663 ◆AC57OO8nhs [sage] Date:2009/05/12(火) 05:11:09.49 ID:nSb6KoDO Be:
>>653続き。
「…ん?」
ふと、目に留まった怪しげな人影。
神殿の裏手で、ちらちらと窓から中を覗き見ては何かを探しているように見えるが
なにをしているかなど私の理解の範疇ではない。
その姿や顔立ちはメモリーにあるどの人物とも符合せず
様子から見て、神殿の中の様子を窺っているようだというのはわかるが…
「…いかがしましたか?」
「え、あ!」
怪しみながらも声をかけると
怪しい人はびくんと跳ね上がり、いかにも挙動不審気味にこちらに振り向いた。
表情を驚きに歪めながら
顔の横で両手のひらをこちらに向け、首を横に振り
典型的な『なんでもない』のジェスチャーをして、見覚えのないその男は数歩後ずさり
そこからは、まるで逃げるように私の前から走り去ってしまった
同族であれば多少なりの機械音でわかるが、それは無かったから機械ではない。
そして天界から降りる姿の動き方を考慮した限りでは、反重力調整装置を装着した人間だろうということはわかった
664 ◆AC57OO8nhs [sage] Date:2009/05/12(火) 05:15:36.56 ID:nSb6KoDO Be:
そしておそらく、彼が693なのだろうと私の電子頭脳がそう告げていた
本来、勘や思いこみだけで行動することは機械としてあるまじき事だが
どうもここ最近の私は変だ。
人間に近づきつつあるのだろうか
直感や思いつきに頼りがちだ
そして今も
私はその直感のままに行動しようとしているのだ
沸き上がる嫉妬心と抑えようとする自制心の感情電流が、ぱちぱちとブレインを溢れさせ
もう私自身、私がわからなくなりそうだった。
今まで抑え込んでいた
かなうことのない、生命を持つ者への理不尽な嫉妬が
神様への不安と想いと同時に音を立てて破裂しそうになる。
もし私が神様と出会うことなく、彼が神様と過ごしていたなら
機械の私には出来ない事を、生命を持つあの男は神様に出来ていたのだうか。
むしろ私が隣にいるよりも、そちらの方が神様には良いのではないだろうか?
多少なり人に近づき、絶対的な機械とは言えなくなったかも知れないが、しかし完璧に人間という生命体に成ることはかなわない
ある種、なり損ないとも言えるだろう私が
神様に何を出来る
665 ◆AC57OO8nhs [sage] Date:2009/05/12(火) 05:17:47.75 ID:nSb6KoDO Be:
所詮機械で、多少思いを言葉に出来るだけの
家電や筐体と何ら変わりない機械の私が
神様に何をして差し上げることが出来る?
神様は
神様は、本当は私なんかよりも
あの男と共にありたいのではないだろうか
いいや、あるべきなのではないのだろうか
地球の神として
生命体として
一人の人として
私にはあの男がどんな人間かはわからないが
すくなくとも、なり損ないの私よりは良い影響を神様に与えてくれるのだろうか
そして、神様はあの男がまだ好きなら、なぜ私と共にいてくれるのだろうか
なぜ私と共にいて、戯れ言のような私の感情に付き合ってくれるのだろうか
それはおそらく…
666 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage] Date:2009/05/12(火) 05:19:48.55 ID:nSb6KoDO Be:
679が卑屈だ…
ここら辺から嫉妬全開!
苦手な人は読み飛ばしてどうぞ。667 ◆AC57OO8nhs [sage] Date:2009/05/12(火) 05:21:06.75 ID:nSb6KoDO Be:
おそらくは…
「…」
見上げた空は、先ほどとは打って変わり
どこか滲んでいるように見えた
668 ◆AC57OO8nhs [sage] Date:2009/05/12(火) 05:33:52.92 ID:nSb6KoDO Be:
……
………
「…どうしちゃったのかなぁ、679さん」
あの679さんが、さっき何かふつうではない感情を持っていたことぐらい
ぼくにだってわかる。
でもやっぱりぼくはナメックで
何を思っていたのかは全くわからない
まだまだ地球人の感情を理解して、感じるようになるにはまだまだ遠いみたいです
679さんも正確には人間じゃないですけど…
「はぁ…」
679さんが部屋から消えて何度目になるかわからないため息が漏れた。
だって、本当に
考えれば考えるほどわからない
679さんは、何を考え思っていたんだろう。
「…はぁ」
まるでため息のバーゲンセールだな!
そのため息とほぼ同じく、がちゃりとドアが開けられ
そこに立っていたのは、さっき『帰る』と言ってたはずの679さん本人だった。
「679さん、帰ったんじゃなかっ…」
「神様」
「ひゃっ!」
机にぐいと身体を押し倒され、両腕が抑えられる
間近にある679さんの顔は、いつも通りの無表情のはずなのに
不思議とどこか何か辛そうさえ見えて…
「…679さ」
「私に、693という男を見ていた?」
「え?」
669 ◆AC57OO8nhs [sage] Date:2009/05/12(火) 05:36:11.58 ID:nSb6KoDO Be:
言葉の、意味が理解できなかった
679さんに693さんを見てる?
どういう意味なのか
頭がついていかない
だって679さんは679さんで、693さんとは違うんだから
679さんに693さんを見るわけが無いのに
無いのに…
「ねぇ、神様」
「…」
どこかつらそうに見えるその無表情は
初めて見るそれだった
「…っん」
急かすように、性急に重ねられた唇も
何かから
何かから、逃げようとしているかに感じた
679さんの舌先が、ぐいぐいと口の中に入ってきて
無遠慮にすべてをかき乱してゆく
「…、んっ…ぅ」
じわり、じわりと、くすぶるように身体の芯をえも言えぬ感覚が上ってきて
679さんの手のひらが、這うように服の中に入ってくる
足元からローブをめくり上げ、帯を解き、お腹を、胸を、手のひらが這って…
「神様は、693とやらがまだお好きなんですよね?」
不意に耳元に寄せられた口で囁かれた言葉は
ぼくの頭を混乱させるには充分だった
679さんはさっきから何を言っているの?
なんで?何を考えているの?
なんなの?なんなの?
670 ◆AC57OO8nhs [sage] Date:2009/05/12(火) 05:38:41.19 ID:nSb6KoDO Be:
「!?」
急に視界が暗くなって
状況が理解できなくなる
何かで、目隠しされた?
理解できずに言葉さえ失っていた暗闇の視界の中
気づけば679さんから軽く響く、何かを調整するような機械音
そして
「…、デンデ」
「!」
その声は、聞き慣れた679さんの無愛想な声じゃなくて
かすかな記憶に残る、693さんの…
「…さぁデンデ、身体を、わt…俺に預けて」
「…やめっ…!」
身体を這う手のひらが、下腹部にまで入ってくる
するり、するりと
「…っ、679さん!下手な冗談はやめてくださいっ!」
「冗談?いえいえ、冗談なんかじゃありませんよ」
抑揚のない、乾いた声は
さっきの顔とは違いどこまでも無表情に感じた
「冗談じゃないならなんのつもりなんですか!」
「彼が、693さんがお好きなのでしょう?どうぞ、私を彼だと思っていただいて結構ですよ」
671 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage] Date:2009/05/12(火) 05:46:44.68 ID:nSb6KoDO Be:
なんかよくわかんなくなってきた…
一応展開安価
A・思いのまま暴走鬼畜679
B・デンデの言葉にちゃんと耳を傾けようよ
C・完璧に擦れ違う
D・他
続く・・・。