「監禁」 Vol.2

精神的にキツイ描写があるかもしれません。
個人の責任でお読みください。


前スレ:「監禁」 Vol.1

144 : ◆hAmnyPalgs [sage]:2008/07/05(土) 03:26:14.34 ID:OL6ZFxko



いち、いち、と。
俺を呼ぶ声が少しずつ眠りを侵蝕して行く。
今、いい夢を見ているんだ、もうすこし、


いち、いち。


146 : ◆hAmnyPalgs [sage]:2008/07/05(土) 03:29:02.19 ID:OL6ZFxko

目を開けようとして、開かなかった。
びくんと引き攣った瞼に反応したように、声が大きくなる。

いち。いち。








149 : ◆hAmnyPalgs [sage]:2008/07/05(土) 03:32:02.36 ID:OL6ZFxko

その声は俺が、夢の中で聞いていた、声では、なかった。









152 : ◆hAmnyPalgs [sage]:2008/07/05(土) 03:33:49.49 ID:OL6ZFxko

キョウコ「>>1!」
俺「……」
キョウコ「解る?>>1」
看護士「揺らさないでください、今先生を呼んできますから」
キョウコ「は、はい、ごめんなさい」

キョウコ「>>1、解る?私が、解る?」

俺「……うん」
キョウコ「良かった……!!」



155 : ◆hAmnyPalgs [sage]:2008/07/05(土) 03:38:10.26 ID:OL6ZFxko

随分前に別れた人だった。
きちんとメイクされた目許が涙でぐちゃぐちゃになる。

>>1が事件に巻き込まれて、意識がないって聞いて、
もう心配でいてもたってもいられなくて、
夢中で家を出てきたと震える声で話すその人。

無我夢中で家を飛び出す前にもこの人はこんなにがっちり顔を塗るんだなあ、って、
楽しい気分になった。


「彼氏は」

聞くまでもないけど。
言葉に詰まったその人が、何か言う前に、お医者さんたちが入って来た。

「私、外で待ってるから」

溜息が漏れた。

「良いから、帰りなよ」



157 : ◆hAmnyPalgs [sage]:2008/07/05(土) 03:40:26.70 ID:OL6ZFxko

自分に、好意を持つ相手を、邪険に出来ないその人が好きだった。
愛されたがるその人が好きだった、
忘れられなかった、その人が、今はただ面倒だった。

もう一度その人に優しくされたら、きっと俺はすぐにまた深みにはまるだろうって、
思ってたのに。



色々な検査をして、ぼんやり検査や治療をしてもらっているうちに、
退院の日が来る。



160 : ◆hAmnyPalgs [sage]:2008/07/05(土) 03:44:15.88 ID:OL6ZFxko
キョウコ「>>1、」
俺「え、どしたん」
キョウコ「どした、って、……退院でしょ?何か手伝うこと、ないかなって」
俺「そっか、ありがと。でもないよ、だいじょぶ」
キョウコ「あの、」
俺「ん?」
キョウコ「付き合ってる人は……来てないの?」
俺「いねーもん」
キョウコ「あ、そう、ごめん」
俺「はは」

キョウコ「あのさ、」
俺「彼氏と仲良くな」



164 : ◆hAmnyPalgs [sage]:2008/07/05(土) 03:48:20.14 ID:OL6ZFxko
ブルマさんが運転してくれる車に乗り込んだ。
キョウコが、何か言いたげに近づいて来る。

「あのね、私、今回のことで思ったんだけど」

無視してドアを閉めようかなあなんてちょっと思ったけど、
ブルマさんが気にしそうだったから、
ドアを少し開けたまま言葉を待つ。

「ん?」



165 : ◆hAmnyPalgs [sage]:2008/07/05(土) 03:51:21.48 ID:OL6ZFxko
キョウコ「>>1はね、誰かに見ててもらわないと、あぶないよ」
俺「へ?」
キョウコ「だってストーカーとか、だったんでしょ?」
俺「らしいな」
キョウコ「通り魔とかじゃないんだよ?>>1が狙われたんだよ?」
キョウコ「死んじゃうかも、知れなかったんだよ…?」
俺「いやー助かって良かったわあ」
キョウコ「もうっ!まじめに、聞いて」
キョウコ「そうやってすぐ茶化して誤魔化すのは>>1の悪いとこだよ」
俺「さーせん」

キョウコ「それでね、思ったんだけど」
俺「ん?」
キョウコ「これからもさ、時々、会わない?」
俺「なんで?」
キョウコ「だって、心配なんだよ……」
俺「え?いや、そりゃありがたいけど」
キョウコ「>>1とさ、ああいうことになっちゃったけど、全然会えないと」
キョウコ「やっぱり私も、寂しいよ」
俺「はあ」


167 : ◆hAmnyPalgs [sage]:2008/07/05(土) 03:53:05.34 ID:OL6ZFxko
俺「……」
俺「あ、でも俺は別に寂しくないし」
キョウコ「そうやって強がってちゃ、どんどん周りから人がいなくなっちゃうよ」
俺「いや強がってるっつーか」
キョウコ「変な意味じゃ、なくて。私はただ>>1が心配なんだよ」
俺「いやいやいやwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
俺「キョウコさんのステキな彼氏が掻っ攫われないかだけ心配しててくださいwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
キョウコ「だから、茶化さないでってば!」
俺「いや俺キープされとく趣味ないんでwwwwwwwwさーせんwwwwwwwwマジさーせんwwwwwwwwwwwwwwww」


170 : ◆hAmnyPalgs [sage]:2008/07/05(土) 03:55:36.29 ID:OL6ZFxko
>>1、そんな人じゃなかったよ、なんて言われて、
謝った。
更に何か言われそうだったので慌てて俺はドアを閉めた。

「もういいの?」
「あ、お願いしゃっす」

キョウコを二度とは見なかった。
俺はずっとそんな人なんだけどな。
ただ、キョウコのことを、もう、
俺は全然好きじゃなくなっただけなんだけどな。

ずーっと好きだったはずなのに、
どうしてだろ。
あんなこと言われたら俺すぐに飛びついたと思うんだけどな。

首を傾げる俺を、ブルマさんがミラー越しにちらりと見た。



177 : ◆hAmnyPalgs [sage]:2008/07/05(土) 04:00:44.50 ID:OL6ZFxko
「あの子、いいの?」
「あ、はい」
「知り合い?」
「あー、はい」

知り合い、だなあ。今はそれ以上でもそれ以下でもない。
『自分のことを好きな男』が好きで、
それを増やすのが好きな、
あの人のことが、好きだった俺は、
もういないんだなあ、と思った。
でもステキな彼氏と末永く幸せによろしくやるといいよ、って、
思う程度にはキライじゃないな。

「…あのさ、>>1君、こんなこと言うとキミを混乱させると思うんだけど」
「はい」


A・事件はある程度握りつぶしたわ☆
B・キミの記憶には欠落している部分があるの
C・キミを監禁していた人物は、あたしの知り合いよ

>>181



193 : ◆hAmnyPalgs [sage]:2008/07/05(土) 04:10:16.33 ID:OL6ZFxko
>>181 B・真相へ

ブルマ「キミの記憶には欠落している部分があるの」
俺「はい?」
ブルマ「あのね、あたしが天才なことは解ってるわよね」
俺「うっすwwwwwwwwwwwwwwwwww」
ブルマ「……あのね、天才なあたしは、ちょっと前にあるマシンを作ったの」
ブルマ「人工的に記憶喪失状態を作り出せるマシンよ」
俺「すげー」
ブルマ「それでね、試運転をすることになったんだけど」
俺「うっす」
ブルマ「キミが名乗り出てくれたの」
俺「まじでー」
ブルマ「あのね、……あのね、」
俺「うっす」
ブルマ「キミには消したい記憶があったの」
俺「まじでー」


194 : ◆hAmnyPalgs [sage]:2008/07/05(土) 04:12:17.74 ID:OL6ZFxko
俺「うっそーん」
ブルマ「ほんとよ」
俺「だって俺っすよwwwwwwwwwwww」
ブルマ「ほんとなの」
俺「えー、俺にそんな、なんか忘れたいほどの何かなんてあるわけがwwwwwwww」
ブルマ「あったの」
ブルマ「キミは忘れてるだけなのよ」
俺「まじでー」
ブルマ「ねえ、ピッコロを」
俺「!」
ブルマ「キミは、知らなかった、わよね」
俺「……」

俺「その人に、関係のある、ことなんすか」
ブルマ「ごめんね」

ブルマ「ごめん」
ブルマ「あたし、こんなことになるなんて、思わなかったの」



200 : ◆hAmnyPalgs [sage]:2008/07/05(土) 04:16:48.43 ID:OL6ZFxko
俺「ちょ、ブルマさん、」
俺「車とめましょ」
ブルマ「うん、……ごめん、少し落ち着くわ」
俺「……」

俺「詳しく聞いてもいいっすか?」
ブルマ「……ちょっと待ってね」


ブルマ「キミは、後悔するかも知れないわ。」
ブルマ「このまま何も思い出さずに暮らしていったほうが良いのかも知れない」
ブルマ「だけど、あたしは、キミが」

ブルマ「キミが……決めるべきだって思った」


A・詳しく聞いてみる
B・とりあえず思い出してみたいっす
C・このまま暮らしていく
D・キョウコwwwwwwwwwwやっぱちょっと好きかもwwwwwwwwwwww


>>205



209 : ◆hAmnyPalgs [sage]:2008/07/05(土) 04:22:36.19 ID:OL6ZFxko
>>205 A・kwsk

俺「俺、ほんと何もわかんなくて」
俺「全然、知らねー人になんでいきなりあんな、」
ブルマ「……うん」
俺「あの人、知らない人じゃないんすか」
ブルマ「……そうね」

俺「詳しく、聞いても良いっすか」

ブルマ「いいのね」
俺「何も解んねーまま、なんて、イヤっす」
ブルマ「そうよね」



210 : ◆hAmnyPalgs [sage]:2008/07/05(土) 04:25:32.38 ID:OL6ZFxko

話している間、ブルマさんは一度もこっちを振り向かなかった。
白いうなじがたまに震えて、
俺はそれを見ていた。


驚きはなかった。


そのことに自分でも、驚いたけど。


「ああ、そうか」


ころりと口から声が漏れる。




214 : ◆hAmnyPalgs [sage]:2008/07/05(土) 04:29:07.68 ID:OL6ZFxko
ブルマさんはこちらを向かない。

「ブルマさん」

なあに、と帰って来た返事が、
可愛いな、と思った。可愛い人だ。
他人のことで泣けるブルマさんが、とても可愛い、と思う。



A・ピッコロさんは、今、どこに?
B・その記憶を…もう一度俺に思い出させることは出来るっすか?
C・話してくれて、ありがとうございます。

>>218



226 : ◆hAmnyPalgs [sage]:2008/07/05(土) 04:36:03.11 ID:OL6ZFxko
>>218 B・思い出したい

俺「その記憶を…もう一度俺に思い出させることは出来るっすか?」
ブルマ「!」
俺「……思い出したい」
ブルマ「……でも、」
俺「無理、っすか」
ブルマ「ううん、簡単に、出来るわ」
俺「あの人は壊れていた」
ブルマ「っ」
俺「愛しすぎて、壊してしまうことが怖くて」
俺「壊れてしまうことが怖くて」
俺「俺は記憶を捨てることにしたのかも知れないけど」
俺「俺に愛されなくてもあの人は壊れてしまった」
ブルマ「…結果的には、そうなってしまったわね」
俺「2人とも忘れるか、」

俺「……愛しすぎるか」


俺「どちらかしかないのなら、俺は、あの人を」



231 : ◆hAmnyPalgs [sage]:2008/07/05(土) 04:39:48.91 ID:OL6ZFxko
ブルマ「>>1……君?」
俺「……あの人が、俺を、呼ぶ声が耳に残っているんすよ」
俺「どうしてか、」
俺「俺は、胸が痛い」
ブルマ「……」

俺「わからない」
俺「これがどうしてか、わからない」

俺「だけど……」


俺「あの人か、俺か、どちらかが」
俺「もしかしたらどちらも」
俺「壊れてしまうなら、それほど愛していたなら」

俺「それも俺は、いいんじゃないかな、って」



232 : ◆hAmnyPalgs [sage]:2008/07/05(土) 04:41:12.60 ID:OL6ZFxko
ブルマ「だめよ」
俺「え、」
ブルマ「そういう気持ちでいるなら、記憶をダウンロードすることは出来ないわ」
俺「……おかしいっすかね」
ブルマ「ううん。」

ブルマ「気持ちは、解るの」

ブルマ「でもね、ピッコロは……あたしのところに、」
ブルマ「やってきたとき」

ブルマ「ただただキミのことだけを思って……」
俺「……」
ブルマ「……」

ブルマ「あたしは、ピッコロもキミも二人とも好きよ」
俺「……」
ブルマ「ねえ、」



233 : ◆hAmnyPalgs [sage]:2008/07/05(土) 04:43:50.75 ID:OL6ZFxko
俺「……?」
ブルマ「ごめんね」
俺「なんす、か」

ブルマ「あたし、キミに、……」
ブルマ「謝らないといけないことが、まだあるの」



A・甘口
B・中辛
C・辛口


>>237




240 : ◆hAmnyPalgs [sage]:2008/07/05(土) 04:47:02.87 ID:OL6ZFxko
>>237 B・中辛

俺「なんす、か?」
ブルマ「…………ピッコロが、泣いて頼むの」
俺「ん?」
ブルマ「自分がラクになりたいからじゃない」
俺「……?」
ブルマ「キミのことだけを思って、頼むのよ」

俺「何を、っすか」

ブルマ「……キミのことを忘れたい、って」


俺「……ッ!!」




249 : ◆hAmnyPalgs [sage]:2008/07/05(土) 04:51:24.89 ID:OL6ZFxko
ブルマ「ごめんね、」
ブルマ「ごめん」
俺「……その人は、今」
ブルマ「……ごめんね」
俺「……」
ブルマ「ごめん。もう、ピッコロは、キミのことを覚えていないわ」
俺「……」

ブルマ「ピッコロは自分のためじゃない、キミのことを思って」
ブルマ「……キミもそうだった」
ブルマ「だから、あたし、」

俺「……そっす、か」


ブルマ「ごめんなさい」
ブルマ「でも、ピッコロは逃げたかったんじゃない」
ブルマ「自分がラクになるためでもない」
ブルマ「その気になればいつでもキミを殺せる自分が」
ブルマ「キミを愛していたら、あんな風に、激しく、愛していたら」

俺「さーせん、いいんすよ、解る。大丈夫っす」

ブルマ「……――ッ、 ごめん」



252 : ◆hAmnyPalgs [sage]:2008/07/05(土) 04:54:58.73 ID:OL6ZFxko
俺「はは、ブルマさんが謝ることなんてないっす」
ブルマ「ううん、あたし…あたしが」
俺「巻き込んでさーせん」
ブルマ「ッ」
俺「そんなに泣かせて、さーせん」
ブルマ「……>>1君ッ……」




ブルマ「……ごめんね、取り乱して」
俺「いえ」
ブルマ「記憶を……」
俺「?」

ブルマ「消す?」
俺「ん、 ?」
ブルマ「今あたしが話したこと」
ブルマ「全部、忘れられるわ」
ブルマ「キミが望めば」
ブルマ「忘れ、る?


A・はい
B・いいえ

>>256



262 : ◆hAmnyPalgs [sage]:2008/07/05(土) 05:04:26.63 ID:OL6ZFxko
>>256 B・いいえ

俺「いや」
ブルマ「……」
俺「忘れない、っす」
ブルマ「いい、の?」
俺「うっす」
ブルマ「……平気なの」
俺「はは」
俺「ブルマさんよりは辛くないっすよ、きっと、俺」
ブルマ「!」
俺「俺の」
俺「……俺たちのことで、色々、さーせんした」
ブルマ「……>>1、君、」
俺「……俺は」


俺「あんな、状況だった、けど」


俺「愛し始めていたのかも知れない」



268 : ◆hAmnyPalgs [sage]:2008/07/05(土) 05:09:00.46 ID:OL6ZFxko
ブルマ「……ピッコロのことを?」
俺「うっす」
俺「おかしいっすね、」
俺「だけど」
ブルマ「……」
俺「妄想に囚われた狂人だと思っていたのに、」
俺「おかしいっすよね」
俺「思い出しちまったのかな?」
ブルマ「……記憶はカンペキに取り除いたはずよ」
俺「うっす。ブルマさんは天才っすもんね、間違いはないはずだ」
ブルマ「……」
俺「……じゃあ、やっぱり、そうだったんだ」
ブルマ「……」
俺「解りづらかった、」
俺「俺の知ってる恋じゃなかったし」

ブルマ「……>>1君」
俺「だけどやっぱり、あれは、そうだったんだと、思うんすよ」


俺「……」
俺「嬉しそうに俺を見るその人が、」
俺「少しでも幸せになってくれるなら、」
俺「いいと思った」



270 : ◆hAmnyPalgs [sage]:2008/07/05(土) 05:11:52.21 ID:OL6ZFxko

壊れておかしくなってしまうくらい俺を愛したその人が、
ラクになれるなら、
かわいそうなその人の苦しみがそれで終わるなら、
もうそれで良いと思った。

そして、最後に、
少しでもその人を幸せにしてやりたいと。
俺を手にかける、その人を。


あれが愛ではなかったのなら、
俺はまるで聖人だ。


俺は聖人じゃない、
じゃあ、あれはきっと。




274 : ◆hAmnyPalgs [sage]:2008/07/05(土) 05:15:39.34 ID:OL6ZFxko
俺「忘れたくない」
ブルマ「…………」
俺「この気持ちを忘れたく、ないっす」
ブルマ「……>>1君」

俺「さーせん、ブルマさん、ありがとう」
俺「ありがとう」

ブルマ「ピッコロ、は」

俺「うん、いいんだ」
俺「いい」

ブルマ「……」

俺「……」



278 : ◆hAmnyPalgs [sage]:2008/07/05(土) 05:18:08.23 ID:OL6ZFxko
俺「俺幸せっすね」
ブルマ「……」
俺「すっげー愛されてたんだ」
ブルマ「……うん」
俺「そんで、すげー愛してたんすね」
ブルマ「うん」

俺「そんで、」


俺「同じ人をもう一度愛せた」



俺「すげー」
俺「幸せじゃないっすか?俺」




282 : ◆hAmnyPalgs [sage]:2008/07/05(土) 05:23:50.08 ID:OL6ZFxko

ブルマさんはまたひとしきり泣いて、
それから何度も俺に謝って、
俺は何度も「ありがとう」と。




俺と、俺が愛した人、
2人の部屋だった、らしい、
俺の部屋に1人で入る。

荷物を置いて見渡した。
思い出せないけど、
ここであの人は暮らしていたんだ。



283 : ◆hAmnyPalgs [sage]:2008/07/05(土) 05:25:44.18 ID:OL6ZFxko

俺は普通の生活に、戻った。
寝て、起きて、仕事をして、少し遊んで。
寝て、

寝ては、


幸せな夢を見た。



284 : ◆hAmnyPalgs [sage]:2008/07/05(土) 05:27:25.07 ID:OL6ZFxko

「起きたか、>>1」

「愛している、>>1」

「お前が、好きだ……」



289 : ◆hAmnyPalgs [sage]:2008/07/05(土) 05:31:35.66 ID:OL6ZFxko

泣きはしなかった。

夢を見て、目覚めた俺の耳に残るその声は、
俺を幸せにした。

俺は愛されていた。


そうして、幾日も過ごしていった。



292 : ◆hAmnyPalgs [sage]:2008/07/05(土) 05:41:36.67 ID:OL6ZFxko
会いたいと望めば叶ったのかも知れない。

会いたいという気持ちが無いと言えば、ウソになる。

だが、俺は、会おうとはしなかった。
ブルマさんに会いたいと言えば会わせてくれたのかも知れない、
けど、




294 : ◆hAmnyPalgs [sage]:2008/07/05(土) 05:45:47.31 ID:OL6ZFxko

悟飯「それでいいんですか」
俺「んー」
悟飯「いや」
悟飯「ぼくは……」
悟飯「……あなたとピッコロさんの仲に、諸手を上げて賛成していたわけじゃない」
俺「はは、らしいすねー」
悟飯「だけど、やっぱり、ピッコロさんは、違う」
俺「何が?」
悟飯「あなたのことをすっかり忘れたあの人は」
悟飯「昔のあの人のようで、」
悟飯「やっぱり、違う」
俺「そっか」
悟飯「……記憶にあなたがいなくても、」
悟飯「……」

悟飯「あなたたちは確かに愛し合っていた」
俺「はは」
悟飯「いいんですか」
俺「いいんじゃないの」
悟飯「いいんですか」



296 : ◆hAmnyPalgs [sage]:2008/07/05(土) 05:50:10.76 ID:OL6ZFxko
悟飯「ほんとうに、いいんですか」
俺「……」
悟飯「どうしたらいいかなんてぼくには、解らない、だけど」
悟飯「だけどあなたはそれで」
俺「あの人元気?」
悟飯「……」
悟飯「ええ」
俺「じゃあ、いいよ、いいんじゃないかな」

俺「……そうだな、」
俺「ひとつ、願いがあるとしたら」
悟飯「!」
俺「やっぱり、記憶が、欲しい」
悟飯「……え、」
俺「あの人と、俺が、どんな風に暮らしていたか」
俺「……思い出したいっすね」
悟飯「>>1さん」
俺「……今なら、ブルマさん、記憶返してくれるかな」
悟飯「……>>1さん」


297 : ◆hAmnyPalgs [sage]:2008/07/05(土) 05:51:43.22 ID:OL6ZFxko
悟飯「ウソツキ、」
俺「ん?」
悟飯「……ウソツキじゃないならあなたは意地っ張りだ」
俺「はは」
悟飯「あの人が、欲しいんでしょうが……ッ」
俺「……」
悟飯「なんでそんな風に、笑うんですか!」


298 : ◆hAmnyPalgs [sage]:2008/07/05(土) 05:56:49.71 ID:OL6ZFxko
俺「うーん」
悟飯「欲しいんだろ、」
悟飯「あの人が好きなんだろ、」
悟飯「なのになんでッ…」
俺「んー、あのさ」

俺「手に取ったら壊れちまうって解ってるもんに」
俺「悟飯さんなら、手を伸ばすっすか?」
悟飯「……!」
俺「もう壊れちまってるなら」
俺「一緒に壊れても良いと、思う、だけど」
悟飯「……」
俺「元気、なんしょ」
悟飯「……>>1さん」
俺「よかった」
俺「うれしい」
俺「俺は、幸せっすよ」


俺「俺wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
俺「なんか似合わねーこと言ってるwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
俺「笑ってwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwお願いwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
俺「笑ってってばwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」


304 : ◆hAmnyPalgs [sage]:2008/07/05(土) 06:00:22.29 ID:OL6ZFxko
ここから


A・甘口
B・中辛
C・辛口
D・激辛


310 : ◆hAmnyPalgs [sage]:2008/07/05(土) 06:09:06.05 ID:OL6ZFxko
>>308 A・多少ご都合主義でもさ

俺「俺は、それが」
俺「手を伸ばしたらきっと、壊れちまうそれが、」
俺「そのまま、いてくれたらいい」
俺「壊れないでいてくれたら、いい」
俺「元気なら、いい」

俺「他の誰かが」
俺「それを、壊さずにそっと抱き締めることが出来る誰かが
俺「それに手を伸ばしてくれたら、それでも、いい」


俺「なあ、俺変すか?」
悟飯「……」
俺「それが、」
俺「その人が、」
俺「幸せだったら、いいよ」
俺「はい笑ってってばwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」



313 : ◆hAmnyPalgs [sage]:2008/07/05(土) 06:11:15.11 ID:OL6ZFxko

俺は幸せだった。
寝て、起きて、仕事をして、少し遊んで、

その人のことを思った。
愛していた、

恋がエゴイスティックなものだということはなんとなく解るけど、
愛もそうなんだなあ、と思う。

1人で成り立つから。

ただ俺は愛していて、
会うことのないその人を愛していて、
それで良かった。




続く・・・。
次スレ:「監禁」 Vol.3



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Author:picoma
VIPに投稿された「ピッコロと俺の結婚生活」から派生したお話のまとめサイトです。
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お話を連続して読むためだけの目的で作成していますので、途中のレスなどは省かれています。
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