「監禁」 Vol.3

精神的にキツイ描写があるかもしれません。
個人の責任でお読みください。


前々スレ:「監禁」 Vol.1
前スレ:「監禁」 Vol.2

315 : ◆hAmnyPalgs [sage]:2008/07/05(土) 06:13:21.64 ID:OL6ZFxko

そんなある日、


316 : ◆hAmnyPalgs [sage]:2008/07/05(土) 06:16:00.35 ID:OL6ZFxko
キョウコ「もう!ほんとに、ほんとに心配したんだよ」
俺「さーせんwwwwwwwwwwww」
キョウコ「何か、買ってこようか?」
俺「イヤ別にいいよ」
キョウコ「ほんとに、」
キョウコ「ほんとに……もう。やっぱり>>1は心配だよ、」
キョウコ「あんなことがあってからまだ半年も経ってないのに」
キョウコ「今度は交通事故で入院だなんて!」
俺「まさに泣きっ面に蜂wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
キョウコ「笑ってないで!」
俺「さーせんwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
キョウコ「しっかりしてよ、もう、私いつまで経っても心配しちゃうじゃない」
俺「だから自分の彼氏の身の回りだけ心配しててってばwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」



320 : ◆hAmnyPalgs [sage]:2008/07/05(土) 06:19:26.38 ID:OL6ZFxko
そういえば彼氏変わったってマジ?とか、
そういうことを突付いて、
くるくると表情を変えて怒ってみせるキョウコを
可愛いな、と感じる。
可愛い人だ、だけど、興味は持てない。

「もう、>>1っ、笑わないでってば」
「さーせんwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

「…?」

ふ、と笑いが引っ込んだ。
見るつもりもなく視線が自然に、病室のドアに向かう。

ノックの、音が。



323 : ◆hAmnyPalgs [sage]:2008/07/05(土) 06:21:54.46 ID:OL6ZFxko
「はぁい」

キョウコが、柔らかく返事をした。
僅かな間の後、ドアが開く。

「失礼する」

長身を僅かに屈ませるように、その人が白い部屋に入って来た。

「……客か、邪魔をしただろうか」



336 : ◆hAmnyPalgs [sage]:2008/07/05(土) 06:35:03.09 ID:OL6ZFxko
わっ、とキョウコが悲鳴を上げた。
ああ、この人ふつーの人から見たら見た目怖いもんなあ、と素直に思いながら、
久し振りのその人を見た。

凛々しい表情に、どこかしら困惑の表情を浮かべて、
俺を見るその人。

「こんにちは」

少し迷って、そう迎えた。

その人は顎を引いて少し頷きながら、片手に下げていたかばんを
部屋を見渡して、机の上に置いた。

「孫悟飯を知っているな」
「はい」

キョウコが、俺とその人を見比べて、
知り合い?と耳打ちしてくる。
俺は笑って、首を傾げた。知り合い、かなあ。そんなこと解らない。



340 : ◆hAmnyPalgs [sage]:2008/07/05(土) 06:42:31.93 ID:OL6ZFxko
「そいつからの、ことづけだ」

机の上に置いたかばんを顎でしゃくって、
あっさりとその人が背を向ける。

呼び止めたい、と思った。
だけど、

邪魔したな、と一声残して、
まるで幻だったみたいに、その人は部屋から消失した。
ひらりとドアの向こうに消えたマントが、
まだ目に焼きついているけれど。




344 : ◆hAmnyPalgs [sage]:2008/07/05(土) 06:47:33.67 ID:OL6ZFxko
俺「ひでーな、悟飯さん」
キョウコ「え?」
俺「いや。ごめん、そのかばん取ってくれる?」
キョウコ「うん」

俺「あー着替えと、」
俺「ちょwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
俺「命に別状のない一般人に仙豆ってアホかwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
キョウコ「何それ?」


349 : ◆hAmnyPalgs [sage]:2008/07/05(土) 06:57:44.26 ID:OL6ZFxko
どちらかというと几帳面な悟飯さんらしくなく、
ノートを破いたような紙にぐしゃりと包まれていた仙豆を掌に置いて、
俺は笑ってしまう。

何考えてんだろ、あの人、
そう思いながら仙豆を紙に包みなおそうとして、

紙に書き付けてあった走り書きに気付く。

―食べて、追いかけて下さい、今すぐ―

は?
何が?
え、

いやいや。
悟飯さんの、意図は、なんとなく解る。
俺があの人に衝動的に声を掛けずに、
帰っていくのを黙って見送って、
そしてこの書付を見たのなら、
大丈夫だ、と言いたかったのだろう。
あの人を壊すような愛し方を、したらしい、
そんなタガの外れやすい俺ではないと、
背中を押してくれようとしたんだろう。

あの人が本当の本当はお人よしなことくらい、俺にだって解る。


だけど、





351 : ◆hAmnyPalgs [sage]:2008/07/05(土) 07:01:28.57 ID:OL6ZFxko
俺「ねーよwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
キョウコ「何が?」
俺「ん、なんも」
キョウコ「へんなの」
俺「ははは」

俺「あ、ちょっと、なんか飲み物買ってきてもらえる?」
キョウコ「あ、うん!」



357 : ◆hAmnyPalgs [sage]:2008/07/05(土) 07:07:49.13 ID:OL6ZFxko

キョウコがお茶を買ってきてくれて、
少し話をして、


キョウコが帰って、病室はしんと静かになった。


もう一度かばんを見る。
……。


あの人は凛としていた。
元気そうだった。
それで良い、

俺は聖人じゃない、

本当は、


だけど、






俺は大きく首を振った。

もう、どうせ遅い。


忘れろ、いや、忘れるわけはないけど、


声が聞けて良かったじゃねーか、
姿が見られて良かったじゃねーか、

うん。

ありがとう、悟飯さん。




360 : ◆hAmnyPalgs [sage]:2008/07/05(土) 07:12:18.79 ID:OL6ZFxko

キョウコはまた、それから三日後に見舞いに来てくれた。
何でもない話をして、
またお茶を買ってきてもらって、

それから帰り際。


「ねえ、あの人さ」
「ん?」
「こないだの、怖い人」
「ああ」


361 : ◆hAmnyPalgs [sage]:2008/07/05(土) 07:15:03.12 ID:OL6ZFxko
キョウコ「この病院の人だったの?」
俺「え?」
キョウコ「こないださ、私が帰る時にも見かけたんだけど」
キョウコ「今日もいるから、そうなのかな?って」
俺「え、」
キョウコ「看護士さんなの?見えないね」
俺「え、」
キョウコ「ん?」
俺「いや、」

俺「…………」


俺「あ、ばいばい」
キョウコ「ばいばーい、またね」




362 : ◆hAmnyPalgs [sage]:2008/07/05(土) 07:17:55.88 ID:OL6ZFxko
しんと、病室が静かになる。






かばんを、引き寄せて、
捨てずにいたその紙包みを、引っ張り出した。

うまく開けられなくて、仙豆が落ちる。
白いシーツの上を転がるそれを捕まえて、

口に放り込んだ。


あー俺一般人なのに。カリン様さーせん。





368 : ◆hAmnyPalgs [sage]:2008/07/05(土) 07:26:05.77 ID:OL6ZFxko



「遅かったな」

腕組みをして、
壁に凭れたその人が、
どうやっても取れないギプスをがちがち言わせながら必死に近づく俺に
笑いながら視線を寄越した。

「悟飯のやつめ、」
「あいつの『すぐ』は信用ならんな」

腕組みが解けて、俺は迎え入れられた。



373 : ◆hAmnyPalgs [sage]:2008/07/05(土) 07:34:07.95 ID:OL6ZFxko


抱き締めた。
抱き締められた。

匂いのないその人の首筋に顔を埋めて、息をした。


「>>1」

名前を、呼ばれる。
続きそうだったその人の言葉を遮って、俺が口を開いた。

「俺と」
「もう一度、やりなおして、貰えるすか」


「ピッコロさん」




376 : ◆hAmnyPalgs [sage]:2008/07/05(土) 07:36:28.00 ID:OL6ZFxko

返事に間がある。
耐え切れず顔を上げた俺を、
口端を上げた、凛々しい、それなのに僅かなはにかみを感じさせる笑みが迎える。

「もちろんだ」

ずきりと胸が痛む。



377 : ◆hAmnyPalgs [sage]:2008/07/05(土) 07:39:13.81 ID:OL6ZFxko

俺はこの人が、こんな人が

壊れたところを知っている、
また、そうならないとも、

俺の表情を見たその人が、不意に背から片手を外し、
俺の首を撫でた。


「オレが怖いか」


締め上げた、あの手だ。
知っている。この人は、覚えている、思い出している?



381 : ◆hAmnyPalgs [sage]:2008/07/05(土) 07:52:50.51 ID:OL6ZFxko


表情を変えないまま、
俺の首を、ゆっくりと、何度も大きな手のひらが撫でている。

「ピッコロさん」

答えないその人の背に廻した腕に、力を籠めた。

「俺は、あなたを、一度壊したことが、あるそうっす」
「ああ」
「そして、また」
「ああ」
「それでも」



385 : ◆hAmnyPalgs [sage]:2008/07/05(土) 08:00:25.84 ID:OL6ZFxko
「…それでも、オレはお前が、」

その人が少しだけ困ったように、言葉を切って、
それから俺の首に触れていた手が持ち上がり、あごを取る。
上向かされて、ふ、と、触れるだけの口付けが落ちた。



「ナメック星人は、学習する」
「人間は、」
「人間も、」
「学習する、ものなのだろう」
「成長を、するのだろう」


388 ◆hAmnyPalgs [sage] Date:2008/07/05(土) 08:06:17.00 ID:OL6ZFxko
「お前は、オレが怖いか?」

首を振った。

「お前は、オレを、もう一度」
「……お前にひどいことをしたオレを、もう一度、」

何度も、頷いた。きつく、抱く。

「フ」

もう一度唇が触れた。



390 ◆hAmnyPalgs [sage] Date:2008/07/05(土) 08:09:45.02 ID:OL6ZFxko Be:
ピッコロ「オレとお前は、あまりに違う」
ピッコロ「育ってきた環境も、性格も、種族すら」
ピッコロ「最初から、うまく行く方が、……おかしい」


ピッコロ「もう一度、2人で、学んで行こう」
俺「……ピッコロさん」
ピッコロ「オレは……お前に教えてもらった。……愛を」
俺「……」
ピッコロ「今度は、2人で」


ピッコロ「うなずいて、くれるか?」













392 ◆hAmnyPalgs [sage] Date:2008/07/05(土) 08:11:49.78 ID:OL6ZFxko


それが、俺とピッコロさんの間で交わされた、
二度目のプロポーズだった。













393 ◆hAmnyPalgs [sage] Date:2008/07/05(土) 08:14:59.64 ID:OL6ZFxko

ブルマ「忘却は人を救うわ」
ブルマ「だけど、皆が皆、そんなに弱いわけじゃない」
悟飯「はい」
ブルマ「最初から再ダウンロードが可能な設計にしていたのは」
ブルマ「『忘れたい過去』を、乗り越えることが出来る」
ブルマ「『忘れたい過去』が、その人にとって脅威ではなくなる」
ブルマ「そんな風に、その人が、もしくはその人の周囲が変化した時のため」
悟飯「解ってますよ、ブルマさん」
悟飯「だからぼくは」
ブルマ「ピッコロを、説得してくれたのね」
悟飯「説得なんかじゃない、あれは」
悟飯「ただの思い出話ですよ」
ブルマ「ふふ」
悟飯「ふふ」

ブルマ「あの子と、あいつは」
悟飯「そんなに弱くありませんよ」


398 ◆hAmnyPalgs [sage] Date:2008/07/05(土) 08:23:08.77 ID:OL6ZFxko
悟飯「そろそろですか」
ブルマ「そろそろね。悟飯君も付き合ってくれるのよね」
悟飯「ええ。あの人の記憶が戻ったら、」
悟飯「とりあえず今まで言えなかった分チクリとやってやります」
ブルマ「あはは、ほどほどにね」
悟飯「ふふ」
ブルマ「ふふ」

ベジータ「おい、あいつらが来たぞ」

ブルマ「ほうら、来たわ。行こっか、」
悟飯「行きましょう」

ベジータ「ふんッ、俺様はあいつらがどうなろうが構わんが」
ベジータ「い、一応、見守っていてやる」




399 ◆hAmnyPalgs [sage] Date:2008/07/05(土) 08:23:50.69 ID:OL6ZFxko

ピッコロ「>>1」

ピッコロ「……おかえり、だな」



                      おしまい



06 : 13 : 03 | ヤンデレの俺に死ぬほど愛されて眠れないピッコロさん | page top↑
| ホーム |

プロフィール

Author:picoma
VIPに投稿された「ピッコロと俺の結婚生活」から派生したお話のまとめサイトです。
簡単な解説はカテゴリの説明にて。

お話を連続して読むためだけの目的で作成していますので、途中のレスなどは省かれています。
現行スレへのリンクは、混乱を避けるためしておりません。コメント・トラバも受け付けておりません。ご了承下さい。
リンクは基本辞退させていただきます。

過去ログはカテゴリの一番上からご覧になれます。

ご用のある方はメールフォームをご利用ください。

最新記事

月別アーカイブ

カレンダー

10 | 2009/11 | 12
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 - - - - -

カテゴリ

リンク

検索フォーム