265 : ◆hAmnyPalgs[sage]:2008/06/09(月) 02:20:22.20 ID:aIka58Qo
歯磨きに使う洗剤の匂いが鼻先を掠めた、と思う間もなく唇が触れる。
何度触れてもまだ足りんと思うのは七年押さえ込んでいた渇望のせいか、
それとも
愛しているからだろうか。
後頭部に柔らかく滑る掌が優しい。
そんなに優しく触れてもらえるほどの価値がオレにはあるのだろうか。
啄ばむようにひとつ、ふたつ、恥ずかしくなるような甘い音を立てて
唇が弾み、オレの口の表面を吸う。
>>1の肩に触れているオレの指先が震えていることにオレは気付いている。
>>1は気付いていなければいい。
あっという間に唇が離れた。
手指が、首と後ろ頭の付け根をなぞるように撫でて離れていく。
おしまい、か?
目を開けた。すぐに目の前に>>1がいる。優しげな顔でオレを見ている。
「好きです」
270 : ◆hAmnyPalgs[sage]:2008/06/09(月) 02:29:17.52 ID:aIka58Qo
優しい声だった。血液が熱くなる気がする。
オレは羞恥していた。
触れていた>>1の唇の感触に最早飢えている己を認識せざるを得ない。
好きだ。オレも好きだ。大切な>>1から好意を言葉で示されて嬉しい。
けれどそれなのにオレは満たされず、
どうして舌をくれないのだろうと切なく思ってしまっている。
唇がじんじんと疼く。
「オレも…だ」
気付かれてはいけない。こんなはしたないオレを知ればきっと>>1は幻滅する。
>>1にとってオレはきっとあの時のままだ。
性について興味はあっても、性欲というものは持たぬままだ。
……
オレが、もっと欲しいと、くちの中までお前を感じたいと望んでいると知れば、
口を疼かせ、お前の舌を、……それ以上を欲しがっていると知れば、
きっと>>1は幻滅する。
それは、>>1にではなく、あの男に植え付けられた衝動だからだ。
気付かれてはいけない。
275 : ◆hAmnyPalgs[sage]:2008/06/09(月) 02:37:24.72 ID:aIka58Qo
>>1の両腕が強くオレを抱きしめてくれた。
強い?いいや、オレにとっては大したことのない力だ、それでも。
嬉しかった。
それなのに。
「ピッコロさんもぎゅってしてくれる?」
耳元で囁かれた声にひる、と微かに耳が揺れる。
抱き締めても良いのだろうか。
おずおずと両腕を持ち上げると、>>1の腕の強さが増した。
「……大好きっすよ」
ほんの少しだけ、あの頃よりも落ち着いた声で、
あの時のままの言葉をかけてくれる。
オレはそれだけで満足しなければいけないのに。
満ち足りなければいけないのに。
>>1の指先が、腕の体温がオレの体をきつく封じている。
その感覚にさわさわと背筋に震えが走る。
求められたい。もっと、強く、深く。
278 : ◆hAmnyPalgs[sage]:2008/06/09(月) 02:42:53.89 ID:aIka58Qo
ピッコロ「……」
わんこ「きゅーん」
ピッコロ「ご主人様は、遅いな」
わんこ「くんくん」
ピッコロ「フ。くすぐったいぞ」
わんこ「きゅーん」
ピッコロ「……」
ピッコロ「……、」
わんこ「ぺろぺろ」
ピッコロ「よせ」
わんこ「きゅーん? ぺろぺろ」
ピッコロ「…………っ、よせ、顔を舐めるな」
281 : ◆hAmnyPalgs[sage]:2008/06/09(月) 02:45:51.88 ID:aIka58Qo
最低だ。最低だ。最低だ。
オレはどうしてこんなに浅ましいんだろうか、
こんなオレが何食わぬ顔をしてあいつの傍にいても許されるのだろうか。
それでも離れられない。
犬から逃げるように二階に上がり、付いてこようとした犬の鼻先で寝室のドアを閉めた。
暫く廊下をうろついていた彼女がやがて諦めるように階下に下りていく足音を聞いて、
漸く安心して体の力を抜く。
ドアから離れてベッドに倒れ込んだ。
体が熱い。
288 : ◆hAmnyPalgs[sage]:2008/06/09(月) 02:54:25.31 ID:aIka58Qo
掛け布団の上に身を投げ出して呼吸を整えようとする。
肌がしんしんと熱く、痒いような、疼くような堪らない気持ちに襲われた。
身を擦り付けるように寝具に押し当て、
己の身の扱いづらさに溜息をついた。
軽く畳まれていた>>1のパジャマが手にぶつかり、
見なければいいのにオレはそれを見てしまった。
七年前はパジャマなんて使っていなかったのに。
肌に心地良いコットンのそれを、思わず手に取る。
軽くて、柔らかかった。
>>1はまだ帰らない。
293 : ◆hAmnyPalgs[sage]:2008/06/09(月) 03:00:20.78 ID:aIka58Qo
抱き締めてみる。へたりと薄っぺらなそれは何も感じさせてくれない。
洗剤の香りにじりじりとした熱が背骨を突き上げてくるようだ。
「>>1」
自分の声にびくりと耳が跳ねる。
物欲しそうな、いやらしい声だった。オレはこんな風に喋る奴じゃなかったはずだ。
いやだ。オレはオレが嫌いだ、許せない。
こんなオレになってしまっていることを知られたらきっとがっかりされる。
>>1は優しくしてくれる。オレを好きだと言ってくれる。
変わらず愛していると。
七年、ずっと待っていたと言ってくれる。
そうして抱き締めて、優しいキスをくれるのに、それなのに。
294 : ◆hAmnyPalgs[sage]:2008/06/09(月) 03:02:16.91 ID:aIka58Qo
羞恥と己への嫌悪に頭がくらくらとしてきてしまう。
ベッドに頭を擦り付けると、>>1の気配を感じるようだった。
>>1の匂いがする。胸元のパジャマをきつく抱いた。
もう、辛くて、耐えられない。
からだが、あつい。
唾液が溢れる。
299 : ◆hAmnyPalgs[sage]:2008/06/09(月) 03:07:06.57 ID:aIka58Qo
抱いたパジャマをずるりと口元に運ぶ。
薄くくちをあけた。いけない。解っている。こんなことはいけない。
だがくちの中がうずいて、たまらない。>>1の気配をもっと、もっと感じたい。
くちの中をあいつになぶって欲しい。だがそんなことを望んではいけないのだ。
かふ、とパジャマに噛み付いた。
洗剤の香りがする。>>1の匂いもするようだ。
香りが脳髄に届く。揺さぶられる。
止まらなかった。
301 : ◆hAmnyPalgs[sage]:2008/06/09(月) 03:11:26.60 ID:aIka58Qo
「ふ、 ふ、…」
繊維が歯に届く。もっと、と望むままに口に含んだ。
唾液が溢れてじゅわと布地に染みて歯ごたえが増す。
粘膜に濡れたパジャマが擦れる。もっと、もっとだ。
欲しくて堪らない。口を開けた。
生地の向こうから指を押し込んで、己の口の中にめり込ませる。
びんっ、と足が伸びた。反射のように筋肉が引き攣る。涙が滲んだ。
「うくっ…」
>>1の体を包んでいた布地で舌を擦る。
指でパジャマを舌に押し付けると体が震えた。
「っふぁ……」
唾液がパジャマに染み入っても染み入っても次から次に溢れて来る。
309 : ◆hAmnyPalgs[sage]:2008/06/09(月) 03:25:57.08 ID:aIka58Qo
「ぁッ…は、 っ」
もっと奥まで欲しい、擦り付けて欲しい。
だがオレは>>1のその感触を知らない。
思い描けるのは舌だけ、それ以上を考えてはダメだ。
あの男のソレしか知らないオレは、
奥まで突いて欲しいと望めば、ソレを思い描くことになる。
>>1のが、欲しい。
「 っぁ…ん、」
パジャマの生地をしゃぶり、舌を絡ませて嘗め回す。
オレの唾液を吸った布地はじっとりと濡れて熱い。
舌を擦りつけ、それだけでは我慢出来ずに>>1の舌の動きを真似て
口の中を荒らさせる。唾液がいやな音を立てた。
317 : ◆hAmnyPalgs[sage]:2008/06/09(月) 03:37:00.15 ID:aIka58Qo
聴覚にちゃぷちゃぷと濡れた水の音が響く。
ベッドの上で体が跳ねる。
>>1と口付けている間は必死に耐えている熱を、震えを、今は抑えない。
「ぅ……ふ、は…っ」
指を動かす度にびくん、びくんと足が震える。背筋が反る。
舌がかっかと熱い。涙が浮かんで視界が歪む。
お前にこうされたい、お前の舌で素直に感じたい。
そう思っていることに気付かれるのが、怖い。
「 っは… ぁ、 っん」
舌を乱暴に擦った。背がベッドの上で浮くほどに体が反応する。
じっとりと濡れたパジャマの繊維のざらざらした感触が
舌の表面を荒らす。口端からとめどなく唾液が溢れる。
・・・つづく。
次スレ:
七年後のピッコロさん(欲求不満重視) Vol.2