Date:2008/07/08(火) 03:31:44.02 ID:VXV9E22o Be:

俺と主人公が昼飯をカウンターで受け取って戻ってきたら、
ピッコロさんはいつもどおり水のグラスを手にして席を取っておいてくれてる。

俺は黙ってピッコロさんの向かいに座った。

主人公が、ちょっと戸惑って、
それから満更でもないニヤけたツラでピッコロさんの隣に座る。
水のグラスを、テーブルに置こうとしていたピッコロさんが
気付いて、
また紫になった。


ピッコロさんが俺の向かいで、
主人公はその隣。

今日から、それが、いつもどおりになっていく。





554 ◆hAmnyPalgs [sage] Date:2008/07/08(火) 03:34:10.39 ID:VXV9E22o Be:
>>1「なあなあ夏休みさー」
主人公「あ?お前まず期末を乗り越えてから夏休みの話ししろよな」
ピッコロ「勉強は進んでいるのか、>>1」
>>1「まあまあwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
>>1「なんかバイトやろうと思うんだよなー俺」
主人公「お前バイトすぐ止めるじゃん」
ピッコロ「そうなのか?」
>>1「なんかすぐ対立しちまうんだよ、社員とかと」
主人公「どうせ長続きしないと思うぞ」
ピッコロ「やれば出来るだろう、>>1は」
>>1「ピッコロさん優しいwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」




555 ◆hAmnyPalgs [sage] Date:2008/07/08(火) 03:35:50.80 ID:VXV9E22o Be:
主人公「ピッコロ、これこないだ忘れてったろ」
ピッコロ「あ、…ああ、探していた。すまない」
主人公「ちょっと読ませてもらったけど面白いな」
ピッコロ「そうだろう?この作者のシリーズが今一番気に入っていてな」
>>1「なあなあそれより今週の月光条例について語ろうぜwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」




556 ◆hAmnyPalgs [sage] Date:2008/07/08(火) 03:37:57.14 ID:VXV9E22o Be:
>>1「ピッコロさん、何してんの?」
ピッコロ「うん?主人公が今日は休みだから、ノートをな」
>>1「コピーしちまえばいいじゃんwwwwww」
ピッコロ「……ああ、まあ、そうなんだが」
>>1「あー主人公の頭のレベルに合わせてやってんだwwwwwwwwwwwwww」
ピッコロ「ま、まあな」
>>1「やwwwwwwさwwwwwwしwwwwwwいwwwwww」
ピッコロ「喜んでくれるだろうか」
>>1「らwwwwwwぶwwwwwwらwwwwwwぶwwwwww」

ピッコロ「>>1も今日は見舞いにいくだろう?」
>>1「いや、俺バイト」
ピッコロ「え?夏休みからじゃないのか」
>>1「良いバイトがあったから始めちゃったぜwwwwwwwwwwwwwwwwww」




559 ◆hAmnyPalgs [sage] Date:2008/07/08(火) 03:39:52.33 ID:VXV9E22o Be:
主人公「暑いなー」
>>1「あっちいなああ!!!」
ピッコロ「2人ともだらしないぞ」
主人公「ピッコロは気温変化に強くていいなあ」
ピッコロ「人間は不便だな」
>>1「……ナメック星人に、なりてえなあ」





565 ◆hAmnyPalgs [sage] Date:2008/07/08(火) 03:42:42.32 ID:VXV9E22o Be:
なあもしもさ、
俺がナメック星人だったら、
俺が主人公みたいにカッコイイ男だったら、

「どこか解らないか?」

穏やかに声が掛けられる。
にー、って笑いを返した。

「解るところの方が少ねーーーよっ」
「威張るな」

机の下で主人公に足を蹴られた。
てめー、って笑いながらけり返して、
向かいでピッコロさんが笑う。



569 ◆hAmnyPalgs [sage] Date:2008/07/08(火) 03:49:17.71 ID:VXV9E22o Be:
主人公「なあなあ」
>>1「なーんだよー」
主人公「女ってどんなもんもらうと嬉しいんだ?」
>>1「……そwwwwれwwwwをwwww俺wwwwにwwwwきwwwwくwwwwかwwww」
主人公「なるほど人選ミスだ」
>>1「つーかピッコロさん女じゃねーしwwwwwwwwwwwwww」
主人公「でもお前よりよっぽどかわいいぞ」
>>1「んなこと」
>>1「知ってる」

>>1「っつーのwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

主人公「やっぱ花とかアクセとかなんかな」
>>1「どっかなー」

>>1「お前らさ、本の趣味合うじゃん」
主人公「あー」
>>1「本とかどーよ、お前の好きなのでもあげてみたら?」
主人公「おおー、そうしてみっかなー」
>>1「最初のプレゼントはあんまり重すぎてもアレだろーwwwwwwwwww」
主人公「お前結構頼りになるな、そうしてみる」
>>1「おうwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」


570 ◆hAmnyPalgs [sage] Date:2008/07/08(火) 03:51:18.99 ID:VXV9E22o Be:
ピッコロ「……フフ」
>>1「お?ピッコロさんなんか嬉しそうじゃんかwwwwwwww」
ピッコロ「あ、いや、この本がな」
>>1「面白い?すげーなーもー、俺読書とか無理wwww1ページで寝るwwwwwwww」
ピッコロ「面白い、し……その、主人公がな」
>>1「あーwwwwwwwwプレゼント?」
ピッコロ「……ああ」
>>1「うwwwwれwwwwしwwwwそwwwwうwwwwwwwwww」
>>1「仄かに紫色になって俯くピッコロさんかわいすぎるwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
ピッコロ「う、うるさい」



574 ◆hAmnyPalgs [sage] Date:2008/07/08(火) 03:56:04.94 ID:VXV9E22o Be:

ピッコロさんの、
持ち物が、
少しずつ主人公の匂いに染まっていく。

主人公が使い易いと言っていたシャーペン。
おそろいの消しゴム。
俺とおそろいだったノートを使い切った後は、
主人公が好きな青い表紙のノートに変わった。



俺はアホみたいに笑って2人を見ていた、
ちがう、
ピッコロさんが主人公と目を合わせて嬉しそうに笑う、
俺はそんなピッコロさんを見ていた。






577 ◆hAmnyPalgs [sage] Date:2008/07/08(火) 03:58:05.33 ID:VXV9E22o Be:


ノロケのつもりはないんだろうけど、
主人公の話を嬉しそうにするピッコロさんが、
あるときふと呟いた。

「お前は」

「好きなヤツ、いないのか」



582 ◆hAmnyPalgs [sage] Date:2008/07/08(火) 04:02:20.28 ID:VXV9E22o Be:



俺の向かいで幸せそうに笑う、
俺の友達と嬉しそうに視線を交わし合う、
その人が俺は好きです。



583 ◆hAmnyPalgs [sage] Date:2008/07/08(火) 04:04:09.02 ID:VXV9E22o Be:




言ってしまえ、
言ってしまえ、



アホだなあ
言えるわけがない、


言わないでいたのは
関係を壊したくなくて、
踏み出せなくて、
言わないでいたのは
俺じゃんか?



じゃあ、もし、踏み出していたら?



わかってる、

それでも、

この人が主人公に向けるようなあの眼差しで

俺を見てくれるわけはない。








587 ◆hAmnyPalgs [sage] Date:2008/07/08(火) 04:09:32.10 ID:VXV9E22o Be:
>>1は面食らったように瞬いて、
それからゲラゲラと人間の女子らしくなく笑いながら仰け反った。

「いるわけ、ねーじゃん!」

だが最近、>>1は。
前のように頻繁に休日をオレと、オレたちと一緒に過ごそうとはしなくなった。
主人公は、好都合だとばかりにしょっちゅうオレを部屋に呼ぶようになって。

そして、主人公はこう言っていた、
―あいつにもカレシが出来たんじゃないのか―
なるほどと思った、だが違うのか。

「そう、なのか?」
「だって」

>>1が楽しそうに笑う。

「俺、こんな、ナリじゃんか」


589 ◆hAmnyPalgs [sage] Date:2008/07/08(火) 04:12:47.97 ID:VXV9E22o Be:
「ナリ…が?」
「こんなヤツに惚れられるとか、その人がかーわいそーwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

>>1がまた笑って、それから笑いを収めて、
またオレの宿題を写す作業に戻った。

「オレは……そうは思わないが」

>>1がノートを見たまま、くしゃ、と表情をゆがめた。
いち?と呼びかけると、

「サーンキュー」

顔を上げて、また>>1が笑う。
いつか見た気がする、
女のような笑い、

だが、あの時のように、ぞっとはしなかった。




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