いったい重大な欠陥って何なのでしょうか
まさかまさか、解体処分スクラップ直行な重大欠陥では無いと良いのですが…
けれども679さんはただ黙って、その続きを口にしようとはしないのです。
痛いほどの沈黙があたりを支配して
考えれば考えるほど、イヤな想像ばっかりが湧いてくる。
どきんどきんと、緊張したぼく自身の鼓動がうるさくて
「…あの、その重大な欠陥って…」
「…はい、とても重大です」
「…」
「…」
言いたくないのか、言えないのか
679さんは口を真一文に結び、ただ悲しい顔でじっと黙っている
でも、訊かなきゃ
訊かずにいて後で後悔なんてしたくない
もう、後悔はしたくないんです。
「679さん、教えてください。その重大な欠陥って…」
「…神様」
意を決して見上げた679さんのガラスレンズの目は
ひどく落ち込んでいるように見えました。
788 ◆AC57OO8nhs [sage] 2009/09/06(日) 01:57:29.73 ID:EzRdM2DO Be:
どきどきと痛いほどに鼓動が早鐘を打つ
でも、知らずに後悔はしたくないんです
「…」
「…実は」
真一文に結ばれていた唇を開く679さんの声は剰りに重たくて
その重たさが事の重大さを物語っているようで
ぼくは彼の手を掴み、じっとその目を、顔を見つめる事しかできなかった。
聞き逃さぬように、それがどんな事でも彼を受け入れようと心に決めて。
そんなぼくの心中を察したのか、679さんがゆっくりとぼくの前にひざまづき
そっと耳元に口を寄せ、呟くように囁いた
「…、私、スキップが三段跳びになるんですよ」
「…」
ぼくは今さっきまでのぼくの全てがアホらしくなった。
なんでぼくはこんな人の話をまじめに聞いているんだろう。
とりあえず679さんを殴りたい衝動に駆られながらも、それをこらえ
ぼくはなにも言わずに(言えずに)執務室に戻り仕事を再開することにしました。
ドアの外からぼくを呼ぶ679さんの声が聞こえる気がしますが、あんな人知りません。
ばか!
おしまい。