843 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/06/26(木) 01:46:51.28 ID:dXL51IDO
空が、少しずつ深く暗い群青に染まってくる
また、心寂しい夜が始まってしまう
679「神様?」
デンデ「…え?あ、はい、なんですか?」
時間と空の色ばかり気にして、ぼくはすっかり上の空でした
679さんに呼ばれ、ハッと我に戻りました
679「神様は、最近この時間帯になるといつも何かを悩んでいます」
デンデ「えー…そうですか?」
679「はい、何が神様を悩ませているのですか?」
デンデ「いえ…大丈夫です」
679「?」
ふと、見上げた空はさっきよりもまた深く暗い色になっていて、空には月が浮かんでいました
あぁ…
今日も、夜が来てしまいました…
679「…」
デンデ「…」
679「神様」
デンデ「!な、なんですか!?」
不意に、ぼくの頭を撫でる優しい手
機械だとは思えない、温もりを持つ手のひら
679「…神様は、寂しそうな顔をしていました」
679「そんな顔をされては、私も寂しい」
デンデ「…」
679「神様を、寂しい目に遭わせるのは何ですか?誰ですか?」
844 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/06/26(木) 02:00:31.13 ID:dXL51IDO
デンデ「…大丈夫…ですよ」
679「そうですか?」
寂しい思いをぼくにさせているのが、誰なのか、何なのかなんていえるわけがありません
いえるわけが、ありません
679「では神様、私はそろそろ下界に…」
デンデ「…」
679「…神…様?」
デンデ「え?あ、えっと、なんですか?」
679「神様、どうかしましたか?」
デンデ「いいえ、何も?…」
679「…」
デンデ「えへへ…」
679「手を…」
デンデ「手?」
679「離してもらえますか?」
手?
一瞬、ぼくは何を言われているのか理解できませんでした
しかし、視線を少し落とせば、それは容易に理解することができました
ぼくが、ぼくの手が679さんの上着の裾をしっかりと握りしめていました。
まったく無意識のうちに
679「…」
デンデ「あ、えっと、あの、ちが…違うんです!」
自分でもよくわからない言い訳です
何が違うというのでしょうか
846 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/06/26(木) 02:13:48.07 ID:dXL51IDO
679「手、離していただけますか?」
デンデ「…」
離したくない
不思議なほどその思いが止まりませんでした
離したら、また、この人は下界に消えてしまう
そしたら、また明日まで会えない
普段通りの当たり前のことなのに、なぜだか今日はそれが我慢できなくて…
手を、離す気にはなれませんでした
デンデ「…」
679「神様?」
デンデ「離さないと…困りますか?」
679「いえ、特には」
デンデ「…」
679「ジャケットを脱げば問題ない話です」
デンデ「!」
ぼくはあわてて、その上着の裾から手を離し
さっきまでぼくを撫でてくれていた、手を握りました
…たぶん、無意識の判断だったと思います
679「神様、意図が分かりません」
デンデ「…ぼくもわかりません」
679「…」
呆れられているのでしょうか
679さんの言葉がありません
少しだけ、ちろりと目だけを動かして679さんの表情を確認してみる
その顔は、普段通り無表情ではありましたが
確かに、困惑の色が見えていました
849 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/06/26(木) 02:27:30.16 ID:dXL51IDO
679「…」
デンデ「…」
679「…」
デンデ「…もう少し…一緒にいたいです」
我ながら、聞こえるか聞こえないかわからないぐらいちいさな
蚊の鳴くような声だったと思います
しかし、握った手が優しく握り返され
あわてて顔を上げると、679さんがやっぱり無表情のままぼくを見ていました
679「承知しました」
デンデ「…いいんですか?」
679「問題ありません」
デンデ「…」
言ってみるものですね
まさか許るされると思っていなかったのに
デンデ「えへへ…ありがとうございます」
679「いえいえ」
ぼくは執務室に戻り、報告書をまとめます
その間、679さんはずっと傍にいてくれました
853 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/06/26(木) 02:45:38.51 ID:dXL51IDO
どれほど時間が経ったでしょうか
執務室のドアがぱたりと開きました
ポポ「かみさま もうおそい」
デンデ「ああ、ポポさん…もう少しで終わりますから、大丈夫です」
679「…」
ポポ「おまえ まだいたのか」
679「はい、神様の希望で」
デンデ「えへへ…」
ポポ「?」
ポポさんが、少し不思議そうな顔をしていました
あんなワガママ、理解されなくて当たり前と言えば当たり前ですが…
それからもうしばらく
報告書をまとめ終わって、時計を確認した頃には、もう深夜でした
デンデ「もうこんな時間ですか…」
なんだか眠気で瞼が重くて、それを晴らそうと瞼をこする
欠伸をかみころす
679「眠いのなら、休まれた方がよろしいかと思われます」
デンデ「でも…」
679「神様のお仕事は終了しました、休まれない理由は何ですか?」
デンデ「…」
今眠ったら、679さんが帰ってしまう…なんて言えるわけありません
それでなくても、今日はもう無理を言っているんですから
856 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/06/26(木) 03:02:47.33 ID:dXL51IDO
679「どんな理由があろうと、無理はよくありません」
デンデ「…」
679「神様」
デンデ「うひゃあっ」
また、ぼくの身体は軽々と抱き上げられてしまう
もうこうなっては抵抗のすべはありません
679「…」
デンデ「…わかりました、休みますよぅ」
679さんがぼくを抱き抱えたまま、寝室へと歩みを進める
…けど
何回されても、この抱き上げ方には慣れれません
えっと…
お姫様だっこ…というヤツでしょうか
なんだか途方もなく恥ずかしいです
デンデ「…」
679「神様、どうかしましたか?」
デンデ「いえ、何でですか?」
679「顔が赤いです…いえ、正しくありませんでした。真っ紫です」
デンデ「…は、恥ずかしいんです」
679「なにがですか?」
デンデ「えっと…この、抱き上げ方」
少しだけ、679さんが不思議そうな顔をした気がしました
気のせいかもしれませんが…
859 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/06/26(木) 03:18:24.54 ID:dXL51IDO
679「私は気にしません」
デンデ「いえ…あの」
そうこうしている間に、ぼくはそのまま寝室に運ばれ
ベッドの上に降ろされました
679「それでは」
デンデ「や…待ってください」
立ち去ろうとする679さんの手を掴む
もちろん、今度は無意識のことではありません
きちんと自覚しています
679「何か?」
デンデ「えっと…帰っちゃうんですか?」
679「はい」
デンデ「……」
679「神様は、私が今晩下界へ帰らないことを、望んでいるのですか?」
デンデ「…」
間違いありません
ぼくは、うなづきました
正確には『帰らないことを望んでいる』わけではなく、ただ傍にいたいだけですが
679「神様がそう望むなら、喜んで」
デンデ「!!」
なんだかその言葉が嬉しくて嬉しくて、ぼくは思わず679さんに抱きつきました
どうという事はありません
ただ嬉しかったんです
862 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/06/26(木) 03:30:14.59 ID:dXL51IDO
デンデ「679さん…」
679「神様」
デンデ「…」
デンデ「いいえ、デンデです」
もう、こんなにわがまま言っちゃったんです
一晩くらい、ワガママを突き通してもいいですよね?
679「…」
デンデ「えへへ…」
679「デンデ、もう夜は遅いです、休んでください」
デンデ「うふふ」
679「デンデ」
デンデ「ちゅーしてくれたら、考えます」
679さんに顔を向け、目を閉じてみる
679「…仕方のない神様です」
デンデ「…ん」
暖かい口づけ
でも、それはぼくの想定外のきすでした
だって、頬に軽く唇で触れるだけのきす
…
679「私は資料室にでもいますから、きちんと休んでください」
デンデ「えー!?今のじゃ、いやですよ」
679「神様」
デンデ「ぷーんだっ」
868 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/06/26(木) 03:45:47.09 ID:dXL51IDO
679「神様」
少しだけ、679さんの声が荒がる
怒らせちゃったかな、なんて思ってちろりと679さんを見上げると
表情こそ普段通りですが、気配というか雰囲気が確かに怒っているような…
679「わかりました、そこまで言うのなら仕方がありません」
デンデ「え?」
デンデ「…っ!や」
679さんが、瞬く間にぼくをベッドに押し倒し、腕の自由を奪う
679「知りませんよ、神様」
デンデ「…っ、ぅ…ん…」
唇が唇で塞がれる
それは、今までのとは全く違うきす
荒々しくて、強引で、深くて、貪るようなきす
デンデ「ふ…ぁ…っ…ぅんっ」
少し恐怖さえ感じているのに、身体の奥が熱くなる
それは、今朝の執務室での感覚に似ていました
背中がぞくぞくして、身体の奥が熱くって、頭の中まで溶けてしまいそうな感覚
872 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/06/26(木) 03:57:38.16 ID:dXL51IDO
デンデ「…っふ…ッ…ぁ…ぅ」
口角から唾液が頬を伝い、流れ落ちて首まで垂れる
恐いのに、もっと深く求めてしまう
身体が熱くてたまらない…
なのに、唇が離れてしまう
デンデ「…っはー…はー…」
679「終わりです、しっかり休んでくださいね」
デンデ「…はー…はー…」
878 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/06/26(木) 04:23:56.82 ID:dXL51IDO
デンデ「はー…はー…無茶言わないでください…」
679「?」
デンデ「熱いんです…身体中がゾクゾクして、…足りない」
こんな状態で眠れるわけがありません
なのに、しっかり休めだなんてずいぶんヒドい無理を言う人です
デンデ「…えっちなこと…したいです」
679「!!?」
頭の中をよぎるのは、毎晩のように見ていた>>1さんとピッコロさんの夜の光景
以前はピッコロさんの気持ちがいまいち理解できませんでしたが、いまなら理解できます
679「…っ、理解不能」
デンデ「えへへ…ぼくもわかりません」
デンデ「ぼくたちナメック星人は…生殖行為を必要としません…」
デンデ「だから…こんな気持ちは…どうしたらいいか、わからないんです」
679「…」
デンデ「教えてください…どうしたらいいのか」
次スレ:
神とロボと、初めての朝と… Vol.2