「監禁」 Vol.1

精神的にキツイ描写があるかもしれません。
個人の責任でお読みください。


12 : ◆hAmnyPalgs [sage]:2008/07/05(土) 00:44:38.85 ID:OL6ZFxko
A・どらメモ色々攻略
B・七年後日常
C・マジュニアものと餃子ものをちょっとずつ
D・>>1がピッコロさんに監禁されましたが如何しましょう
E・今週、妻が浮気します

A
B
C-
D-----
E-


28 : ◆hAmnyPalgs [sage]:2008/07/05(土) 01:01:19.59 ID:OL6ZFxko
A・七年後ピッコロさんが思い余って俺を監禁(甘い、切ない?)
B・ピッコロさんのことを忘れた俺を監禁(殺伐)
C・現代ピッコロさんがわがまま言って出社させてくれません(甘エロ)
D・まだ乗り越えてない頃の俺らで監禁(多分暗い)

A-
B----
C-
D--



(管理人注:129のトラウマ・もしものお話の設定を引き継いでいます。)


58 : ◆hAmnyPalgs [sage]:2008/07/05(土) 01:19:41.49 ID:OL6ZFxko
痛い、と思った。

痛みが少しずつ眠りを侵蝕して行き、
俺は目を開けた。
部屋は薄暗く、
厚いカーテンの掛けられた窓の向こうから薄っすらと夕焼けらしい気配の光。

「……あ」

喉が痛かった。
カラオケに13時間篭った時のような焼け付く痛み、
ああ、
そうだ、

俺は叫んだんだ、ずっと、キチガイのように。



59 : ◆hAmnyPalgs [sage]:2008/07/05(土) 01:24:13.55 ID:OL6ZFxko
天井に張り付いたうすっぺらい灯りは切れたまま。
ゆっくりと視線を廻らせた俺は、絶望を感じた。

そこに、そいつが、居たから。

俺が横たわったベッドから少し離れた、宙に、
胡坐をかいたような形で浮かぶ、異形の。

「起きたか、>>1」

そいつは、じっと俺を見ていた。
きっと俺が眠っている間も、ずっとそうして、俺を見ていたのだろう。
背筋が冷えた。

「喉が渇いたか?何か欲しいか?」

優しい声だった、
甘ったるいと言ってもいいのかも知れない、
まるで恋人に投げ掛けるような、うっとりとした。

そいつは笑った、緑の顔が笑顔を作る。
気持ちが悪い、と
俺は鳥肌が立つ。


62 : ◆hAmnyPalgs [sage]:2008/07/05(土) 01:27:51.04 ID:OL6ZFxko
身を起こそうとして、手首が酷く痛んだ。

「うッ、」
「動いては駄目だ、>>1。オレがなんでもしてやるから、じっとしていろ」

ベッドのワクに引っ掛けられた手錠に、俺の手首は拘束されている。
擦れて、痛んだ。
指先はもう感覚がないのに、手首だけは熱く痛い。

「>>1」

俺の名前を、幸せそうに呼ぶそいつが、
音も無く床に足を下ろし、近づいて来る。

「来るな」

俺の声は怯え切っていて、掠れる。



68 : ◆hAmnyPalgs [sage]:2008/07/05(土) 01:36:16.61 ID:OL6ZFxko
「>>1、……どうしたと言うんだ」

穏やかな表情、やけにつるりとした顔が俺の顔を覗き込む。
体が、俺の意思とは関係なくブルッと震えた。
こええ。こいつが、こええ。
笑みめいた表情のまま俺を見詰めるそいつの目は、
笑顔に囲まれたそいつの目は、
妙にぼやけていて俺を見ているようで見ていないようで、

でも、突き刺さったと感じるほどに俺を見ていた。

「さわるな」

俺の声はひっくり返っちまってるみてーな、
ほんっと情けねー、大の大人が、こんな、
がくがく震えて。

「何を言っているんだ、>>1」

そいつの表情は変わらない。
しんと澄んだ、顔。

「オレ達は夫婦じゃないか……」

大きな手のひら、
鋭い、俺の皮膚なんてたやすく切り裂いてしまいそうな
凶悪な爪を備えた、四本しかない指が、
俺の頬をゆったりと撫でる。



69 : ◆hAmnyPalgs [sage]:2008/07/05(土) 01:41:51.12 ID:OL6ZFxko
「ちがう」

俺はあんたなんて知らない、知らない、
こいつは狂人だ。俺の嫁だって思い込んじまってる、狂ってる。

「愛している、>>1」

はにかむように目を細めて、囁かれる。
怖気が走る、気色が悪い。止めてくれ、

「お前が、好きだ……」

ふわ、と緑の肌に透けるような紫が滲む。
幸せそうな顔。恥ずかしそうに視線を逸らしながら、

「ひッ!」

鋭い爪が、俺の頬を切り裂いた。
熱い。
血が零れる感触に続いてやっと痛みが襲ってくる。

「い゛…!!」



70 : ◆hAmnyPalgs [sage]:2008/07/05(土) 01:43:20.67 ID:OL6ZFxko
痛い、
痛い、

手首も痛い、喉も痛い、おかしな突っ張り方をし続けたせいで足も痛い、
頬にも痛みが生まれる。

怖かった。
目の前のこいつはきっと愛してると言いながら俺を殺せる。



75 : ◆hAmnyPalgs [sage]:2008/07/05(土) 01:47:28.54 ID:OL6ZFxko
「ああ、>>1、どうしたんだ」

痛みに涙が滲む、いや、痛いせいじゃない、
怖かった、本当に。
どうしてこんな目に合ってんのかわかんねえ、
昨日までは普通に、普通に暮らしていたんだ、俺は。

「血が出ているじゃないか……どうした」

心底心配そうな顔で俺を見るそいつが、
怖くて、怖い。

「誰にされたんだ……ひどいな、」
「うぁ゛ッ」

お前だ、と言えなかった。
血の溢れる傷口を、そいつが指で撫で回す。
痛かった、傷口が開かれる、
足がビクッと跳ねた。

「言ってみろ、>>1」
「お前を傷つけるようなやからは、オレが消してやろう」



78 : ◆hAmnyPalgs [sage]:2008/07/05(土) 01:57:10.37 ID:OL6ZFxko

暗い部屋にピチャピチャと濡れた音が響く。
ひぃ゛、だの、あ゛ー、だの、潰れた俺の呻きや悲鳴も。
これは夢じゃないんだろうか、
本当は俺はあの過ごし慣れた部屋でいつも通りに寝ていて、
起きたら平常な毎日で、
そんで会社に行って、上司と揉めて、後輩と飯でも食って、

「>>1……」

赤い血がこびり付いたそいつの唇が俺の名を紡ぐ。
頬を弄っていたねろねろとした触手は離れても、
なおじぐじぐ、ぶずぶずと頬が痛い。
きっと傷が残る。

「もう痛くないか?大丈夫か?」
「――!」

ぴつ、
俺の血が、顔を上げたそいつの唇から、俺の口に落ちて来た。



89 : ◆hAmnyPalgs [sage]:2008/07/05(土) 02:08:32.20 ID:OL6ZFxko

さら、しゅる、
体を起こしたそいつが服を脱ぎ出す。
曝け出されていた腕にあったような、
気味の悪い模様がそいつの体中にあった。
桃色の蛇腹のような部分を囲む赤い筋。

「>>1、見てくれ」

拭いもせず濡れたままの口元で、そいつは笑う。

「オレはうつくしいだろう?」
「お前は、オレの体の、どこもかしこも愛してくれたな」

俺の枕元に立つ全裸のその体を、
うつくしい、だなんて、俺は思えない、
ただただ気色が悪かった。怖い。

「見てくれ、」

はにかむような表情も何もかもが怖かった。



91 : ◆hAmnyPalgs [sage]:2008/07/05(土) 02:14:08.82 ID:OL6ZFxko
「どうして目を逸らすんだ……」

悲しそうな声と共に、
背けた目の前へ、どしん、と衝撃が走る。
揺れる俺の体。

足首が視界に映る。

「お前はいつだって、オレを脱がせたがったじゃないか」

知らねー、思い込みだ、妄想だ、
なんで俺がこんな目に合わねーといけないっつーんだ、
俺は善人じゃねーかも知れんけど、
こんな目に合うほどわりーことはしてないはずだ。

ぎゅ、と目を瞑った。涙が溢れた。

「……オレを見ないお前の目なんていらないな?」



97 : ◆hAmnyPalgs [sage]:2008/07/05(土) 02:20:01.01 ID:OL6ZFxko
こいつは、本気で、そう言っている。
恐怖に体が冷たくなる。
手首と、のどと、頬だけが酷く熱くて、

「こちらを向け……お前の目を」

だめだ、気が、おかしい。こいつは、おかしい。
静かな、優しい、穏やかな声と共に、
傷ついて熱を持つ俺の頬が撫でられた。

「あ゛」

涙が溢れる。
怖い、怖い、こいつが怖い。

瞼が貼りついたように開かない、
抉じ開けた、必死だった。
ぎょろりと眼球を動かしてそいつを見上げる、



98 : ◆hAmnyPalgs [sage]:2008/07/05(土) 02:20:30.58 ID:OL6ZFxko



笑っていた。



102 : ◆hAmnyPalgs [sage]:2008/07/05(土) 02:23:35.15 ID:OL6ZFxko
視線が合う、
視線が合っているのに俺を見ていないような、
それでも、そいつは恐ろしいほどに俺だけを見ていた。

「>>1」
「オレが、見たいか?もっと、オレが」



A・見たい
B・見たくない
C・何も答えない


109 : ◆hAmnyPalgs [sage]:2008/07/05(土) 02:31:53.95 ID:OL6ZFxko
>>106 A・はい

答えようとして、声が出ない。
ただ涙ばかりが出る、

何度も何度も頷いた。
がくがく、みっともなく震えながら。

暫く俺を見つめたそいつが、漸く、うなずいた。

「そうだろう……?もっと、見てくれ」

ベッドが僅かに軋んで、そいつが俺の顔をまたぐように立った。
目の前に曝け出された桃色の下腹部、
股間には何もない、つるりとしていた。

「お前は、ここが、大好きだった…ろう?」

夢見るような口調でそいつが、
俺の血がこびり付いた指先で、そこに触れた。



111 : ◆hAmnyPalgs [sage]:2008/07/05(土) 02:35:11.25 ID:OL6ZFxko

「あ……、 ぁあ あ、 >>1」

乾きかけていた俺の血がねちり、とそこに伸ばされる。
止めてくれ、俺の名前を呼ぶんじゃねえ、
気持ちが悪かった、怖かった。

何も無い下肢に這う汚れた指、
だが目を逸らせはしない、
そいつを見ていなければ、きっと俺の目を処分しようとするんだろう、
壊れている、きちがいだ、

「い、ち…ぁッ  あ、  ふぁ、」

ぶるぶると長い足が震えて、ゆっくりとそいつは膝をついた。



116 : ◆hAmnyPalgs [sage]:2008/07/05(土) 02:47:50.26 ID:OL6ZFxko

その日は、ふっくらとした股間に塗り伸ばされた俺の血を舐めさせられた。

三日目は、一日目のように俺のざーめんを執拗に欲しがり、
俺が水だけで生き延びられないと思い出したかのように果物を与えて来た。
良く噛まれた果肉が口移しに注ぎ込まれ、
気色が悪かったが、俺は死にたくなかった。

四日目は、俺の手首を一日中舐めていた。幸せそうに。

五日目は、ざーめんを飲みたがって、出せなかった俺を泣きながら責め、
突然スイッチが切り替わったかのように自分を責め、
シーツが紫に濡れた。

六日目は、部屋の隅でじっとしていた。

七日目は、




128 : ◆hAmnyPalgs [sage]:2008/07/05(土) 02:57:39.57 ID:OL6ZFxko


いち、と、部屋の隅から声がした。
ぼんやりと視線を向ける。

「しんでくれないか」
「いっしょに」

小さくて、低い、かすれた声だったのに、
何故かきちんと耳に届く。
そしてその言葉は、すとん、と俺の胸に入る。

ああ、もう、それでいいかも知れない、と。

俺はどこか麻痺が始まっていた、自分でも解ってた、
だけどもう面倒だった、
それで終われるならもうそれでいい。



130 : ◆hAmnyPalgs [sage]:2008/07/05(土) 03:03:36.25 ID:OL6ZFxko

ゆらりと長身が立ち上がった。
近づいて来る。

笑っていても、悲しんでいても、怒っていても、
どこか虚無を感じさせる表情だったその顔が、
今は少し体温を感じさせた。
安堵している、そんな顔だった。

「やっと おわれる」

俺の体に覆い被さって、そいつが呟く。
初めて同じ気持ちになってるな、って、
こんなときなのに俺は少し笑いたい気持ちになった。



131 : ◆hAmnyPalgs [sage]:2008/07/05(土) 03:04:50.65 ID:OL6ZFxko
抱き締められた。
手首が痛い、背中が痛い、体中が痛い、

だけど笑えてくる。
やっと、おわれる。



134 : ◆hAmnyPalgs [sage]:2008/07/05(土) 03:08:26.91 ID:OL6ZFxko
こいつは、何て名乗ってたっけ。


ああ、そうだ、


「ピッコロさん」




135 : ◆hAmnyPalgs [sage]:2008/07/05(土) 03:11:35.23 ID:OL6ZFxko

俺の首を片手で掴んだその人が、
こくり、と首を傾げる。
それから、何か思い出したようにうれしそうな表情が滲み出て来た。

「いち」

掴もうとしたらふしゅうと無くなってしまいそうな、
ほころんだ声だった。



136 : ◆hAmnyPalgs [sage]:2008/07/05(土) 03:13:47.01 ID:OL6ZFxko
ゆるり、

ゆるり、と、

指に力が籠められてくる。


幸せそうな目付きでじっと俺を見つめるその人。
かわいそうだ、と、思った。

俺なんかに執着しなければ、良かったのに。
自分を愛してくれる人に、しがみつけば良かったのに。

俺を選んだせいで、

かわいそうな、人だ。



137 : ◆hAmnyPalgs [sage]:2008/07/05(土) 03:16:59.93 ID:OL6ZFxko
これで終わりなら、
ようやっと、終われるのなら、

最後に少しくらい、あなたも幸せになっていい、と思った。


くるしい、


どうせ終わるのなら、

せめて、

少しくらい、あなたが、



言葉を、紡ごうとした、唇を動かそうとした。


そこで、俺の意識は途切れる。






続く・・・。
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