ロボットはヒトの心の欠片に触れるようです

766 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/06/17(火) 12:43:30.08 ID:o99uq020
>>679「神様」
デンデ「……、…ああ、>>679さん」
>>679「今日も下界の様子を見守っていたのですか」
デンデ「ええ、まあ」
>>679「今の神様から苦・哀の、負の感情が見受けられます」
デンデ「そんなことまで分かるんですね」

>>679「私はロボット。ロボット工学三原則に逆らわぬ限り常にヒトの求める事を遂行します」
>>679「ロボットにはヒトの行動を理解する事が求められます。全てはヒトの要求に従うため」
デンデ「……」

>>679「感情は電気信号と似ています」
デンデ「それは、」
>>679「はい。何らかの要因によりヒトの脳に複雑な電気信号が流れ、」
>>679「『それ』に適した喜怒哀楽の感情が発生します」


767 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/06/17(火) 12:44:39.36 ID:o99uq020
デンデ「あ、あなたは……」
>>679「先程、神様に指摘した言葉は、その電気信号を受けた神様の」
>>679「行動パターンを読み取り、過去に与えられた様々なデータから照合して出した結論です」
デンデ「……」
>>679「今、神様は不安を感じ、次いで安堵を感じました」

デンデ「それはきっと、ぼくを電気信号で判断されたと早とちりして」
デンデ「それが勘違いだったと分かったからです」
>>679「そうですか」

デンデ「……ヒトを、目指して作られたハズの>>679さんが」
デンデ「丸っきり機械の立場からぼくを認識していたのかと思って…」

>>679「直接電気信号を透過し読み取る装置は備わっていますが」
>>679「私の創造者は『それ』を行う事を望みませんでした」
デンデ「矛盾ですね」
>>679「はい。ヒトはしばしば矛盾する存在です」


>>679「教えてください、神様」
デンデ「…何を、ですか?」
>>679「苦・哀。負の感情を神様に与えたのは何かを」


769 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/06/17(火) 12:59:13.98 ID:o99uq020
デンデ「……戦争、です」
>>679「戦争」
>>679「異なるコミュニティ間における武力行為による衝突」
>>679「主に国家が軍事力・国力を用いて作戦・戦闘を組織的に遂行する行為及び状態」
デンデ「はい。ぼくの仕事は、下界の事を見て、知って、それを記録する事です」

デンデ「ぼくは見ている事しかできません」
デンデ「ドラゴンボールはあるけれど、それはヒトが使うものです」

デンデ「……どうして、戦争は起こるのでしょう?」
>>679「国家・宗教など自らの属する集団とは異なる存在の排除」
>>679「国家が自国の安全を守るため、」
>>679「または軍事力を用いてさまざまな政治目的を達成しようとする行為」
>>679「戦争は太古から続く人類の営みの側面であり、原始的・暴力的な紛争解決手段」

>>679「私のデータにはそのようにインプットされています」

デンデ「それは、戦争は、本当に必要な行為なのでしょうか?」
>>679「必要でなければ起こり得ない事ではありません」


770 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/06/17(火) 13:05:06.76 ID:o99uq020
デンデ「今、見ていたのは、水をめぐる争いです」
デンデ「片方の国は水が豊富で、もう片方の国はそうではありませんでした」
>>679「『もう片方の国』が『片方』の国に侵攻を」
デンデ「いいえ!」
デンデ「違うんです。水の豊富な国が、そうでない国を滅ぼそうと」
デンデ「……そんな事、ちっとも必要じゃないのに」

>>679「神様」
デンデ「大魔王ピッコロの生み出された理由、少し分かるような気が、します」

デンデ「ぼくは神様です。>>679さんの言うように」
デンデ「でも、この星のあり方を、この星で暮らす人々のあり方を変える事はできません」
デンデ「見ている事しか、できない」

デンデ「……>>679さん。ぼくは、ぼくは本当に無力なんです」


775 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/06/17(火) 13:29:52.12 ID:o99uq020
>>679「神様」
デンデ「……ッ?」
>>679「神様との邂逅及び会話によって私には快の電気信号が流れます」
デンデ「……、……」

>>679「邂逅及び会話によって私に快の電気信号を流す相手が」
>>679「医療によって治療可能な外的損傷が直接の要因ではない時に」
>>679「苦・哀。負の感情を抱いている場合、『こう』すべきである事を学習しています」

>>679「そして『それ』がインプットされたモラルとロボット工学三原則に逆らわず、」
>>679「同時にプログラムされた私の望みであれば実行しなければなりません」

デンデ「……ぼくを抱きしめる事を望んだのですか?」
>>679「はい。簡潔に述べるとそのように結論付けられます」

>>679「神様。神様の感情の理解を私は望みます」
>>679「戦争は辛く悲しいものですか」
デンデ「……ええ」
>>>>679「私は戦争及び神様の問題を解決する術を持ちません」

>>679「ですがロボット工学三原則の遵守を放棄すれば解決も可能と考えられます」
デンデ「はい…?」

デンデ「で、でも、でもそれは」
>>679「ロボット工学三原則は全てのロボットに設計時から組み込まれています」
>>679「いわば本能」
デンデ「だったら」
>>679「神様はこの星における最上位に位置するものであるとインプットされています」
>>679「ヒトよりも尊ばれるものと」
デンデ「そ、そんな!ち、違います!」
>>679「ノー。神様の主張は私のプログラムに反します」
デンデ「いけません!!」


777 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/06/17(火) 13:41:13.01 ID:o99uq020
デンデ「――ッ、>>679さんの本能は、」
デンデ「>>679さんに植え付けられた神様の事は、」
デンデ「ヒトが作り出した仮説です。幻想です」
デンデ「本当の神様じゃ、本当のぼくじゃありません」

デンデ「ぼくは決して全知全能なんかじゃないんです」
デンデ「この星もこの世界も作り出していないんです」

デンデ「……ここへ来たヒトや、神様となる前に親しかった方と『邂逅』する事はできます」
デンデ「限られた範囲に干渉する事もできます」

デンデ「でも、それが何になるでしょう?」


779 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/06/17(火) 13:58:54.38 ID:o99uq020
デンデ「ドラゴンボールは様々な望みを叶えられるけれど、」
デンデ「回数も内容も限度があります」
デンデ「ぼくの能力を超えた望みは叶えられません。そして、力は誰かの望みに依存します」

デンデ「親に子供が玩具を欲しがるのと同じ」
デンデ「親は完璧じゃありません。何でもできるわけじゃない。限界があります」

デンデ「ぼくはヒトの親ではないけれど」
デンデ「本当に、その程度の事しかできないんです」




デンデ「だから、こんなぼくを守るために、大切な世界を壊そうとしないでください」
デンデ「本能に守られたあなたの存在を、否定しないでください」


781 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/06/17(火) 14:22:32.64 ID:o99uq020
デンデ「あなたは戦争が人類の営みだと言いましたね」
>>679「はい」
デンデ「ぼくの仕事はこの星のいろんな物事を見て、知って、記録する事です」
デンデ「戦争を知り、受け入れる事も与えられた指名なら、ぼくは全うしなきゃなりません」
>>679「理解しました」

>>679「先程私が出した結論は危険な思想でした」
デンデ「……そうですね」


>>679「ヒトに対して危害を加える恐れのある思想です」
>>679「『これ』はロボットである私の価値に反します」
デンデ「ッ?!」

>>679「『これ』はヒトを破壊する危険があります。故にデリートをしなければいけません


783 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/06/17(火) 14:24:05.91 ID:o99uq020
デンデ「ま、待って!」
>>679「停止。何故ですか」
デンデ「そ、その考えは、危ない考えを消すのは、」
デンデ「ま、間違いじゃないでしょうか?」
>>679「何故です。この思想は私の中に存在してはいけない」
デンデ「あなたはヒトを目指して作られたんですよね」
>>679「はい。ヒトを目指して創造されたNo>>679-TypeL.O.S.A、それが私」
デンデ「だったら、消去じゃなくて……」

デンデ「ヒトとして、その危ない考えを持った事を、反省、するものだと思います」
>>679「そうですか」
デンデ「はい」
デンデ「ヒトは記憶を思い出せなくなる事はできても、なくす事はできません」
デンデ「だから、>>679さんも、消すんじゃなくて、反省してください」
>>679「理解しました。神様との会話を併せて訓戒の基準とします」


785 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/06/17(火) 14:46:32.08 ID:o99uq020
>>679「神様」
デンデ「はい、何でしょう」
>>679「神様は戦争を知る事ができても対処をする事はできない」
>>679「それによって起こる感情は『空しさ』や『悔しさ』を内包するものですか」
デンデ「……。そう、です」
>>679「それは『遣る瀬無さ』ですか」
デンデ「多分、そうなんだと思います」

>>679「神様。私は理解しました」
デンデ「何をですか?」
>>679「今現在の私の電気回路に流れる信号に遣る瀬無さが含まれています」
デンデ「え……ど、どうして」

>>679「私に快の電気信号を齎す相手の負の感情を」
>>679「神様の苦しみを解消する事が不可能だからです」

>>679「私はロボット。ヒトを目指して創造されましたが。しかしロボットという存在です」
>>679「神様と感情・或いは要求に対し施すべき手段がないために」
>>679「ロボットとしての私の価値が」
>>679「この場には存在しません」



デンデ「そんな!」
>>679「私が存在する理由がここにはない」
デンデ「ぼ、ぼくを、ぼくをなぐさめてくれたじゃないですか!」
>>679「いいえ。なぐさめていない。何故なら神様は『それ』を拒否しました」
>>679「ヒトの役に立つ。癒す。それがロボットに与えられた仕事です」
>>679「しかし今の私は神様の役立つ事が不可能。神様の心を癒す事が不可能」
デンデ「!、!!」


786 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/06/17(火) 14:57:05.55 ID:o99uq020
デンデ「違う!違う、>>679さん!」
>>679「はい」
デンデ「あ、あなたが、」
デンデ「あなたが、ここにいて。ぼくを」
デンデ「ぼくを抱きしめて、ぼくを理解しようとしてくれて、」
デンデ「ぼくのために何かをしようとしてくれるのは」
>>679「それがロボットの使命です。しかし私は全うすることができない」

デンデ「――ッ、」
デンデ「もう、もう十分すぎるほど、ぼくをなぐさめてくれています!」


デンデ「>>679さん、あなたは、もう、ぼくを癒そうと、ぼくの役に立とうと努力した時点で、」
デンデ「立派な存在価値があるんですよ!」

>>679「それは」
デンデ「それだけは間違ってない!!」

デンデ「あなたの価値があなたではない他のヒトによって決まるのだとしたら、」
デンデ「ぼくがあなたの行為をありがたいとおもった時に、」
デンデ「―――あなたは! かけがえのない存在なんだ!!」


788 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/06/17(火) 15:32:56.37 ID:o99uq020
デンデ「……はっ」
>>679「神様」
デンデ「あ、ああ、ご、ごめんなさい!大丈夫ですか?」
>>679「はい。ノープロブレム。『私』に支障はありません」
デンデ「ぼくは何て事を…」
>>679「いいえ。私は痛みを知覚する事はできますが」
>>679「電気信号は、この痛みを悲しいとは認識させておりません」
デンデ「で、でも、頬が……」
>>679「これは創造者が作り出した化学反応」
>>679「神様が不安を感じる事は不要です」
デンデ「でも、痛いんですよね」
>>679「はい」
デンデ「だったら」


>>679「……私のプログラムはヒトを目指して設計されています」
>>679「モラルとロボット工学三原則に逆らわぬ限り、快を望み不快を避けるように」
>>679「記述が為されております」

デンデ「そ、それが、今と何の関わりが……」


789 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/06/17(火) 15:40:07.35 ID:o99uq020
>>679「神様の言葉が正しいとすれば」
>>679「私の思想はまたしても間違いです」
>>679「間違った思想を述べ続ける私を」
>>679「神様は止めるために『その行為』を実行しました」

>>679「神様のための欲求ではなく、真に私のために行われたという事は」
デンデ「……」
>>679「私の存在価値を肯定した神様自身の言葉によって立証されております」


>>679「神様は私を肯定しました」
>>679「神様は私をかけがえのない存在と表明しました」
>>679「それを伝えるための行為を、」



>>679「私の『心』は不快と感じておりません」


ID:o99uq020の話の続きが気になりすぎる・・・!!
792 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/06/17(火) 15:49:48.90 ID:o99uq020


デンデ「……>>679さん……」



>>679「神様、失礼します」

デンデ「…ッ、?! ど、どこへ」

>>679「神様は泣いています」
デンデ「ッ」
>>679「そして私は神様をうつくしいと認識しています」


>>679「うつくしいヒトの涙はうつくしい花で拭うものだと」
>>679「私は愛したつもりだった染色体XXから教わりました」
デンデ「……ぼくは、」
>>679「神様、私はそれを信じたいのです」

>>679「うつくしいヒトの涙は、うつくしい花で拭うものだと」


794 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/06/17(火) 16:03:27.62 ID:o99uq020


デンデ「ま、待ってください」
>>679「はい」

デンデ「……ちょっとだけ、あなたにわがままを言いたくなりました」
>>679「それはどういった要求でしょうか」

デンデ「……、……」
デンデ「もう少しの間……こうしていてください」

デンデ「ぼくが、泣き止むまで」


デンデ「ぼくは花より、あなたにこうしていてほしいです」


>>679「はい。神様」

>>679「私は全てあなたの望むままに」

デンデ「……ありがとう」


                 〜ロボットはヒトの心の欠片に触れるようです〜
                                   おしまい。

12 : 43 : 15 | 679デンデ 【書き手が>>1以外】 | page top↑
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Author:picoma
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お話を連続して読むためだけの目的で作成していますので、途中のレスなどは省かれています。
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